#1:竹で作られたアンダーウェア『HARA』に込められた、「働く人」も「環境」も顧みないファッション業界への反抗心とは。|Bi編集部セレクト『GOOD WARDROBE』


 

2000年代後半に日本のファッション業界でファストファッションブランドが台頭するようになってから、10年近くが経とうとしている。ファストファッションは製品の質が悪く、劣悪な労働環境で生産されていることが問題となりながらも、未だに人気が絶えていない。

つまり私たちが手に入れられるファッションアイテムの選択肢が広がったのと引き換えに、世界のどこかでで苦しむ人を増やし続けているのかもしれないのだ。社会の行方を左右する1人の消費者として、私たちはどんな商品を選んだらいいのだろうか。

「服をただ着るのではなく、マニフェスト(宣言)として着よう」というモットーを持つBe inspired!は、編集部がセレクトしたブランドの詰まった「人や環境、社会に優しく主張のあるWARDROBE(衣装箪笥)」を作り上げる連載を本日から始める。第1回目の今回は、オーストラリア発のシンプルなスタイリッシュさが魅力のアンダーウェアブランド「HARA」を紹介する。

Photo by HARA

ーHARAの商品を通して訴えたい問題は?

1つ目は「人権問題」です。ファッション産業のせいで、きれいな水を飲めない人がいます。そして搾取され、低賃金で働かせられているため家族を養えない人がいます。そのような状況にある人は多く存在しますが、彼らが陥っている問題を解決する方法はいくらでもあると思っています。

そのなかには消費者やファッションブランドにできることもたくさんあります。私はHARAを通し、私たちが「彼らの置かれた状況を理解していて、それをなんとかしたいと思っている気持ち」を伝え、彼らが搾取から逃れて自らの権利を取り戻せるようにしたいと思ったのです。そのため、まずは問題が深刻な地域を訪れ、どのように変革ができるか、どうすれば彼らが権利を取り戻してより良い生活が送れるようになるのかを考えました。

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2つ目は、「環境問題」です。環境、自然、母なる大地は私たちの源で、私たち自身も自然であり森羅万象であるため、環境を守ることは最優先に行なうべきだと思っています。環境の破壊は洋服の大量生産によって起きていると考えていて、その様子を見ているととても落ち着いてはいられなくなります。

水の問題も大きいです。綿を育てるために水が大量に使われているだけでなく、栽培の過程で使われる強力な殺虫剤で汚染され、きれいな水が減少しています。私たちが下着の生地を作るのに「竹」を使うのは、それが大きな理由です。竹を育てるには殺虫剤が一切いらず、水もほぼ使いません。さらに竹は空気をきれいにし、栽培に必要な土地の面積が狭くてすむなどの長所があるのです。

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ーHARAを作ろうと思ったきっかけは?

私が初めて環境破壊の現実を目の当たりにしたのは、インドを旅していたときです。化学薬品の河川への流出からプラスチックによる汚染まで、地球を守るために変えるべきことがたくさんあると感じました。そして綿農園で時間を過ごしたり、そこの農家の方と話しをしているうちに、「デザインと持続性を兼ね備えたファッションブランド」という解決法を作りたいと思うようになりました。HARAは全ての生産段階で環境への配慮がされているのです。

私はHARA(ヒンディー語で「緑」という意味です)を、人や地球のためのブランドにすることを目指して作りました。このブランドで「サステイナビリティ(持続性)とエシカル(倫理性)」の実践を意識しながら、柔らかくて美しい商品を作っています。そして、それらの実践を通して人を力づけ、環境を保護できるように取り組んでいるのです。

ーHARAの商品の特徴は?

私たちの商品にはどの製造過程においてもプラスチックを一切使いません。そして私たちが使用している、竹から作った生地は世界で最も持続可能な生地の1つです。生地を染めるのも天然植物の染料です。また、梱包の際は竹でできた生地の袋やリサイクル素材でできたHARA boxに入れています。

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ー問題を解決するためにファッションには何ができるの?

ファッション業界の人権や環境の問題を解決するためには、洋服を作る人が変わっていくことが大切だと思います。商品に使う生地を仕入れるとき、それが何からどのように作られているかを調べ、詳細まで業者に質問する必要があります。

持続可能な生地を選ぶには生地の原料を育てるのに、(もし使っているなら)どれくらいの水やどんな農薬を使っているのか、その生産によって誰かの心身の健康が損なわれていないか、生地を生産するのにどんな化学薬品が使われているのか、それより持続可能な生地があるのかを考えなければなりません。

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ーHARAの商品はどこで買えるの?

全ての商品はウェブサイトから購入でき、世界各地への郵送が可能です。日本にはまだ商品の取り扱い店舗はないけれど、早く取り扱えるようにしたいと思っています。

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形はブラジャーが2種類で、パンツは1種類。色はそれぞれ黒・白・カーキの3色が展開されている
Photo by HARA the label

 個人が何にお金を出すかは社会にとって大変重要だ。したがって1人の消費者として洋服を選ぶのも「社会をよくする手段」や「自分の考えを人に伝える手段」として活用していってはいかがだろうか。

 今回紹介したHARAのように、スタイリッシュで持続性や倫理性を兼ね備えたブランドも増えてきている。このように人や環境に配慮したブランドの幅が広がっていけば、あらゆるファッション系統の人が、見た目だけでなく生産過程などの背景を気にかけるようになっていくかもしれない。

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HARA

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All photos by @hara_thelabel unless otherwise stated.
Text by Shiori Kirigaya
ーBe inspired!

 

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