新潟の豪雪地帯が大きな美術館に。3年に1度の世界最大級アートフェスで自然について考える休日を


2018年夏、例年にみない猛暑を迎えている日本だが、そんな暑さにも負けないくらい熱いメッセージのこもった世界最大級の芸術祭が、農業と深い関わりをもつ街、新潟県・十日町市、津南町で開催されている。

名前は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2018」。街全体が芸術作品を表現する美術館のようなフィールドになっており、大自然の元に成る里山と人間が作り出す作品との調和が面白い。

友達と賑やかに遊んでハツラツと流れるような夏の休日を過ごすのも悪くはないが、豪雪地帯の里山のなかでアートを通じ、自然について考えに耽ってみてはどうだろうか。

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ペリスコープ/ライトケーブ マ・ヤンソン/MADアーキテクツ
Photo by Osamu Nakamura

 農業を通した自然との関わりを残してきた地域である新潟県・十日町市、津南町で7月29日から、9月17日まで開催されているアートフェスティバル、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2018」。

 越後妻有(えちごつまり)というのは、十日町市(とおかまちし)と津南町(つなんまち)からなる一帯の地域の名称であり、毎年豪雪に埋もれ、河岸段丘*1の土地を伴う集落である。そこに住む人々は、厳しい自然の条件下の元でも米作りを続け、自然との関係を切り離すことなく、この芸術祭の理念でもある”人間は自然に内包される”を体現してきた。

 そんな体験を美術として捉えることで、人間と自然との関係をどのように見つめ直していくかという大きな命題がこの芸術祭には託されている。

(*1)河川の中・下流域に流路に沿って分布する平坦面 (段丘面) と急崖 (段丘崖) から成る階段状の地形

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たくさんの失われた窓のために 内海昭子 
Photo by Kuratani Takuboku

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Palimpsest: 空の池 レアンドロ・エルリッヒ

 当芸術祭には大きく7つのコンセプトがある。

1.人間は自然に内包される
2.アートを道しるべに里山を巡る旅
3.世代、地域、ジャンルを超えた協働
4.あるものを活かし、新しい価値をつくる
5.ユニークな拠点施設
6.生活芸術
7.グローバル/ローカル

 これらからは、人間と自然の農耕を通じた関係、里山の美しさ、ボーダーレスに人をつなげる協働、廃施設の再利用、生活のなかでの営みの美術としての再定義などが表現されている。

 また、「大地の芸術祭の里」としての地域づくりのあり方は、「妻有方式」としても海外メディアで取り上げられるなど、新しい地域づくりのモデルとして様々な地域に影響を与える先駆け的な存在として注目されているようだ。

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上郷クローブ座レストラン 「北越雪譜」

 ちなみに開催期間中にすべての作品を鑑賞するには、作品鑑賞パスポートが必要だ。料金は当日購入が3,500円。学生なら割引もある。越後妻有オンラインショップ、各種プレイガイドで購入でき、開催期間中は越後妻有の各所でも購入することができる。
 
 広い土地での作品鑑賞に疲れたら、食を通して感じることのできる体験ブースや、泊まることの出来る施設もある。ぜひ、自身の身体と向き合いながら自然との対話を楽しんで欲しい。

 今週末は頭の先からつま先まで全身の五感を全て使って妻有の里山で自然とアートのつながりを存分に感じてみてはいかがだろうか。何か新しい発見があるに違いない。

大地の芸術祭

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棚田 イリヤ&エミリア・カバコフ 
Photo by Osamu Nakamura

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Text by Tomoki Kaneko
ーBe inspired!

 

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