レアル・マドリードのユニフォームは「ゴミ」で作られている。


われわれ人間は、素晴らしい素材を生み出した。簡単に成形できて壊れにくいプラスチックだ。だが、これは放り投げても地球上からなくなることはない。なんとプラスチックが毎秒トラック1台分も海に投棄されているのだから。これは海の生態系に悪影響を与えるだけではない。魚がプラスチックを食べ、人間がプラスチックを食べた魚を食べる(参照元:adidas and Parley)。このように海に捨てられたプラスチックによって人間の被る害は予想以上に大きいのだ。では、どんな方法なら海のゴミを減らしていく“海のデトックス”ができるのだろうか?

厄介なプラスチックゴミ

 私たちの身の回りにある製品の多くに使われているプラスチック。コンビニエンスストアに行けば、食べ物はプラスチックで個包装され、何かを買えばプラスチックストローやプラスチックスプーンが無料でもらえる。これらはポイ捨てされるだけではなく、雨や風によって海に運ばれる。そんな「海ゴミ」は、他国まで漂流したり、さまざまな生物や汚れが付着したり、時間とともに劣化して自然物と混ざってしまうなど収集することも難しくなるという問題がある(参照元:一般社団法人JEAN)。また、海のまわりに生息する動物が誤って食べてしまい、消化できずに死に至ってしまうこともある。それから、人がプラスチックゴミを食べた魚を口に入れたときには、食物連鎖によって有害物質が濃縮されていて人体に影響が及ぶ可能性も否定できないのだ(参照元:NHKクローズアップ現代+)。プラスチックの便利さの裏には、重たい問題が隠れている。

(Photo by N Migo)

(Photo by N Migo)

海をデトックスするスニーカーとユニフォーム

 日本各地の海ゴミの6~9割を占めるのはプラスチックゴミだ(参照元:環境省)。そんなプラスチックの一つ、漁網を素材にしたスニーカーがアディダスと海洋環境保護に取り組む「Parley for the Oceans」とのコラボレーションで実現している。これは地球環境をよくするだけのためのものではなく、人間や他の動物の体をも結果的にきれいにするものだ。

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 さらには、有名サッカーチームのレアルマドリードとバイエルンミュンヘンのユニフォームもアディダス×Parleyで手がけている。海のゴミはスニーカーだけでなくユニフォームへと変身しているのだ。

 さて、アディダスとコラボレートしたは“Parely”どんな集団なのだろうか?メンバーはアーティストをはじめとするあらゆる分野の人々で構成され、クリエイティブマインドを持ってカルチャーやアートを通して海を守ろうとする者たちだ。歌手のファレル・ウィリアムズも参加していることでも名が知られている。デザイナーと策略家であるメンバーの1人は、「このクリエイティブコミュニティは、環境保護活動に取り組む大きな責任がある」(引用元:Dezeen)と話しており、海のプラスチックゴミに対しては、プラスチックをなるべく使わないようにし、プラスチックのゴミをなくし、プラスチックを使う経済体系を設計し直すことに取り組んでいる(参照元:Parley)。

(Photo by adidas)

(Photo by adidas)

 このように、まずは出てしまったゴミという「毒素」を減らしていく(=デトックスしていく)ことが、海をきれいにする一歩となるに違いない。有名スポーツブランドや有名サッカーチームが参加していることも、人々に強いインパクトを与える後ろ盾となっている。現在はまだ一般販売が始まっていないが、来年には100万足を生産するそうだ。これを受けて近い将来「ゴミからできた」スニーカーや洋服という選択肢が普通になっていくだろう。

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Text by Shiori Kirigaya
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