「2017年、仕事に必要なのは“遊びの余白”」。ビジネス×レジャーの、新・仕事スタイル「ブレジャー」始まる

2016.12.21

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2017年の目標をあなたはもう見つけただろうか。仕事や私生活、新しい未来にワクワクしているはずだ。そんなあなたに世界が注目する2017年のトレンド「遊びながら働く」新しい出張スタイルを紹介したい。

2017年は「出張ついでの一人旅」がトレンド

ブッキング・ドットコム・ジャパンが、世界10か国でアンケートを実施し、2017年の旅行業界のトレンド予想を発表した。2017年は、出張ついでに旅行することに価値を見出す人が今年より顕著に増えるそうだ。この調査によると、「出張旅行の多い仕事に就けるなら、今より給与が低くても構わない」と回答した人が約3割にものぼるという。(引用元:トラベルボイス)これはビジネス×レジャー、その名も「ブレジャー」と呼ばれる新しい出張の形で、仕事以外にも目を向ける余裕を持つことで視野が広がると近年話題となっている。これからは、この「ブレジャー」に向けて「日本」という国を世界にアピールしてくためにも、「仕事先」としても、「旅行先」としても魅力的な国でなければならない。

では、現状、世界から見た日本はどのような印象を持たれているのだろうか。

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Photo by Jake Ingle

日本に「ビジネス」を求める「外国人」は異例?

まず、「ビジネス面」で日本は魅力的な国なのであろうか。調べてみると、よほど突出した企業との取引でない限り、日本はそもそもビジネスに向いている国なのかどうか自体あまり語られないようだ。

2004年に内閣府調査が行った日本未進出の海外企業へのヒアリング調査によると、日本で事業をするにあたり不満な点を「地域・市場に関する情報不足」と回答した企業が最も多かった。それもそのはず、日本は海外企業誘致のための広報活動を行ってはいるが、その認知度は極めて低い。

例えば、海外企業が日本進出をするときに相談に乗ることができる「ワンストップ情報提供窓口」なるものを設けているが、この認知度も同調査でわずか6.3パーセントという結果に。日本はまず、海外企業が進出するときの選択肢の一つとなるために、他国と同じ土俵に上がるところから始めなければならないのだ。さらに、既活動企業も含めると、文化や言語の壁があることから「日本の企業間取引や官公庁との手続きに明るいコンサルティング会社やパートナーが必要」という声が聞こえてしまっている。(参照元:内閣府) 実際、近年では日本企業にも英語の能力の優れた人材やグローバル化を視野に入れている企業も多いが、情報不足からまだまだ「イメージ」で語られてしまっている部分も多い。

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Photo by Snapwire

実は日本は魅力的な旅行先ではなかった?

次に「旅行先」としての日本の魅力はどうなのか。大手旅行サイト「トリップアドバイザー」が行った調査によると、海外からの日本のページの閲覧率はアジアでは高いものの、ヨーロッパや南米ではかなり低いという。例えば、アメリカでは日本のページの閲覧割合は全体のたった2パーセントほど。中国の12パーセントと比較すると大幅に興味を持たれていないことがよく分かる。(参照元:トラベルボイス

これは、日本語の分からない外国人にとって旅行がしにくいという点もあるのかもしれない。例えばフリーWi-Fiのスポットは海外に比べ少なく、官公庁の調査では、「外国人旅行者が日本に来てもっとも困ったこと」の1位となっている。(観光庁調べ)ちなみに、「トリップアドバイザー」の調査において、日本の6倍もの閲覧率があった中国では、北京や上海、広州といった大都市やもちろん、地方の中堅都市でも町のあちこちで無料のWi-Fiスポットが見つかるそうだ。(参照元:All about) 今後は、街の魅力はもちろん、「便利さ」という部分についても今後考えていかなければならないだろう。

出張は“一人旅”になる時代

日本がビジネス面で外国の企業にとって魅力的になるだけでなく、旅行先としても多くの人を惹きつけることができれば「ブレジャー先」として出張者たちを満足させることができるだろう。だが、先述のように日本はビジネス面でも、旅行先としても「ブレジャー先」として不十分な点が多いのが現状だ。

一方で、日本人が海外でブレジャーを楽しめるようにするためにはどうしたらいいだろうか。日本で「ブレジャー」をトレンドをするには、ブレジャー先としての受け入れ体制を整えること以外に、日本人の出張に対する考え方を変えることも必要だ…2016年度の日本人の海外旅行者数は世界で16番目に多く(参照元:Daily Mail)、その数は1621万人で(観光庁調べ)、日本人は海外旅行好きとして知られている。

この順位は、1カ月以上の休暇が取れやすい欧州諸国が上位を占めるなか、日本人の休暇取得状況を考えると非常に高い数字と言っていいだろう。それにも関わらず、「出張ついでに旅行に行った」と答えた人が少ない現状を見ると(参照元:JTB総合研究所)、私たちは「仕事」に対し、「真面目であるべき」という意識が強く根付いているのかもしれない。今後、海外に進出する日本人の間でブレジャーが広まるには、もう少しだけ「仕事に対する“遊びの余白”」を残してみてもいいのかもしれない。また、ブレジャーというスタイルで日本に来る人々が増えれば、日本人も出張ついでに旅行をすることが普通に感じられるようになるだろう。

2017年は、出張ついでに旅行する働き方が広まり、仕事をより楽しめる人が世界で増えることに望みをかけたい。

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Photo by Kaique Rocha

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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