「キュウリへの愛」が起業の道へ。ゼロウェイスト・ピクルスで社会を豊かにする男たち。


ハンバーガーやサンドイッチに入っていないと何かが足りない、物足りない。縁の下の力持ち、名脇役ピクルス。

日本でいうところの漬物という感じだろうか。地味だけど、大切な存在である。

そんなピクルスに魅了され、好きすぎて、アメリカでピクルス会社を起業した2人の男が存在する。そしてその会社はピクルスでコミュニティに貢献し、地元で愛される存在となった。

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成り行きの起業

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 ピクルスが大好きすぎて起業した男たちとは、Tyler DuBois(タイラー・デュボアー)とJustin Park(ジャスティン・パーク)。アメリカのコロラド州の州都デンバーを拠点にするこの2人はピクルスが大好きすぎて、趣味として仕事以外の時間は全てピクルス作りに費やしていた。

 

もし当時(起業前)誰かが僕たちに「ピクルス会社を起業するんだろう」なんて言ったらありえなさすぎて笑ってたと思う

  
 当時はお互いの家のキッチンや、タイラーが働いていたレストランの隅っこでピクルスを作っているぐらいで、せっかくだからと、週末に開催されている地元のファーマーズマーケットに出店していた。

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 そのうちだんだんと話が進んでいき、本人たちいわく、いわば成り行きで2012年にピクルス会社「The Real Dill(ザ・リアル・ディル)」を起業することとなった。その年のファーマーズマーケットのシーズンに向けて数ヶ月試行錯誤し、お披露目したプロダクトは即完売。そこで本職はやめ、立ち上げた会社一本でやっていく決意をしたそうだ。

 その後、ちゃんとした仕事場としてのキッチンを見つけ、毎週100時間以上働いた結果、現在ではコロラド州をメインに500店舗にプロダクトを置いているそうだ。

 彼らのこだわりのピクルス作りはキュウリを切るところからパッケージのラベル貼りまで全て手で行う。そんなアットホームさと確かな味でコロラド州の人に認められた。

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もったいない精神で生まれたベストセラー商品

 でも彼らのヒットのきっかけとなった商品は実はピクルスではなく、トマトジュースとタバスコでお馴染みのブラッディメアリー。このベストセラー・ドリンクは、「もったいない精神」から生まれたそうだ。

 ビジネスが安定し始めると、タイラーとジャスティンははピクルスを作る過程でゴミとなっていく食材に心を痛め始めた。彼らは毎週約136kgもの生ゴミを捨てなければならなかったのだ。そこでピクルス用に漬けていたキュウリの残りの汁を使ったドリンク、ブラッディメアリーを思いつく。これがあっという間に人気になり、今では店の看板商品だ。

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 残りの生ゴミの対策としては、地元の生ゴミを肥料に変える活動をしている非営利団体Re:Visionとパートナーシップを組むことで解決した。Re:Visionは経済的に恵まれていない地域の農園やコミュニティガーデンをサポートする団体である。つまり、The Real Dillの生ゴミは地域の農園に肥料として吸収され、土地を豊かにしているのだ。

 「Waste not, want not.(浪費しなければ、窮乏することもない)」を信念に持つ彼らは、地域に対して自分たちが抱える責任感からゴミを出さないように心がけた結果、地域に貢献しながらゼロウェイストのビジネスモデルを実現したのだ。

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愛し愛される、優しいピクルス会社

 彼らの地域愛は止まらず、2017年にはチャリティのための非営利パートナープログラムを開始。毎年、地元の非営利の団体を決め、パートナーシップを組み、そこに募金するために、企業として資金集めをしている。

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 純粋なピクルスへの愛から起業し、地元に愛を捧げ、地元の人からもそのぶん愛されるデンバーの優しいピクルス会社。地球にも、人にも優しくて美味しいThe Real Dillみたいな会社がもっと増えれば、プロダクトを通して温かい社会になっていくのではないだろうか。

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The Real Dill

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All photos by The Real Dill
Text by Noemi Minami
ーBe inspired!

 

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