#9:「マス受けは望まない」。消費者と環境と“ワタシ”のために服を作る英国ファッションブランド|Bi編集部セレクト『GOOD WARDROBE』


 

「服をただ着るのではなく、マニフェスト(宣言)として着よう」というモットーを持つBe inspired!の編集部がセレクトしたブランドの詰まった「人や環境、社会に優しく主張のあるWARDROBE(衣装箪笥)」を作り上げる連載、『GOOD WARDROBE』。

今回は、イギリス・東ロンドンを拠点にする、デニムを中心にエコフレンドリーで機能性が高く、ジェンダーレスな製品を提供するI AND MEを紹介。

ファッション業界で人気ファストファッションなどのバイヤーとして10年以上働いたのち、同ブランドを立ち上げたJessica Gebhart(ジェシカ・ゲブハート)に話を聞いた。

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ーI AND ME(ワタシとワタシに)って自己主張が激しい感じにユーモアが感じられる名前がいい!どういう意味が込められているの?

“I AND ME”は私の名前Jessica Gebhart(ジェシカ・ゲブハート)のイニシャルからきているの。名前から頭文字をとったJAGという単語は、スウェーデン語で“I” と“ME”を意味している。それがブランドの理念とマッチしてた。「クローゼットのなかのお気に入りのもの」っていうコンセプトの服を集めているんだけど、結局それは一人ひとりの好みの問題だよねって。

ーエコフレンドリーなブランドとして紹介されていることが多いけど、I AND MEはどんなところがエコフレンドリーなの?

私たちはファッション業界にブレーキをかけることに焦点を置いてる。「買う量はより少なく、でも買うときはより良い質のものを」っていう精神はお財布に優しく、でもサステイナブルで倫理的なライフスタイルにつながると思うの。「すぐ捨てファッション」は終わりを迎えなければいけない。それで代わりに、昔ながらの、トレンドをいとわない、上質な商品が増えればエコフレンドリーでしょ。

I AND MEは小規模で製造しているから、そのぶん出るゴミは少なく、できる限りイギリスで生産している。地球に足跡を残さないためにね。デニムは私たちのブランドのキーとなる製品。トルコにある素晴らしい工場では新しいテクノロジーを導入していて、世界で1番サステイナブルな工場なの。50%の水の削減、70%電力の削減、60%ケミカルの削減を実現している。

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ーデニムに関しては、日本の伝統的な手法を使って、しかも日本の工場からも仕入れているみたいだけど、どうして日本なの?

日本人はデニム界の王者だと思う。今日まで続く、素晴らしい“本物”の技法を持っていてる。私たちが使っているあい色のセルビッジ生地(旧式の技法で織られる「耳」と呼ばれるほつれ止め処理が施された生地)も伝統的なシャトル織機を使って織られている。日本のセルビッジデニムは最高級の生地を使っていると思う。

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ージェンダーレス(性別を問わない)ブランドとしてもメディアで取り上げられているけど、ジェンダーレスにした理由は?

最初のコレクションから性別は関係なかった。女のためか男のためか、はブランドを作るうえで考えもしなかった。

ーウェブサイトでジャーナルっていうセクションを作って、アーティストとコラボ特集をして、自分たちの製品の宣伝というよりもアーティストのすごく深いところまでを紹介しているところがいいなって思った。ファッションブランドとしてどうしてそういった取り組みをしているの?

私たちは様々なアーティストや文化に感化されている。それはこのブランドの大きな一部。ウェブ上でアーティストとコラボしているのは、自分たち以外の人の努力やクリエイティブなアウトプットを祝福することが目的。それが100%自分たちらしいと思う。私たちとは、私たちであり、私たちをインスパイアしてくれる人たち。

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ーこれからはどう成長していきたい?

I AND MEはマス向けではないけど、何ヶ国には進出したいと思ってる。(もうすぐ日本にも初めて出荷されるの!!)あと、いつか自分たちだけのお店を持てたら最高だな。

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シンプルだがエッジのきいたビジュアルと、社会に対していい影響を与えたいという信念、そして正直なブランドコンセプトからしてまさに“いまどき”なI AND ME。

環境を破壊し、人権を無視することが多いファストファッションの時代は終わりを迎えつつあるなか、I AND MEのような等身大なブランドが今後は増えていくのかもしれない。

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All photos via I AND ME
Text by Noemi Minami
ーBe inspired!

 

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