【原料:汚水】地球に優しいビール、開発中。


暑い季節が到来すると、私たちは何かと「水」を欲する。
 
カバンの中にミネラルウォーターを必携し、汗をかいたらシャワーを浴びる。
 
そして、仕事帰りに飲むビールは最高だ。
 
しかし、近い未来、私たちが飲むビールは「誰かの使用済みの水」で作られることになるそうだ。
 
日本人はまだ、その事実を知らない。


 
 
水への無頓着が生む悲劇

(Photo by niOS)

(Photo by niOS)

私たち日本人にとって、蛇口から飲み水が出てくることはごく当たり前のことだ。
 
シャワーを浴びる時も、少しくらい流しっぱなしにしてもあまり気にしない人が多いだろう。
 
しかし、この「無頓着」によって命を落とす人がいることは、あまり知られていない。
 
現在、地球は深刻な水不足。
 
世界では7人に1人が安全な飲み水を手に入れられずに困っている。
 
また、地下水を過剰に汲みあげてしまった結果、農作物が実らない田畑が急増し、食糧不足を招いている。
 
さらに、工場排水などによる水質汚染の問題も深刻だ。
 
疫病の蔓延、生態系の破壊。
 
そして、水を求めて各地で紛争が勃発している。
 
最も恐ろしいのは、これらの問題のほとんどが発展途上国で起こり、真っ先に犠牲になるのが罪のない小さな子どもたちだということ。
 
この事実を知ってもなお、水道の蛇口を捻り、コンビニでミネラルウォーターを買う日本人はいったい何割いるのだろうか。

 
 
スーパーエコな「汚水ビール」

(Photo by Trey Ratcliff)

(Photo by Trey Ratcliff)

地球の水の危機について、これまでにない新しいアイデアを提案し、世界の人々を震撼させた会社がある。
 
アメリカ・オレゴン州で水道事業を手がける「Clean Water Services」だ。
 
このまま人間が継続的にクリーンな飲み水を入手することは難しいだろう。
 
何かアイデアを用いて、新しい飲料水を作らなければ……!
 
そこで生まれたアイデアが、“汚水を使用して作るビール”である。
 
Clean Water Servicesは、同州のビール工場に相談を持ちかけ、高度に浄化した下水を原料にしてビールを作らないか、と提案したのだ。
 
水が味の決めてとなるビール市場において、汚水を原材料で使うなど前代未聞のタブー。
 
同社の代表であるMark Jockers氏は、汚水ビールについて以下のように語っている。
 
「私たちの本当の挑戦は、自然や水についてもっと語りあえる場を作ること。語り合いには、ビールがあった方がいいでしょう?」
 
その後オレゴン州では、テュアラティン川の水を浄水し16種のビールを醸造するプロジェクトが行われた。
 
ビールの旨味をどう引き出すか、という「味」の課題は残るものの、これは大きな第一歩だ。
 
汚水ビールが市場で流通するためには、 消費者の環境保全に対する大きな意識改革が必要不可欠だが、今後オレゴン州ポートランドでは「汚水の魅力」を伝えるための「汚水ビールコンテスト」が企画されているそうだ。

 
 
水は貰い物ではなく、借り物

汚水を飲料水に変える……それは決して、遠い国の話ではないのだ。
 
このままのペースで私たちが水を無駄遣いし、汚し続けたとしたら、10年後には世界人口のうち3人に2人が、安全な飲み水を手に入れられなくなるそうだ。
 
水は地球からの貰い物ではなく、あくまで借り物である。
 
早くそのことに気づかなければ、隅田川の水で作られたビールを片手に、会社の疲れを癒す未来が待っているだろう。

 
 

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