「ウソ」で社会を良くする男


(Photo by hungerking)

(Photo by hungerking)

まずこの写真を見て欲しい。
 
一見、ファストフードチェーン店『Burger King(バーガーキング)』にも見えるが、よく見ると『Hunger King(ハンガーキング)』と書いてある。
直訳すれば「餓えた王様」。ここではホームレスのことを意味している。
 
この作品は、ハンガリーのブダペストの一等地に、ホームレスを取り締まる法律を制定した「アンチホームレス政党」に対して反抗を示すために展示された。


(Photo by vice)

(Photo by vice)

入り口は「POOR(貧乏)」と「RICH(お金持ち)」と二つに別れており、展示の前日から「POOR」の入り口には、ブタペストのホームレスたちが長蛇の列を作った。
 
中では、ハンバーガーやフライドポテトではなく、ハンバーガー用の箱に約2000円(3,400 forints)のお金を詰めホームレスに配った。

 

 
 
「アート」という“ウソ”で社会を変える男。

(Photo by kiasma)

(Photo by kiasma)

「真実を暴くための”ウソ”。それがアートだ」
 
そう語るのは、ハンガーキングを作成したフィンランド出身のアートアクティビストJani Leinonen氏。
 
彼の作品には、私たちには見えない真実を暴くための「ウソ(アート)」が溢れている。
そうやってアートで社会を変革しようとしている人をアートアクティビストと言う。
 
今回はたまたまハンガリーで展示されたが、以前紹介したホームレスを排除するアートが日本、ロンドン、パリなど各都市にあるように、ホームレスの問題は世界中どこの国でも起こっていることだと彼はVICEのインタビューで述べている。

 
 
「資本主義」と戦うための学校。

(Photo by disobedience)

(Photo by disobedience)

Jani Leinonen氏はSchool of Disobedience (不服従の学校)』という「資本主義」と戦うための知識を得ることができる展示も行っている。
 
作品の一つにこのようなメッセージが書かれたものがある。
 
「The most terrible things – war, genocide, and slavery – have resulted not from disobedience, but from obedience.」
((歴史上の)最も恐ろしいこと「戦争」「虐殺」「奴隷」は、 不服従からではなく、服従から生じた。)

(Photo by disobedience)

(Photo by disobedience)

このメッセージはアメリカの歴史家ハワード・ジン氏の言葉から引用しており、マクドナルド、サブウェイ、ハイネケン、ディスニーランド、ファンタ、フォードなど「世界的に知られる企業のロゴをすこしだけ変えて、企業側から発信されることのないメッセージを発信する」という手法で作られている。
 
グローバル企業の「マーケティング戦略に踊らされる操り人形」になるのではなく、そのマーケティング戦略に非服従できるような「気づき/教育」を与えるための作品だ。

(Photo by janileinonen)

(Photo by janileinonen)

『ハンガーキング』に『School of Disobedience(不服従の学校)』。
彼の作品は、普段のあまり考えることのないホームレスや資本主義社会の問題を「アート」という“ウソ”で我々に「気付き」を与えてくれる。

 
彼が創り出す巧妙な「ウソ(アート)」は、昨日より「気付き」に溢れた社会を築いていく可能性を秘めているのではないだろうか。

 

ーBe inspired!

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