元不登校、現起業家。約12万人の不登校児がいる日本で、23歳の彼が高校生の時に起業した理由。


学校は何のために通うものなのだろうか。学校に通う理由について考えたことはあるだろうか。就学時の年齢になれば誰もが学校へ行くことになり、それを当然だと思ってきた人は多いだろう。それゆえ、なぜ自分は学校に通っているのかと普段意識的に考えてこなかったかもしれない。しかしその当然の枠組みがあるがゆえ、学校に来ない者は怠けている、ずる休みをしていると決めつけられることもしばしばある。不登校は決して稀なことではなく、2016年度の文部科学省の調査では全国に約12万人の不登校者がいると示している。(参照元:文部科学省)学校はみんなが通わなければいけないものなのか。

不登校から起業家へ

width=“100%"

 和歌山県で地方活性化に取り組む小幡和輝さん(23)もかつて不登校だった。学校に行かず家でゲームばかりしていた。しかし、定時制高校に進むとそこでの人との出会いをきっかけに、高校生で起業。地元和歌山を輝かせたいという思いから、イベントや商品企画などを行い、地域のアピールに力を注いできた。世界的な経営者団体「EO」が行う学生起業家を対象としたコンテストGSEAに日本代表として登壇した経験などももつ。

 そんな小幡さんは現在、自身の経験についての本を執筆中であり、その本を学校の図書館に届けるというプロジェクトを進めている。これは学校に行きたくないけど行かされている子どものサポートをするためのプロジェクトである。

学校へ行くのが辛い子どもたち

width=“100%"

 不登校とは年間30日以上の欠席者のことを指すが、小幡さんは全く学校に来ない子から、学校に行きたくないけど行かされている子たちまで、不登校に対してグラデーションのような見方をとっている。つまり、学校に来れない、いわゆる不登校の子たち以外にも本当は学校に行きたくないけど行かされているような子たちもプロジェクトの対象としているということだ。それは例えば、たまに学校に来たり来なかったりする子や、保健室を多く利用する子、本当は学校に通うことが辛いと感じているのにそのサインが全く見えない子どもたちである。不登校という選択を自分でできた子どもはとりあえず大丈夫だが、学校へ行きたいのに行かされていたり、行きたくないと言い出せない子が少なからずおり、そのようなタイプの子どもにこそ手を差し伸べる必要があると彼は考える。

居場所とは…。

 小幡さんは学校に行けるならもちろん行った方がいいけれど、学校に行かないという選択をすることのメリットもあると考える。学校以外にもたくさんの世界があって自分の居場所を見つけられることを自身の経験から伝えようとしているのだ。彼自身が当時、学校に居場所を見出せず家でゲームばかりしていた。しかし、フリースクールなど学校以外のコミュニティで楽しく過ごせ、高校生時代の人との出会いをきっかけに企業してしまった。彼は学校以外の世界に目を向ければ、他の場所で自分の居場所を見つけることができるということ、あるいは自分で自分の居場所が作れるということを本で伝えようとしている。

width=“100%"

 本にはフリースクールに行ったり学校に行かない時間に自分が興味のあることをやってみたり、彼自身がやっておけばよかったなと思っていることなどを執筆中。子どもたちが居場所を見つけられるよう行動する手助けをしてる。さらに、その本を子どもたちが手に取ってくれるように学校の図書館を選んだ。小さい子どもではまだインターネットを使える可能性が低いということを配慮しているからだ。自身の本をもっとも確実に子どもたちの目に入るようにしたいという彼の思いである。

居場所を見つけるサポート

width=“100%"

 不登校を経験した者だからこそ、伝えられることを小幡さんは伝えようとしている。そして「今ではこんなに楽しいよ」と自身が居場所を見つけたことを行動で示している。大人と比べると、子どもにははるかに制限が多い。閉鎖された子どもたちの社会のなかで、見えなくても苦しんでいる子がいるかもしれない。だから不登校=ずる休みと考えるのではなく、休まざるをえなくなったその背後に隠れている原因を探すべきではないだろうか。学校に居場所がないと感じているならその子が居場所を見つけられるようにサポートをするべきなのではないだろうか。いろんなんことを経験してきた大人だからこそ、改めて学校に行く理由を考えてほしい。子どもにたくさんの選択肢があることを教えてあげることが大人の役目なのだから。
 

 小幡さんの不登校に対する考えに共感した方、彼と同じように自分も居場所に悩む子どもたちをサポートしたいと考える方は、彼の実体験を書いた本を学校の図書館に届けるクラウドファンディングプロジェクトにぜひご協力をしていただきたい。

 「見ず知らずの僕が学校に送っても、おそらく相手にしてもらえない」と考えた小幡さんはみなさんの力をお借りしたいそうだ。ご支援いただくと、リターンとして完成した本を2冊お返しする。1冊はみなさんの分。そしてもう1冊はみなさんの母校に寄贈して欲しいそう。

 見ず知らずの誰かが書いた本ではなく、卒業生からの贈り物として学校に届けることで、図書館に置いてもらえるのではないかと考えているからだ。詳しくはこちら

width=“100%"

 
Text by Shizuka Kimura
ーBe inspired!

 

この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!
ある母親が“皆勤賞”を取った息子を授賞式に出席させなかった“優しい”理由
  小学生の頃、休みに入る前に名前が呼ばれる“皆勤賞”を一生懸命目指していた人も少なくないだろう。学校に毎日出席した人を表彰することは生徒の登校に対する意欲を掻き立てる要素に...

 
Untitled design (3)
この記事が気にいったら
いいね!しよう
Be inspired!の最新情報をお届けします