世界中のスケーターが国境を超えて集まり、ボランティアで発展途上国にスケートパークを建設し続ける理由。


 

シャーっと風を切り裂いて、悠々と板を乗りこなし、街に繰り出すスケーターたち。カッコイイ!と思ったり、筆者のように気持ち良さそうだな〜と勝手に羨ましくなったりしている人もいると思う。でもスケーターを「不良」だと思っている人が存在しているのも事実。東京のスケーターたちはよく警察に止められたり、おじいさんおばあさんに怒られたりするそう。スケーターたちはストリートで輝く存在、どこかワルだというイメージはどこの国でもある程度共通しているのかもしれない。

でも、インドやエチオピア、ヨルダンなどの国々で、世界中からスケーターたちが集まり、せっせと現地の人のためにスケートパークをボランティアで建設していることを知っているだろうか?

width=“100%"
ネパールで建設作業を行うボランティアたち

width="100%"
ボリビアのスケートパーク建設様子

 経済的に恵まれていない国々を中心にタダでスケートパークを建設しているスケーターたちとは、非営利団体Make Life Skate Lifeのボランティアたちだ。Make Life Skate Lifeは2013年に始まったプロジェクト。現在もディレクターを務めるドイツ出身のArne Hillerns(アルネ・ヒレアンズ)氏が友達とインドを旅しているときに、現地のスケーターに出会ったことがきっかけだった。彼らは自分たちでスケートパークを建てたがっていたが土地はあっても、技術を知らなかった。そこでアルネさんたちは技術を広げるためにワークショップを開催。1年後には世界中から集まったボランティアの力を借り、インドに初めてのパブリックスケートパークが建てられた。その後、現地のスケーターたちは学んだ知識を活かして、インド中にスケートパークを建設し始めたそう。このインドでの成功を経て、世界中のスケーターたちと一緒に素晴らしいことが成し遂げられると確信したアルネさんはMake Life Skate Lifeという非営利団体を立ち上げ、プロジェクトを世界中に拡大していった。

width="100%"
ボリビアに建てられたスケートパーク

width="100%"
エチオピアのスケーター少年たち

  ボランティアは現地のスケーターや海外からプロジェクトのために短期間訪れるボランティア、また現地に住む外国籍のスケーターたちなど実に様々だ。それぞれに合った方法で参加できる。海外から来るボランティアに関しては、航空券などはそれぞれ手配してもらうが現地に着けばMake Life Skate Lifeが宿や食事はできるだけ手配してくれるそう。アルネさんによると、ほとんどのプロジェクトに日本人も参加しているらしい。

width="100%"
エチオピアに集まったボランティアたち

width="100%"
ヨルダンの少女とボランティアスケーター

 アルネさんたちがスケートパークを建て続ける理由は単純。スケボーが大好きだから。

スケボーを広げるために、スケートパークを建設するのは実に効果的な方法なんだ。それに単純に僕たちはスケーターだから、スケートパークを作るっていうのもある。スケボーが大好きで情熱を持っているから、世界中の人とこの楽しみを共有したいんだ。

 そしてプロジェクトを始めてみて、スケボーが地域貢献に繋がることも知った。

このプロジェクトを通してスケボーがコミュニティを形成する上でとてもよいツールになるということが証明された。世界中の国々のコミュニティのリーダーたちも、スケボーが地域にポジティブな影響を与えると確信している。近頃はインターネットの普及に伴い、色々な場所でスケボーがどんどん注目されはじめている。比較的最近やっと世界的に認識されてきた、という感じだよ。2020年のオリンピックでも競技として認定されたしね。だから世界中のコミュニティが、若者がスケボーをやることに対してオープンになってきているんだと思う。

 だからといって、アルネさんたちは地域を「助けている」というつもりはないらしい。地域にもともとあるエネルギーを引き出せるのがスケボーなのだ。

僕たちが経済的に恵まれていない国々を助けてるとか、チャリティでやってるとかそんなつもりはない。もともとエネルギーに溢れた地域のコミュニティの導火線となっているだけなんだ。より多くの地域の人々がスケボーにアクセスできるように、スケートパークを作るというみんなの共通のゴールに対して僕らは必要なリソースを提供しているだけ。だから全てのプロジェクトにおいて、ボランティアも地域の人も対等に、一丸となって協力している。

width="100%"
エチオピア初のガール・スケーター

width="100%"
ヨルダンのスケーター少女

width="100%"
ミャンマーのスケーター少年たち

 道端で楽しそうにお酒をのむスケーターの姿が印象的だからかもしれないが、確かにスケーターではない人から見ても、スケボーはコミュニティ性が強いように見える。アルネさんにその理由を尋ねてみた。

スケボーは新しくて、楽しくて、身体的で、精神的で、社交的で、世界共通言語だと思う。とても包括的だとも言えるかもしれない。誰でもできるし、誰でも仲間になれる。競い合うようなスポーツではないし、もし競い合うとしたら、スケーターはお互いを応援しあうよ。数え切れないぐらいの楽しみ方があって、だから境界線がなく、どんどん改革されていく。

 なるほど、道端を駆け巡るスケボーには勝ち負けがない。ストリートがフィールドだと楽しみ方の可能性も無限大にある。だから他人に勝つ、というよりは新しいことを常に模索し、楽しみながら自己ベストを成し遂げることにみんな集中しているのかもしれない。そんなスケボーを通して世界中の子どもと大人を笑顔にしているのがアンネさん率いるMake Life Skate Life。今年の夏休みは、みなさんも日本からも参加してみてはどうだろうか?

***

Make Life Skate Life

width="100%"

All photos by Make Life Skate Life
Text by Noemi Minami
ーBe inspired!

 

この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!
「乗れなくなっても、好きだから」。両腕にタトゥーが入った美女スケーターが作り出すスケボーの第二の人生
全米きっての「グリーンシティ」&「DIYの聖地」、ポートランド。 ヒップスターが集まるこの街で、最近、元気なスケボー女子が、使い古されたスケボーに「新たな命」を吹き込んで...

 
IMG_9178edit1
この記事が気にいったら
いいね!しよう
Be inspired!の最新情報をお届けします