「ファストフード」に警鐘を鳴らせ。食べて、学べる遊園地が、現代社会に必要なワケ


“食のテーマパーク”と聞いて、何を想像するだろうか?
スイーツパラダイス?カップラーメンミュージアム?それとも、東京ミートレア?

日本にはさまざまな「食のテーマパーク」が存在するが、それらとは全く違う趣向の食べて、遊んで、学べる「食のテーマパーク」がイタリアの北部の都市ボローニャ(人口約37万人)に来年誕生する。その正体とは一体?

(Photo by 撮影者)

 日本で「食育」という言葉が広まって10年以上が過ぎた。食育とは、子供たちの食生活の乱れが起こす健康問題を解決するだけでなく、食に関する知識をつけることで「生きる力」を育むものである。実際に健康志向の人の割合は増えており、食に簡便性を求める人の数は特に20代で減少傾向にあるという。(参照元:日本政策金融公庫

 「食育」という考えが広まるさらに10年ほど前の1989年にイタリアで提唱された「スローフード運動」。言葉の通り、ファストフードへの批判が込められており、早さや利便性ばかりを追求するのではなく「食」を正しく扱うという考え方だ。

 “おいしい(私たちの味覚を満足させ、地域文化の一部となっている、新鮮で風味豊かな旬の食べ物)、きれい(環境、動物の福祉、または人間の健康を脅かすことのない食料生産および消費)、ただしい(生産者にとって公正な条件と報酬、および消費者にとって手ごろな価格)”(引用元:Our World

 スローフード運動は食育と異なり、食料システムまで包括し、教育だけにとどまらず食文化全体を考え直していくものとして大きく支持を受けている。

 そんなスローフード運動を体現するテーマパーク「FICO イーターリーワールド」が2017年秋にイタリアのボローニャに誕生する。イタリアの上質な食文化や生物多様性のある農業食品の素晴らしさ、イタリア料理のエキスパートらの知識や専門技術を紹介する目的で作られる。なんと100億円以上もの資金がつぎ込まれ、25カ所のレストラン以外に、フードマーケットや公開農場、ワークショップなどで「食」という文化を存分に楽しめ、持続可能で伝統を継承した食生活を学べる施設だ。子どもに食育ができるのはもちろん、おいしいイタリアンやワインを舌鼓できる。(参照元:FICO Eataly World

 食育やスローフードが理想とする「豊かな食生活」を送るためには、ある程度のお金と生活のゆとりが必要になるという問題があるが、ファストフードやインスタント食品の台頭によって乱れてしまった現代人のライフスタイルを見直し、より豊かな食生活を求める時代が戻ってきたのかもしれない。オープンは2017年の秋。イタリアに行く予定がある方は、ぜひイーターリーワールドを訪れてみてはどうだろうか。

Text by Shiori Kirigaya
ーBe inspired!

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