「みんな違って、みんな”よくない”」を教える。日本の小学校。


(Photo by Julie Kertesz)

(Photo by Julie Kertesz)

お姫様は王子様と結ばれる。そして王子様はお姫様と結ばれる。
 
それが今までのお決まりのストーリー。
 
でも本当は、もっといろいろなストーリーがあってもいいのかもしれない。


(Photo by dailymail)

(Photo by dailymail)

アメリカで『ザ・ロイヤル・ハート』という絵本が新しく発刊された。
 
王子様の16歳の誕生日、王宮では盛大な誕生会が開かれる。しかしリリック王子の心境は複雑だ。
 
「どうしてみんな私を祝福するの?だって、これは本当の私じゃないのに……」
 
そう。この絵本は、主人公リリック王子が「本来の自分であるお姫様の姿に変身し、自分らしい人生を歩み始める物語」。
 
つまり、トランスジェンダーをテーマにした絵本なのだ。

 
 
たった1割。日本のLGBT教育の現状

2015年には全米で同性婚が合法化されたことを受け、日本でもLGBTという言葉を頻繁に耳にするようになった。
 
2015年の調査によると、日本にはLGBT(性的マイノリティ)に該当する人は「約13人に1人」。身近な人たちの中に当事者がいてもおかしくない数字である。
 
個人差はあるが、自分のセクシュアリティを自覚しはじめるのは小学校高学年から高校生の頃だといわれている。
 
しかし実際のところ、日本の学校教育の現場では「約1割しかLGBT教育が行われていない」という現状がある。
 
そのため、ほとんどの生徒がLGBTについての知識や理解がないまま学校生活を送り、そのまま卒業していく。

 
 
みんなちがって、みんな”よくない”

(Photo by teh moneda)

(Photo by teh moneda)

また、教師も知識が乏しく、LGBT教育の必要性を感じていながらも、どう教えたらよいか分からないという課題もある。
 
なかには「人はみんな違って、みんないい」と生徒に教えながら、LGBTに関しては「理解できない」「同意しない」という教師もいる。
 
このように、LGBTに対する理解はなかなか進んでいないのが現状だ。
 
そんな中、自分のセクシュアリティに対して疑問や戸惑い、罪悪感を感じながら毎日を生きている生徒は多いはずだ。
 
そして社会人になり、さらに生きにくい社会が待ち受けている。

 
 
世界のLGBT絵本

そんな日本とは対照的に、アメリカやオランダをはじめとする海外では、LGBTに関する絵本が多く出版されている。
 
もし、ありのままの自分でいることや多様性のある世界を、絵本で子どもの頃から自然に触れていくことができたら?
 
たとえば、こんな絵本がある。

(Photo by amazon)

(Photo by amazon)

王子様と王子様が結ばれる物語王さまと王さま
 
オランダで出版されたこの絵本は「国をおさめるのに疲れてしまった年老いた女王様が、若い王子様を結婚させて王様にしようと決断する」。
 
そんな物語である。
 
世界中の王女様と会っても惹かれることのなかった王子様は、ある王子様と出会った瞬間一目惚れ。そして二人はめでたく結ばれる。
 
そして、王子様の結婚で自由の身になった女王様は大喜び。
 
息子がハッピーなら、相手のジェンダーは問題ではないのだ。
 
さすが自由と個人主義の国、オランダである。
 
オランダは麻薬や売春、安楽死も合法、同性愛もいち早く認めており、文化的に実に寛容な国なのだ。
 
この絵本は、英語、スペイン語、ドイツ語など9カ国語に翻訳され、世界中で読まれている。
 
こちらはイタリアで出版されたたまごちゃん、たびにでる

(Photo by amazon)

(Photo by amazon)

「生まれてどこに行くんだろう?“かぞく”って何だろう?」と不安を抱えている主人公のたまごちゃんが、試しに様々な家族を訪ね歩くストーリー。
 
訪ねた先には、母親が2匹いる猫の一家や、シングルマザーのカバの親子など、様々な家族の姿が描かれている。
 
たまごちゃんは旅を通して、家族のイメージを広げ、様々な家族があることを知るのである。

 
 
ただの絵本で、世界の価値観は変わる!

(Photo by Lieven SOETE)

(Photo by Lieven SOETE)

このように、絵本はセンシティブとされるLGBTについても、「サラッとわかりやすく心の中に入り込み、理解を深めるツール」になりえるのだ。
 
そして、子どものみならず大人の理解をも深め、考えるきっかけを作るのだ。
 
またLGBTに対する理解を深め、性の多様性や個性を認めていくことは、他の多様性への理解を促すことへも繋がっていく。
 
副業をしたり、どこの場所で仕事をしても良いとする「働き方の多様性」や、安楽死のような「死の多様性」などにもつながっていくのではないだろうか?

 

ーBe inspired!

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