「1日1秒、生活を録画するだけ」。NYの広告マンが気付いた“豊かな人生”の作り方。


(Photo by Joe Shlabotnik)

(Photo by Joe Shlabotnik)

「その日暮らし」

あなたがこの言葉を聞いて思い浮かぶのは?将来に無頓着で、少しだらしないイメージがあるこの言葉。しかしこの「その日暮らし」こそが豊かな人生と明るい将来を作る鍵になるとしたら。今日という1日を楽しく生きる、「その日暮らし」が繋ぐ昨日、今日、明日とは?

たった1秒のために、毎日を全力で面白くする男。

 やりたいことを後回しにして気づいたら1週間、 1ヶ月、1年があっという間にすぎてしまったという経験はないだろうか?忙しい毎日を過ごしていると忘れてしまいがちな「今日1日」の重要さ。しかし、私たちの人生はこの1日1日の積み重ねでできているという当たり前ながら見落としがちな大切なことを教えてくれるのが「1 Second Everyday」というプロジェクト。

 1日1秒自分の生活を録画し、人生の1秒1秒の一コマをつなぎ合わせて1本のビデオにするプロジェクトに取り組んでいるのはニューヨークの広告業界で働くシーザー・クリヤマ氏。

(Photo by Cesar Kuriyama)

(Photo by Cesar Kuriyama)

 彼は忙しく仕事に追われる日々の中、突如「独創的なアイデア」に取り組むべく1年の休暇を取り、このプロジェクトをスタートさせた。彼がこのプロジェクトを始めてすぐに気がついたのは何か面白いことをしないとビデオを録画することを忘れてしまうことだ。それから彼は毎朝起きるとその日を使ってどんな面白いことをしようかと考えるようになったそうだ。

 このプロジェクトの目的は「自分に起こった出来事を忘れないようにすること」だそうだが、結果的に彼はこのプロジェクトにより自ら「忘れられない1日」を作るべく「今日」という1日を全力で楽しみ、その1日1日の特別な瞬間が彼の人生を彩っているのだ。(TED Talk:シーザー・クリヤマ「1日1秒」

「長生き」の秘訣は「楽しむこと」

(Photo by The Arches)

(Photo by The Arches)

 毎日を楽しむことは決して「今だけ」を豊かにするわけではない。

 The Huffington Post USによると、2002年から2013年の間、ロンドン大学の心理学者たちがイギリスに住む50歳以上の男女約10,000人を対象に行った「人生における幸福と喜び」に関する調査で、私たちのこれからの人生を左右する事実が報告された。被験者には2年おきに下記に挙げるようないくつかの質問に答えてもらい、さらにそれを3つのセクションに分けて分析した。この調査で発見されたのは私たちの誰もができる「長生きの秘訣」だ。

 ・”I enjoy the things that I do”
 (自分のしていることを楽しんでいる)
 ・”I enjoy being in the company of others”
 (他人と関わりを持つことを楽しんでいる)
 ・”On balance, I look back on my life with a sence of hapiness”
 (人生を振り返って見るとなんだかんだで幸せだ)
 ・”I feel full of energy these days”
 (今まさにエネルギーに満ち溢れている)

 3つのセクション全てでは、これら「人生における喜び」に関する質問に肯定的な回答をした人の死亡率はそうでない人を24%も下回り、また2つのセクションでのみ肯定的な回答をした人でも死亡率はそうでない人より17%下回ったのだ。つまり、人生を楽しんでいる人は「良い人生」を送れるだけでなく「長生き」するということが言える。未だ両者に科学的接点は見つけられていないものの、私たちが生きる「今日」を楽しむことが確実に将来の自分の心と体の健康に繋がると言えるだろう。

人生の最後に思うことは

 

1位:他人から期待されることよりも自分に正直になること
 2位:忙しく働きすぎないこと
 3位:自分の気持ちをさらけ出す勇気を持つこと
 4位:友達と連絡を取り続けること
 5位:もっと自分を幸せにすること

 あなたはこれが何のランキングだかわかるだろうか。

 オーストラリアに住む緩和ケア看護師のボニー・ウェア氏は余命12週間あまりの彼女の患者たちとのカウンセリングの中で、死を目前にした人々の最後の願いを記録した。「その時」を待つ間、多くの患者は恐れや不安、悲しみ、後悔と向き合い、全てを受け入れた後、それぞれの心の安らぎを見つけるのだという。そう、これは「死を目前とした人々が後悔していることトップ5」。多くの人が人生最後の時に後悔するのは仕事のことでもお金のことでもなく、「自分」を大切にできなかったことなのだ。そして、多くの人が長い人生の中でその時その時の「今の自分」を楽しむことを忘れてしまいがちであるということを物語っている。(参照:Mirror)

(Photo by Zaprittsky)

(Photo by Zaprittsky)

 「将来のために」「あの時こうしておけばよかった」の繰り返しになりがちな私たちの人生だが、昨日にとっての未来は今日で、明日にとっての過去が今日であり、今生きている「今日」こそが私たちの人生を作る一つ一つのピースであるということに気付いて欲しい。

 全く後悔のない人生を送ることはもちろん難しいこと。だがしかし、将来のために今を蔑ろにするのではなく、1日1日積み重ねる「今日」の自分の感覚を大切にすることが未来の自分の豊かさにも繋がっていくのである。未来につながる1日を作る、「その日暮らし」という生き方を考えてみるのはいかがだろうか。

Text by Chisato Tanabe
ーBe inspired!

 

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