「酔っ払った私のせい?」アートで訴えるレイプ被害者の苦悩


(Photo by Facebook)

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「わたしのせい。酔っ払っちゃったの」
 
そう書かれたボードを持ち、真っ黒な背景の中に佇む下着姿の女性。
 
背後から伸び、彼女の身体を無造作に掴む「誰か」の手。
 
これはNYのイサカ大学に通うフォトグラファー、Yana Mazurkevichが発表した作品だ。
 
彼女はこのシリーズを通して、女子大生のレイプ被害とそれにまつわる「非難の文化」への疑問を訴える。


 
 
レイプ被害に声を上げたアーティスト

(Photo by Facebook)

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2015年にYana Mazurkevichが発表した写真シリーズ「Sexual Assault Series(性的暴力シリーズ〜〜〜)」が、今再び注目を集めている。
 
2016年6月、レイプ被害や性的不平等、DVなどについての意見交換を進める団体「Current Solutions」のfacebookページで、「Dear Brock Turner(親愛なるブロック・ターナー様へ)」として紹介されたのだ。

 
 
4人に1人の女子大生がレイプ被害を受けている国、アメリカ

Brock Turnerとは、酒に酔い意識のなかった女子学生をレイプしたとして2015年に逮捕された、20歳のスタンフォード大生だ。
 
レイプという重大な罪を犯しながらも、今年6月に出た判決は禁固6か月。
 
その量刑の軽さや、息子をかばい被害者を責めるような父親の発言が物議を醸していた。
 
これは決して珍しい事件ではない。
 
現在アメリカでは、約4人に1人の女子大生が在学中に性的被害(同意なしの体への接触、キス、レイプ)に遭っていると言われる。

 
 
非難の文化に染まったアメリカ、日本

(Photo by Facebook)

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<スカートが短すぎたの>

しかし、被害を訴えようとする彼女たちに立ちはだかるのは「非難の文化(Blaming Culture)」だ。
 
レイプは被害者が酒に酔い(あるいは無理に飲まされ)、意識が朦朧としている時に行われることが多い。
 
「非難の文化」に染まったアメリカ社会では、レイプの加害者ではなく、被害者の不注意や意志の弱さを責める声が少なくないのだ。
 
日本にもBlaming Cultureがある。それは「自己責任論」だ。
 
どんな出来事も「その結果に至るまでの自分の行動」に原因があり、被害をこうむっても「悪いのは自分」とする文化だ。
 
最近だと、ISに日本人ジャーナリストが拘束され殺された際、「危険な国に勝手に行った奴が悪い」とする自己責任論がネット上で湧き上がった。
 
レイプ被害に対しても、日本では
 
「露出の多い格好してるからいけないんだ」
 
「女なのにそんな時間に出歩いたのが悪い」
 
といった声が被害者に浴びせられることがある。
 
しかし、悪いのは本当に被害者なのだろうか?

 
 
悪いのは誰?作品に込められた被害者たちの叫び

(Photo by Facebook)

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<1人で歩くべきじゃなかったわ>

本当に非難されるべきなのは、加害者や、レイプ被害をよく理解していない社会だ。
 
自らの欲望をコントロールできず、抵抗できない相手や力の弱い相手を襲う「手」、本質を見極めず、被害者の行動や見た目を責める人々の存在にこそ、今一度目を向けるべきではないだろうか。
 
被害者を非難しても、問題はいつまでも解決しない。犯罪に至ってしまった加害者の行動や現場の環境を検討し、更なる被害の増加を防ぐために動くべきではないだろうか。
 
シリーズで女性たちが手に持っているメッセージには、他にこんなものがある。
 
「1人で歩くべきじゃなかったわ」
 
「私のスカートが短すぎたの」
 
「気さくに振る舞いすぎたわ」
 
Yanaは、モデルの女性にあえて自虐的なメッセージを持たせている。
 
冷たい社会の目によるセカンドレイプを受け、泣き寝入りするしかない被害者の叫びが伝わってくる。
 
彼女の作品が訴えるように、「闇の中にある本質」を見極められる目を一人ひとりが持つ必要があるのではないだろうか。

 
via.CNN,Yana Mazurkevich Photography,Current Solutions,The Huffing Post,attn,ヤフーニュース
 

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ーBe inspired!

Texted by Minori Okigaki

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