日本人の“もったいない精神”は何処へ。クックパッドの「食品ロスレシピ」が廃棄大国を家庭から変える


 

「世界で生産される食料の、約1/3が捨てられている」
「今日も地球のどこかで、9人に1人が飢えで苦しんでいる」

それを聞いても、なんだか食料廃棄の問題は、遠い世界で起こっていることのように思える。深刻な問題なのだろうということはわかるが、それよりも自分の目の前の現実に、日々追われていく。もしかすると、そんなふうに感じてしまう人は多いかもしれない。

では、もしいつもの料理に「クックパッド」のあるレシピを取り入れるだけで、あなたがそんな状況を救うきっかけになれると聞いたら、どう思うだろうか?

“もったいない”発祥の地、日本は廃棄大国

 「食品ロス」とは、本当はまだ食べられるのに廃棄されてしまう食品のこと。

 年間で日本が発生させている食品ロスは、およそ621万トン。(平成26年度)この数字は、世界の途上国に援助する食料の約2倍と言われている。(参照元:農林水産省)日本の食料自給率は、先進国の中でも最低水準の38%で、食料の大半を海外からの輸入に頼っている。だがしかし、その多くを無駄にしてしまっているのだ。

 実は、そのうちの約半分である282万トンが、家庭から発生するいわゆる生ゴミだという。実際の内訳は食べ残しのほかに、約3割が野菜や果物の皮や芯などの、「調理くず」だ。(参照元:農林水産省

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消費者庁が提供する「食品ロス削減レシピ」

 そんな「調理くず」を素敵な一品に変えられるのが、クックパッドで「消費者庁のキッチン」が提供する、「食材を無駄にしないレシピ」。

 消費者庁のコメントによれば、これは食品ロスの削減を呼びかけるために取り組むプロジェクトの一環で、2014年に公式ページを開設した。レシピは地方公共団体や消費者団体から寄せ集められ、そこでは残った料理や、冷蔵庫に余っている野菜などを使って作れるような、様々な「リメイク」や「使い切り」レシピを紹介しているだけではなく、野菜の正しい選び方や保存法なども教えている。

 例えば、野菜の皮、きのこの石づき、レタスやキャベツの外葉。これらは料理をする時、自動的にゴミ箱行きになりがちな部分ではないだろうか?消費者庁によると、実はにんじんやごぼうなどの野菜は、皮の下に一番栄養があるのだそう。ここで紹介されているのは、そういった材料を食材として利用しているレシピなのだ。

 「栄養いっぱいごはんピザ」は、そのうちの1つ。円形に伸ばして焼いたご飯の上に、ケチャップを塗る。その上に、あらかじめ千切りして下茹でしたきのこの石づき、ブロッコリーの茎、じゃがいもとにんじんの皮(皮はよく洗ってから調理すること)、そしてチーズを乗せて、あとはオーブンで焼くだけ。そのほかには、「なすのへたの佃煮」など、すぐにでも日々の料理で取り入れられそうなレシピ達が紹介されている。「和食、洋食、エスニックなど、さまざまなレパートリーをご用意しています。是非ご活用ください」Be inspired読者へ向けて、消費者庁からそんなメッセージも届いている。

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「平成29年度山形県環境にやさしい料理レシピコンテスト主食部門準グランプリのレシピ」

 実はこうした料理を作ることは、家計だけではなく地球に、そして見知らぬ誰かにも優しい。

世界の食料廃棄量は年間13億トン。飢餓で苦しむ人々は8億人。

 いま食品ロスは、国際社会全体で解決しなければならない課題となっている。国連でも、2030年までに「世界全体の一人当たりの食料廃棄を半減させる」という目標を設定するほど。(参照元:国連広報センター

 この食品ロスによって無駄になるのは、食料はもちろんのこと、生産にかかった水やエネルギーなども含まれる。それだけではなく、食料を生産することでただでさえ環境に負荷をかけているうえ、ゴミ処理の過程で排出される不要な二酸化炭素によって、地球にも悪影響を与えてしまう。

 各国の状況を見てみると、開発途上国では生産段階で食料の多くが廃棄されるということに比べ、先進国ではその多くが消費段階で捨てられているという。

 にもかかわらず、栄養不足によって命を落としてしまうと言われる年間500万人の人々は、開発途上国に住む子どもたち。

 そんなあまりにも大きな「矛盾」にインパクトをもたらすことのできる方法は、食品ロス削減レシピのように、意外にも身近なところにあった。

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 いつも何気なくキッチンで投げ捨てる生ゴミだったり、家庭や居酒屋、レストランなどで残す食べ物が、実はこの食品ロスへ辿り着いている。

 普段の暮らしのなかでは、なかなか実感が湧かないことかもしれないが、このように私たちの日常生活と世界規模の問題は、密接に繋がっている。言い換えれば、私たちの普段の行動こそが、世界を変える力を持っているのだ。

 新たに始まったこの1年、あなたも何かできることから、行動に移してみてはいかがだろう?すぐに結果の見えづらいどんなに小さな行動も、必ず未来に波を起こすだろう。

Text by Sara Sugioka
ーBe inspired!

 

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