誰かがでっち上げた“強い国ニッポン”に隠された現実を考えるため、若者が集うカルチャーイベントが開催


 

3年後の2020年に開催される、2回目の「東京オリンピック」。それに向かって競技場を新たに建設したり、海外からの観光客のために多言語で東京を案内する“おもてなしボランティア”を育成したりと準備が進められている。

そのなかでよく耳にするのが、“おもてなしの国ニッポン”というキャッチフレーズ。だが、日本人だからといって誰もが“おもてなしの心”を持っているわけではないだろう。また、東日本大震災からの復興もまだ十分ではなく、オリンピックの競技場建設のために大量の森林が伐採されていたり、当初の予算を大幅に越える資金が必要となっていたりするなど問題が山積みなため、誰もが賛成しているわけではない。

つまり“おもてなしの国ニッポン”という言葉の裏に、オリンピックに国民を協力させる意図があっても不思議でないのだ。

Photo by Making-Love Club

 オリンピックの例のように、作り上げられた「“ニッポン”のイメージ」は一部の人の都合のいい虚像に過ぎないのかもしれない。では“ニッポン”の実像は一体何なのかを問い直そうとするのが、若者たちがざっくばらんにセックスや政治について話し合う「Making-Love Club」だ。

 これはモデルの中川えりなによるカルチャーイベントで、現在までに「アメリカ大統領選挙の結果を経た今後の国際情勢と日本の政治」や「日本の政治と表現の自由」をテーマに開催されてきた。そして来たる9月7日(木)に開かれる3回目のイベントでは「FAKE LOVE〜虚像と実像〜」がテーマとなる。

width="100%"

 同イベントではインディペンデントマガジンの編集長らが登壇するトークセッションだけでなく、カルチャー最前線を行くショートフィルムの上映・DJ・ライブなど盛りだくさんのコンテンツが毎度用意され、感度の高い若者を多く集めてきている。また、Making-Love Club自体もこれまでの2回の開催を経て、独自のカルチャーマガジンを発売するなど勢いを増しているのだ。

width="100%"

 3回目のテーマ「FAKE LOVE〜虚像と実像〜」のステートメントは以下だ。

オリンピックを前にしてこの国は、頭にハチマキを締め始めている。それぞれが同じ“ニッポン”像を掲げて行進を始める用意をしているかのように、物語が形作られていく。「3.11から立ち上がろうとしている強い国ニッポン」「おもてなしの国ニッポン」日本という国を語る上で先行されるこうしたイメージは、いつだって誰かの語った物語に基づいている。伝統、誇り、栄光。私たちのリアリティはそんな綺麗な言葉で覆われて、語り部によって伝えられる。

width="100%"

歴史という事実がストーリーとして語られる時、あらゆる事実が削ぎ落とされて、いつの間にか誰かにとっての都合のいいものになってしまう。そうしなければ語れないほどに、現実とは目を背けたくなるものかもしれない。耳元で囁かれる甘い言葉さえあれば、大事なものを失ってしまってもいいと私たちは言ってしまうんだろうか。

戦争を知らずに育った私たちが、戦争と平和を語ることができるのかどうか分からない。まるで分かったような顔をして歴史をいつかの昔話のように語ってしまうことは、きっとすごく残酷なことだ。

width="100%"

だけど私たちは、今ここに生きているし、その意味を知ろうとするべきだ。同じ過ちを繰り返さないためにはどうしても歴史を語り継ぐ必要がある。それは、たくさんの物語が重なり合って生まれる社会を理解しようとすることだ。そして自分自身の考えが変わり続けることを許すことでもある。

“ニッポン”とは一体どこにあるんだろう。私たちは本当に“ニッポン”に生きているんだろうか。

width="100%"

 オリンピックに関して言えば「戦後の焼け野原から高度の発展を遂げた日本の姿を見せつけた、1964年の東京オリンピックをもう一度」という考え方が東京都や安倍政権にはあるのかもしれない。だが、彼らの考え方に対して自分なりの意見を持つにも、その“輝かしい過去”の背景に何があったかを考えるにも歴史を理解しなければならないのだ。

 今回のMaking-love clubは、他の若者たちとともに私たちの暮らしている「日本」について、誰かが都合よく語るストーリーに惑わされずに、どう理解していけばいいのかを考える機会となるだろう。

<開催概要>

『Making-Love Club』

公式サイトはこちら

2017年9月7日(木)

時間:19:30-23:00

会場:LOFT9

〒150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS1階

料金:door ¥1000 with 1 drink

前売りチケットはこちら

TALK SESSION:二部構成「FAKE LOVE〜虚像と実像〜」

(モデレーター:モデル 中川えりな、登壇者:Emotional Love編集長 綿貫大介、映像作家 UMMMI.、モデル・スタイリスト 清水文太

DJ:Kotsu

LIVE:小林うてな

SHORT FILM:UMMMI.

 

***

Making-Love Club

width="100%"

All photos by Making-Love Club
Text by Shiori Kirigaya
ーBe inspired!

 

この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!
中川えりな、20歳。今、彼女は「ファッション」で政治と日本の若者の距離をどう近づけるのか。
”私おしゃれでモデルやってて、政治も考えてる頭いい子なんです”って自分をアピールするために活動してる訳じゃない そう言い放ったのは中川えり...

 

Untitled design(15)
この記事が気にいったら
いいね!しよう
Be inspired!の最新情報をお届けします