捨てられたゴミをゲーム感覚でデータ化できるアプリ「リテラティ」が提案する〈デジタルごみ捨て場〉

Text: NEUT編集部

Cover: NEUT編集部

Photography: © Litterati

2018.9.7

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日常生活のなかで見かけたごみの写真を拾う前に撮影し、Instagramのようにユーザーの間で共有することができるアプリ「Litterati(リテラティ)」。同アプリはごみ拾いにアート性を持たせることでエンターテイメント化させ、さらにごみを拾った場所・時間・ごみの種類・拾った人のデータ化をグローバル規模で可能にした。

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Litteratiの創設者、ジェフ・ カーシュナー氏

リテラティの創設者ジェフ・カーシュナー氏は、家族とハイキングをしているときに子どもがポイ捨てされたごみを見て、「パパ、このごみはここにあるべきじゃないものだよ」と言ったのをきっかけに、地球に悪いとは知りつつもすっかり慣れてしまっていた道端のごみの存在に意識を向けるようになる。

最初は自身のInstagramのアカウントで拾ったごみの写真を投稿していただけだが、ごみの写真をアーティスティックに撮ることが楽しくしばらく続けていると、世界中の人が自然とジェフを真似してごみの写真を投稿、彼をタグづけするようになったという。これが「Litterati(リテラティ)」のアイデアの原点である。

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アプリ化した際に、ごみの写真を撮った場所・時間・ゴミの種類・拾った人のデータを取れるようにした結果、それぞれの国や、町・エリアによってポイ捨てにも特徴があるということをデータ化することも可能にした。

たとえばリテラティのデータによると、あるアメリカの地域のポイ捨てに一番多くみられたのがメキシコ料理チェーンのソース。ほとんどは未開封のまま捨てられていた。そこでその結果をレストランに報告することで、「頼まれたときにだけソースを渡す」という簡単な解決策につながったという。

結果的に環境を守りながら、必要以上にソースを提供しないことでその企業にとっても経営コスト削減につなげることができた。つまり、ごみを拾うという一時的なアクションにとどまらず、ごみを減らすという根本的な問題の一面への解決に貢献したといえるだろう。

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2018年9月のデータ。リテラティに登録し、ごみ拾いしている人の人口が多い国順のランキング。

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2018年9月のデータ。ポイ捨てされやすいもののタイプをランキングにしたもの。一位はプラスチック、二位はタバコの吸殻で三位が紙。

テクノロジー×社会意識×アートを組み合わせることによって、まるで「デジタルごみ埋立地」を作りだしたのがリテラティ。SNSのようにゲーム感覚で楽しめ、世界規模でつながることでコミュニティの一部だと感じられ、しかも根本的な解決に貢献できるこのアプリを通して、世界のごみ拾いコミュニティの仲間入りを果たしてみるのはどうだろう。

Litterati(リテラティ)

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※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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