なぜ父親として「お金を稼ぐこと」と同じくらい「娘のヘアアレンジ」が大切なのか


今、アメリカで有名になりつつある父親が存在する。その父親とはフィリップ・モルジーさん。彼は“ある人々”のための「無料ヘアアレンジ教室」をアメリカの各地で開催していることで話題である。

その“ある人々”とは、女性でも、子供でもない。独学でヘアアレンジをマスターした彼は、“父親のため”に、ヘアアレンジ教室を開いているのだ。

今回『Beinspired!』はフィリップさんにインタビュー。なぜヘアアレンジをし始めたのか、そして多くの父親たちと接する中で彼が感じたこととはなにか。父親の育児参加の大切さを真正面から語ってもらった。

「気に入らない」も、嬉しい一言

 突然シングルファザーになったフィリップさんは、娘のエマちゃんが1歳の時、当時腰まであった彼女の髪の毛を結ばなくてはいけなくなった。今まで娘の髪の毛なんて結んだことなどなかったが、エマちゃんの髪の毛を結んであげることができるのは自分だけ。必死に独学でヘアアレンジのスキルを習得し、愛娘の喜ぶ顔見たさに日々特訓を重ねたそうだ。

 

最初はもちろん大変だったよ。右も左も分からないからね。でもネットで調べて少しずつうまく髪の毛を縛れるようになっていったんだ。インターネットには感謝したいね(笑)

 日々の練習の積み重ねの甲斐もあってか、今では美容師顔負けの腕前を持つ彼だが、うまくいかない時はエマちゃんからの意外な言葉に励まされこともあったそう。

 

もちろんエマが僕のヘアスタイルを気に入らないこともあったさ。だけど“気に入らない”とはっきり言ってくれることが嬉しかったよ。だって娘の好みを知りたいだろう?

 どうやらエマちゃんからのストレートな“気に入らない”という言葉がいいモチベーションになったようだ。

「父親」が変われば「世界」が変わる?

 メキメキと腕を上げ、エマちゃんとの時間も増えていったフィリップさん。そこで彼は自分が身に付けたスキルを多くの父親たちにも伝えたいと思ったそうだ。公民館などの施設を借りてフリーでヘアアレンジの講習会を実施。今では多い時には100人規模の参加もあるそうで人々の関心の高さにも驚く。

 

多くの人が参加してくれるのは嬉しいけれど、それ以上に嬉しいのは参加者全員が“子どものために何ができるか”を考え、“心から何かをしたい”と前向きに思っていることだね。家族のためにお金を稼ぐことだけが父親の役目ではないよ。そんなお金を稼ぐことだけを考える父親が世の中からいなくなったら、より良い社会になると思う

 フィリップさんの活動は、子供たちのみならず夫婦の絆も強めている。

 

講習会に来てくれた父親の一人はこんなことを言っていたよ。“娘のヘアアレンジが終わったら、妻が次は自分の番であるかのように待っているんだ。毎日へとへとだよ”ってね。“僕はいつ家族のヘアスタイリストになったんだ”って。そんな風に言いながら、とても嬉しそうに笑っていたけどね

パパたちが理解するべき「父親のちから」

 

世界中の父親は、“父親の力”が家族に必要であるということをもっと理解をしなきゃね。父親であることはとても価値のあることなんだ。もちろんお金を稼いで家族を養うことは1番大事なこと。だけど、子供たちとの時間はお金には変えることのできない大切な時間なんだよ。我々はもっと自信を持って、毎日子供たちとコミュニケーションを取り、彼らが“どんな人間か”を学ばなきゃいけないんだ

 子供は親が気づかないうちに成長していたり、悩みを抱えていたりするもの。フィリップさんが主張するように、日頃から子供とコミュニケーションを取り、彼らを理解しようとする姿勢が大事なのだ。

 そして彼が言う“父親の力”は実は科学的にも証明されている。イギリスのオックスフォード大学が発表した研究で、父親が育児参加をすることは「子どもの自尊心が高まったりIQの高い子が育つ」と結果がでた。(参照元:TheTelegraph

 しかし、日本の父親の育児参加率は低い。Newsweekによると日本の男性が育児や家事に参加する割合はたったの18.3%。そして長野看護大学の、日本の父親の育児ストレスに焦点を当てたアンケートによると、約90%もの父親が「育児に不安がある」と答えているのだ。(参照元:父親の育児ストレスの実態に関する研究

 フィリップさんに愛娘のエマちゃんから今までに言われた「最高に嬉しかった言葉」とは何かと聞いたらこんな答えが返ってきた。

 

パパはこの世で一番のパパよ!

 そして最後に彼は世界中の父親が子供から「一番」だと思われ、自信を持てるようにこう言い放った。

 

すべての父親に言いたいね。自分が正しいと思うことであれば、迷いなく進んで欲しい

 「父親の力」を信じるフィリップさんの育児に対する姿勢から、育児に自信のない日本の父親たちが学ぶことは多いのかもしれない。

Text by Asuka Yoshida
ーBe inspired!

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