「ブラをつけるかどうかなんて、自分の好きにすればいい」。若者に聞く、“ノーブラ”でいる意義とは


1960年代から1970年代にかけて、アメリカで始まった「ウーマン・リブ」と呼ばれる女性解放運動が日本にも波及して行われ、その一貫として「自らの自由(性的な自由も含む)を制限してきたもの」の象徴であるブラジャーを燃やすという「ブラ・バーニング」をしたり、ブラジャーを捨てたりする日本人女性たちが多くいた。

その時代から40年が過ぎた現在、日本では女性はブラジャーをつけるのが“当たり前”だと思っている人が多いのではないだろうか。それはもしかしたら、「ブラジャーをつけない選択」があると考えたことがないからかもしれない。そう感じたBe inspired!は、日本でブラジャーをつけないことのある女性たちに「ブラジャーをつけない選択」をするとはどういうことなのかインタビューをしてみた。

Noel Kenny(20歳)学生/フォトグラファー

Photo by @mancygant
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ーいつから“ノーブラ”になったの?

“子ども用のブラ”をつけさせられた時期のあと。それから高校の3、4年生(彼女の通っていたハワイの高校は4年制)のときに自然と“ノーブラ”になった。

ーブラジャーをつけないでいるようになったきっかけは?

私はおっぱいがあんまり大きくないから、ブラをつけないほうが心地がいい。ハワイで育って、高校のとき通っていたカトリックスクールには制服のセーラー服で、週末はだいたい水着で過ごしていた。ハワイは暑くて汗をかきやすいから、ブラをつけていて自由に動き回るのを制限されるのは好きじゃなかった。

ーそれまではどうしてブラジャーをつけていたの?

つけていたのは、自分のボディイメージに自信が持てなかった中高生の頃。

ーブラジャーをつけていたときと何が変わった?

とにかく心地がいい。

ーブラジャーをつけないでいて嫌な思いをしたことは?

アメリカではノーブラでいて特に嫌な思いをしたことはない。でも東京の大学に留学していたときには、それに対して男友だちから何か言われたり毎日電車の中でじろじろ見られたりして、いい気持ちがしなかった。

それで仕事をさせてもらうときや、尊敬してもらいたい人に会うときにつけるためのブラを買った。ノーブラだってことで仕事がもらえなかったり機会を逃したりしたら嫌だったから。

ー今でもブラジャーをつけるときがあれば、それはどんなとき?

エクササイズをするときにスポーツブラをつけたり、超セクシーな気分になりたくて露出度の高い服を着るときにブラをつけたりする。

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Photo by @ntk19890913

ーどうして日本では多くの女性が疑問を持たずにブラジャーをつけているのだと思う?

日本人女性は他と違うことをして目立ったり、集団のなかで“変な人”だと思われたりしたくないと考えている人が多いように感じる。それから、日本人女性のファッションは私が訪れたことのある他の国と比べてもすごく保守的に思えた。

日本では、お腹の見えるクロップドトップスを着て歩いているだけでも、じろじろと見られて非難されているように感じたから。だから日本人女性がノーブラになると、男性に“軽い女”だとか体を見せつけようとしているとかって思われてしまうのかもしれない。

ー女性にその意図がなくても「ノーブラ=胸や乳首(性的だとされる部分)を覆っていないから“エロい”」と考える人をどう思いますか?

私やその他の女性は「心地よさ」や「実用性」が理由でノーブラを選んでいるけれど、彼らが言っていることは肯定的な意味での“エロさ”だと考えることもできるかもしれない。女性はとても美しいから。否定的な意味での“エロさ”だというならば、それは残念なことで、女性の良さを否定しているみたい。女性は自分の性的な魅力に力づけられるべきだと思う。

ーその他に日本で“ノーブラ”でいることについて思うことはありますか?

私がノーブラになったのは、特に主張があったわけでも目立とうとしたわけでもない。それなのに、人に気を留められたり意見を持たれたりするのは嫌だな。

原宿のオープニングセレモニーで働いている友だちに会いにそのお店へ行ったとき、私が帰ったあと彼女の同僚のみんなが私がノーブラでいたことについて何か言っていたみたい。それは必ずしも否定的だったわけではないけれど、何か珍しいことのように言われていた。人間の体に対して嫌悪感を抱いているようで、日本の保守的さが表れていると感じた。

ーその他に女性がブラジャーをつける文化について思うことがあれば教えてください

女性がブラをつけていることに問題はないと思う。みんなそれぞれ好みがあるから。でもおっぱいの大きい子はメディアの影響で広まった“美の定義”のせいで、ノーブラでいると“エロすぎ”とか、おっぱいの形が“美しくない”とかってまわりから思われるかもしれないから、彼女たちはノーブラだと精神的に心地がいいとは感じられないかもしれないとは思う。

Instagram:@gummymane
Twitter:@gummimane
Website:noelkenny.net

Saaya Weaver(23歳)アーティスト

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Photo by @shiorido

ーいつから“ノーブラ”になったの?それまではどうしてブラジャーをつけていたの?

私は高校のときの本当に短い間しかブラをつけていない。高校では学校が生徒を管理しようとするからね。

ーブラジャーをつけないでいるようになったきっかけは?

別に何か特定のライフスタイルを選んだり流行を追ったりしているわけではない。私は怠惰だし、アーティストでファッションが好き。だから「なんで自分を制限するものを身につけなきゃいけないの」って感じ。ブラをつけるのは、胸を固定したり乳首を隠したりするため?そんなことはよくわからないし、深く考えたこともない。つけていて心地がよくないから家でもつけない。

でもよくお店に走って行ってXXLのTシャツを買っているから、そこから始まったのかもしれない。私はブラをつけていない心地よさと、純粋に怠惰な性格のせいで、もう何年もブラをつけていないな。

ーブラジャーをつけていたときと何が変わった?

違いはないと思う。特にそれについて考えることもないかな。でも自由で心地がいい。

ーブラジャーをつけないでいて嫌な思いをしたことは?

何も嫌な思いをしたことはない。あ、待った、たまに寒い日に乳首が痛くなることはある。私は傘をささないタイプだから、特に雨の日には痛くなったことがあった。

ー今でもブラジャーをつけるときがあれば、それはどんなとき?

お金を稼ぐためにボタン付きの白シャツを着て働くときかな。

ーどうして日本では多くの女性が疑問を持たずにブラジャーをつけているのだと思う?

だって渋谷109でも売られているから。

ー女性にその意図がなくても「ノーブラ=胸や乳首(性的だとされる部分)を覆っていないから“エロい”」と考える人をどう思いますか?

私の意見では、それはどうでもいいし、どう考えたっていいと思う。でもノーブラになるときは、まわりの人が女性の胸を“性的な部分”だと見がちだってことを覚えておかないといけないと思う、私はあまり考えないけれど。誰かが勃起したって知らないけれど、こっちを見なくていいよって感じ。私はいつもと同じにしているだけだし、スーパーで買い物しているだけだから。

私はファッション産業で働いたことがあって、そこではみんなが私が着るものに注目していたから、絶対にノーブラだって気づかれていたと思うけれど、それについて何か言われたことはなかった。多分彼らは気にしてなかったのだと思う。

ブラをつけている人はきっと“普通の人”だから、彼らは“きちんとした仕事”に就けて、まわりの人と同じになるように管理されるのだと思う。みんながブラをつけなくなったら、ブラジャー産業が成り立たなくなるし、胸が大きい人はブラを必需品として使っているだろうし、私は決してブラを嫌っているわけではない。ブラについてそんなに深刻にならなくていいと思う。

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Photo by @no.e.me

ーその他に日本で“ノーブラ”でいることについて思うことはありますか?また、その他に女性がブラジャーをつける文化について思うことがあれば教えてください

私はみんながそれぞれ着る必要のあるものを着ればいいと思う。ブラをつけていて心地がいいと思えるなら、つけたほうがいい。ノーブラでいるときに胸をじろじろと見てくる男性がいて、嫌な思いをする女の子はいるかもしれないけれど、問題は彼女たちではなく見てくる男性たちにある。

ノーブラでいることは、そんな見方をする人たちに「ファック・ユー」っていう態度になれる機会なのかも。他の子たちについてはわからないけれど、私はそんなことを人生でいつも言ってきた。割と“男の子っぽく”て一般的に「可愛い」と言われるタイプではないし、タトゥーが入っているから日本ではそれだけで人にじろじろと見られる。私はそれでもいつも通りにしているし、他の人もそうすればいいと思う。

Instagram:@pickleslut
 

彼女たちの“ノーブラ”に対する考えをどう思っただろうか?

 ノーブラでいることを選ぶ人たちは、彼女たちのように決して自分の体を見せつける意図を持っているわけではなく、ブラジャーをつけているときの感覚や、ブラジャーをつけたときに胸の形が不自然に見えるのが嫌だからというのが理由なのかもしれない。実際のところ、欧米では不自然に胸を大きく見せたり胸の形を“きれいに”見せたりするブラジャーの人気は下降しつつあり、このトレンドが加速すれば日本のノーブラの女性の人口も多少増える可能性はある。

 ブラジャーには胸を保護したり垂れるのを防いだりする効果があると言われているが、それをつけるかどうかは、彼女たちの言う通り自分で判断するべきではないだろうか。社会のなかで常識とされていることを一度疑ってみて、自分にとって心地のいい選択をするのが自分の心や体にとって最も健康的なのかもしれない。そして、まわりの人も自分でブラジャーをつけない決断を下した女性たちを尊重し、嫌な思いをさせないよう心がけることも必要だ。

Text by Shiori Kirigaya
ーBe inspired!

 

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