「違法行為」が救う。世界一危険な街


4,000人のスケボー男子が一斉にニューヨーク、マンハッタンを駆け抜ける。しかも違法で。
 
そんなイベントが去年の今頃、ニューヨークで開催されたらしい。
 
道路の利用許可を一切取っていない。この無許可レースは、ただでさえ狭い道に歩行者と車が入り乱れる「カオスな街」に、更なる混乱を巻き起こしただけでなく、全速力で車と接触ギリギリの距離を疾走するレースなので、参加者にもかなりの危険が伴う。

 
「生粋のワル」で「違法を恐れないやんちゃな行為」
 
スケボーやグラフィティアートに代表される「ストリート生まれ」のカルチャーにはいつも、そんなマイナスイメージがつきまとう。
 
かっこいい。けど、ワルいし違法。
 
しかし今、そんな印象の強いストリートカルチャーから、新たな動きが登場しているようだ。
 
 

1日4人の殺人件数。世界一危ない街を「違法行為」が救う!

(Photo by Chris Ford)

(Photo by Chris Ford)

公共物である壁に、思いのままカラフルなペンキで描くグラフィティアート。
 
いくら綺麗でも街の観光名所になり得る名作であっても、これは基本的には違法行為。
 
しかしこの「違法行為」が、4年連続で「世界一危ない都市ランキング」に選出され続けているホンジュラスのとある街、 San Pedro Sulaに変革をもたらしているそうなのだ。
 
違法行為で街を救うのは、地元のアーティストやアクティビスト。
(Photo by GOOD)

(Photo by GOOD)

(Photo by GOOD)

(Photo by GOOD)

彼らは、犯罪の温床となってしまった街を「アートの力」で、取り戻そうとしているのだ。
 
 
警官が見守る「違法行為」

(Photo by  Thomas Hawk)

(Photo by Thomas Hawk)

GOOD magazineによると、この街の1日の殺人発生件数は4件。
 
住人は家の中に閉じこもり、外にいる人といえば銃を手にしたガードマンくらいなのだそうだ。
 
中央アメリカで最も悪名高いギャングが占領し、犯罪の温床になってしまったこの街では、ただ壁に絵を書くだけでも、命がけ。
(Photo by Paula Bailey)

(Photo by Paula Bailey)

ペインティングを行う際、アーティストたちは必ず警察に事前連絡をし、警護をしてもらっているそうだ。
 
GOOD magazineのインタビューでアーティストの一人、メラリー・アヴィラさんは次のように答えている。
 

私たちは世界や国を変えることはできないかもしれません。ただ、私たちは少しづつ一歩づつ、変化を起こしていこうと考えているんです。実際、何人かの人々は(この活動によって)目を冷まし、(この地域を少しでも良い場所にしようと)前進することに興味を持つようになっているんです!

 
 
サステナブル・スケボー

(Photo by Andrea Diener)

(Photo by Andrea Diener)

ストリートカルチャーの代名詞、スケボー。
 
冒頭で述べた通り「やんちゃ」なイメージが強いこの若者スポーツにも「ワルなのにイイことをする」。
 
そんな動きが広まりつつあるようだ。
 
ニューヨーク、ブルックリンにあるSKATEYOGIでは、サステイナブルなスケボー教室が行われているそうだ。
 
 
肥満を救う!スケボーエクササイズ

(Photo by lionel muñoz)

(Photo by lionel muñoz)

ハーバード大学で公衆衛生を学んだ創設者ケビンは、子どもや大人のための「健康的でサステナブルな都市型ライフスタイル」を提案することに情熱を燃やしていた。
 
そして、その中で生み出したのが「サステナブル・スケボー」
(Photo by Ed Yourdon)

(Photo by Ed Yourdon)

自身が20年以上続けていたスケボーと、都市型ライフスタイルを組み合わせたこの新しいスケボーの形は、道ばたでやんちゃな若者が行っていたスケボーを「エクササイズ」のように捉え直すきっかけを生み出している。
 
「彼のクラスを数回受けるだけで、一人で簡単にスケボーに乗れてしまう!」と受講者から好評のレッスンは、肥満問題が深刻化するアメリカで、大人も若者も楽しみながらエクササイズできるので、続けられる。まさに「サステナブルなエクササイズ」なのだ。
 
現在ケビンは、小学校やエクササイズスクールにて、この「“やんちゃではない”スケボー」を教えているそうだ。
 
 
「ワルくてイイやつ」が、世界を変える

(Photo by Angie Moon)

(Photo by Angie Moon)

社会起業家にボランティア団体。更には、エコやフェアトレードにエシカルファション。
 
今世の中にはたくさんの「社会に良いコト」が存在しているが、その行動にはいつも「良い子ちゃん」なイメージがつきまといがちだ。
 
実際、この社会に「良いコト」を広めるには、確実に「ワルい子」を巻き込む必要があるだろう。
 
「ワルがエコを考えないと世の中は変わらない」
 
音楽プロデューサーで環境活動にも取り組む小林武史さんがそう述べているように、違法行為スレスレでも気にしない。
 
やんちゃなワルたちが行う、社会にちょっと良い。クールな取り組みが増えていけば、世界は昨日よりも少しだけ変わっていくことができるのかもしれない。
 

ーBe inspired!

(Photo by Ricky Hernandez)
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