リゾート地から30分。「ゴミ」のためにつくった島


(Photo by Surf Channel)

(Photo by Surf Channel)

世界に数ある観光地の中でも、有数のリゾート地として知られている「モルディブ」。
 
一組限定で無人島を貸切ることができるリゾート島や、ダイビングを楽しむのにぴったりな島が人気。
 
「夢のひととき」を求めて世界各国から人々が足を運ぶ。
 
しかし、夢のひとときに浸ろうとしている彼らは知っているのだろうか。
 
その夢の島々の中に、「ゴミの島」が存在することを。


 
 
その島は、「ゴミの島」と命名された

(Photo by Jamie Cowan)

(Photo by Jamie Cowan)

美しい海に囲まれ、高級リゾート地としても名高いモルディブ。
 
その首都マレから船で30分ほど進んだところにあるティラフシ島は、夢の世界とは正反対の島である。
 
なぜならそこは、見渡す限り「ゴミの山」で覆われているからだ。
 
この島は、モルディブが華々しい姿を見せ続けるために犠牲になってしまった島の一つ。
 
年中多くの観光客が訪れるモルディブだが、それに比例してゴミが増え続けてしまっている。
 
しかし、観光地にはゴミを埋め立てることができないため、20年前に政府が「ゴミ専用」の島としてこのティラフシ島をつくったのだ。
 
観光客が訪れる島の多くが「夢の島」と呼ばれる裏で、この島はモルディブ市民の間で「ゴミの島」と呼ばれている。

 
 
「ゴミの島」を変えるのは「ビキニ」

(Photo by Surf Channel)

(Photo by Surf Channel)

しかし今、このゴミの島が変わろうとしている。
 
このゴミ問題に立ち向かったのはアリソン・ティールさんという女性だ。
 
アリソンさんがこのゴミ問題を知ったのは、食べ物も水も自然の中で手に入れて1ヶ月無人島の中で過ごすというアメリカのドキュメンタリー番組に参加をしたときである。
 
食べ物を探して島を歩きまわる中で、思いがけず彼女が目にしたものは、至る所に打ち上げられるプラスチックのゴミであった。
 
そして、1ヶ月間の無人島生活を終えた彼女は、自分を生かしてくれた自然のためになにかできないかと考えたのだ。
 
そこでまず彼女がしたことは、特に状態がひどいと言われていティラフシ島に目をつけ、この現状を人々に知らせることであった。
 
彼女はこの島についてのサイトをつくり、そこに島の現状を分かりやすく動画にしてアップし続けた。
 
そして次に、『Repreve』という会社を作り、特に処理ができずにいたベットボトルなどのプラスチックゴミを使って、ビキニやサーフボードを作るリサイクル事業に乗り出したのだ。

 
 
住民の2.5倍、「島を汚す」のは?

「わたしはティラフシ島を、世界的な問題の一つとして選びました。これはモルディブ市民だけの問題ではないのです」とアリソンさんは語る。
 
その言葉通り、多くの人がこの現状を知る必要があるのかもしれない。
 
実は皮肉にも、このゴミの山ができてしまった要因は観光客にあるのだ。
 
観光客が1日に出すゴミの量は約7.2キロ。
 
この量は、モルディブの住民が1日に出すゴミの量、2.8キロよりも遥かに多いのだ。
 
もちろん日本人にとっても他人事ではない。
 
モルディブへの日本人の訪問者数は年々増え続け、2015年には3万8817人を記録している。
 
そのうちの8割の人がハネムーンで、料金は高くとも、1島を貸し切って優雅に1日を過ごすプランが人気だという。
 
しかし、優雅に時間を過ごす裏で、このゴミの島には日本人が出してしまったゴミもきっと含まれているだろう。
 
さて、そのうちのどれほどの人が、高級リゾート地としての名誉を保つために、一つの島がゴミの山と化していることを知っているだろうか。

 
 
「知る」ことがまず、大きな「一歩」

私たちの憧れの場所が、その憧れを保つために、なにかが犠牲になっている。
 
この華やかさの裏の現状を「知っている」ことと「知らない」ことは、大きな違いではないだろうか。
 
人間関係でも、喜ぶ人の裏では必ず悲しむ人がいて、得をする人の裏では必ず損をする人がいる。
 
しかし、その華やかな部分だけではなく闇の部分もきちんと知っていることで「思いやりの気持ち」を持つことができるのではないだろうか。
 
環境問題も同じように、いつも華やかさの裏ではきっとなにかが犠牲になっている。
 
それを「知った」今、きっと環境に思いやりの気持ちを持つことができるはずだ。

 
 
via. Thilafushi Trailer, Travel Vision, AFPBB News, Alison’s Adventures, REPREVE, NAVERまとめ
 
 

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