30杯目:アリアナ・グランデのコンサート会場での爆発事件に見る、英マンチェスター市民の温かさ。#RoomForManchester|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会


 

イギリスの中西部マンチェスターで行われたアメリカの歌手アリアナ・グランデのコンサート会場で5月22日夜(現地時間)に爆発が起き、8歳の子供を含む22人が犠牲となり、120人が負傷しているという情報が発表されている。(5月26日現在、参照元:Manchester Evening News

この事件に伴い、アリーナの近くにあるマンチェスター・ヴィクトリア駅が閉鎖され、コンサート会場から帰るはずだった多くの人が足止めされたという。(参照元:ABC News)そこで現地の人々が出た行動とは?

足止めされた人へ部屋を提供するムーブメント

 ヨーロッパ最大のアリーナ施設「マンチェスター・アリーナ」で事件は起きた。(参照元:Manchester Arena)これによる主要駅の閉鎖を受けて、帰れなくなった大勢の人々を助けたのはマンチェスターの市民だった。

 爆発事件の報道と駅の閉鎖のニュースを聞いた市民らは、「#RoomForManchester(マンチェスターに部屋)」というハッシュタグを付けた投稿をSNSに流し、帰れなくなった人たちが暖かくして休める場所を提供しようと努めた。そして個人宅以外にも、近隣のホテルが泊まる部屋を貸していたようだ。(参照元:GOOD

Photo by @triplejhack

「マンチェスター・アリーナから5分のところに住んでます。ソファーベッド、食べ物と飲み物、充電器があります。必要な人はどうぞ #roomformanchester」Photo by @triplejhack



「マンチェスター・アリーナの事件で#roomformanchester が必要な人は私に教えてください」

無料でタクシーを走らせた運転手たち

 家に自力で帰れなくなった人々に提供されたのは泊まる場所だけではなかった。マンチェスターを走るタクシー運転手が無料で足止めされた客を家まで連れて帰ったり、病院まで運んだりしたのだ。



「アリーナ周辺の鉄道は閉鎖されていますが、タクシーが無料で運行しています!皆さん安全で」



「交通量の多いなかマンチェスター・アリーナから2人の少女を乗せてくれたアルファ・タクシーの運転手さん、ありがとう」

負傷者を助けた、「ホームレスの英雄」


 マンチェスター・アリーナの近くで寝ていた35歳のホームレスの男性。彼は爆発事件のあと、負傷者の体に刺さった釘を抜くなどして助けたという。そして負傷者を助けた理由を尋ねられると、「困っている人を助けるのは自然だし、それが正しいことだ」と答えている。

 この話を聞いた人々から彼は英雄視され、路上生活から抜けて自立できるようにと、資金援助が募られた。既に30,000ポンド(約430万円、5月26日現在)近くが集まっている。(参照元:HuffPost UK, Independent

「ハチのタトゥー」を入れて被害者を助けるムーブメント

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Photo by @jasminexhumphreys

 「働きバチ」は、産業革命の時代に炭鉱で一生懸命働いた歴史のある、マンチェスターの人々のシンボル的存在だ。そこで地元のタトゥーショップは、その「働きバチ」のタトゥーを50ポンド(約7140円、5月26日現在)で客に施し、集まった金額をチャリティとして被害者に提供するキャンペーンを始めた。この動きは#ManchesterTattooのハッシュタグでも見ることができる。

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Photo by @nessy_888

 タトゥー入れに参加した人々は、事件に対して何かをしたくてもどうしたらいいかわからないという人たちで、このタトゥーを入れることで少しでも被害者に寄り添えると考えたようだ。(参照元:Konbini, Manchester Evening News

「温かいマンチェスター」から考えること

 残念なことに、世界各地で大勢の人が集まるところを狙った「テロ事件」が起きている。だがそんな悲劇が起こったときこそ、マンチェスターの市民があらゆる手立てで被害者を助けたように、人々の温かさを感じることができるのかもしれない。

 しかしながら、困っている人々はこうした事件のときだけではなく、普段から存在している。ニュースになるような事件ではないときでも、困っている人をどうやって助ければいいのか考える必要があるのではないか。

 最後に、今回の事件で犠牲となった方々に謹んで哀悼の意を表します。

Text by Shiori Kirigaya
ーBe inspired!

 

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