日本に「24時間放送のニュース専門チャンネルがない」という国家的損失。


昨年、11月13日の夜(日本時間14日朝)、フランス・パリで発生した複数の銃撃や爆発などの同時テロ。少なくとも120人が死亡、200人以上が負傷したと報道されている。
 
この悲劇は、2001年9.11に起きたニューヨークでのテロを彷彿とさせた。しかし、日本のテレビの報道が“おかしい”と問題になっているのだとか?
 

ちきりんさんの記事によると、2011年の9.11のテロが起こったときのCNN、BBC、NHKの報道が全局異なっていたそうだ。
 
米CNNはパニックになった街の様子を延々と映し出した。悲痛な臨場感に溢れる映像の連続で、現地の混乱した様子が手にとるように伝わる映像をCNNは流したそうだ。
 
英BBCでは早々に丸テーブルを囲んでアルカイダを含めた中東のテロ組織に詳しいジャーナリスト達によって、テロの背景分析を行なう討論番組がはじまっていた。
 
我が国のNHKはと言うと、日本の金融機関の東京本社人事部から「ニューヨーク支店在籍の日本人社員名簿」を入手して報道していたのか、NHKが報道する名前はほぼすべて日本企業に勤めていた日本人名で、米国企業に働いている日本人や日本の企業に働いている米国人は報道されなかったそうだ。
 
海外の報道の方が優秀とまでは言わないが、NHKの発信している情報には偏りあるようにも感じてしまう。
そんな14年前にニューヨークで起きたテロのNHKの報道同様、今回のパリのテロの報道に対しても、日本の有識者たちがツイッターで批判している。

 
 
「テレビ」というメディアの信頼の損失。

(Photo by jksimpson)

(Photo by jksimpson)

脳科学者・茂木健一郎教授

こういう時に真っ先に見るのが、CNNであり、BBCであり、RTのyoutubeのLIVE中継であることは、日本のメディア状況を反映していて、悲しい。感覚的にも言語的にも開かれていないんだよね。
地上波テレビのさまざまな事情を擁護している意見があるけど、少なくとも、このような時に、即座に編成を変える運動神経と能力が結果としてないということ については、日本のメディアの大きな欠陥であることは事実だ。24時間のニュース専門チャンネルがあればいいけどそれもない。国家的損失。

 
デジタルジャーナリスト・神尾寿氏

NHKはバラエティやドラマや歌番組を作らなくていいから、すべての受信料をぶち込んで、ニュース専門チャンネルと経済番組と、良質なドキュメンタリーを 作ればいいと思う。その方が「国益」になり、「国民のため」になる。エンタメは民間に任せて、報道に徹するなら受信料制度も納得できるのですが。

 
作家およびジャーナリスト・乙武洋匡氏

「あまりに対応が遅すぎる」「9.11以来、最も世界を震撼させる事件なのに、のんきにバラエティ番組をやっている場合か」――ネット上では、パリ同時多 発テロについての日本のテレビ報道に対する批判が渦巻いている。事件の重大さを考えれば、それらの批判は的を射たものだと思うし、同意もできる。

 
経営コンサルタント・山久瀬洋二氏

英語を勉強し世界を知りたい人へ。今おきているパリのテロ、海外での事件やニュースがあるとき、是非BBCやCNNでその本当の緊迫感を知るべきです。日 本のメディアの報道の生温い温度差をみると、それ自体に危機感と怒りを覚えます。日本は違うと心に中で思っていたら、それは大変な勘違いです。

 
LINE株式会社上級執行役員・田端信太郎氏

仏テロの件で、TV各局が特番を組まないのは私も歯がゆいが、私含め、そういうことをネット上で言ってる人は普段はテレビをほとんど見ておらず、普段から テレビ見てる人は、この件についてはおそらく大して興味がない)。需要がないから供給もない。TV局の問題は実はTV視聴者の問題でもある。

 
ソーシャルアクティビスト・津田大介氏

ネットで24時間ニュースを流すホウドウキョクも現状再放送なので政権や安保法制への配慮がどうとかじゃなくて、単純に土曜午前というマンパワーが足りな い時間帯にこういうでかい事件が起きたときに放送メディアが十分に対応できなくなっているということなのかもね。それはそれで深刻な話だけど…。

 
 
日本で広がる情報格差。

今回の一件で、NHKを始めとする日本のテレビというメディアがどれだけ欧米のニュースチャンネルと比べ取材力が脆弱であり、情報の速報性が欠落しているかが明るみに出たのではないか。
 
ネットより早く特番で現地の情報を伝えることはほぼ不可能だ。と安倍宏行氏が指摘するように、今後のテレビ局の役割というのは、速報性ではなく、テレビ局にこれまで蓄積してきた膨大なデータやアーカイブ、人材を駆使した深く、わかりやすい分析を視聴者に届けることなのかもしれない。
 
それでもネットではなく、地上波テレビしか見ない人々、英語が理解できず、海外のメディアから情報を入手できない人々が日本には存在する中で、日本のテレビがどのように人々の情報格差を埋めていくかのかが今後の大きな課題なのだろう。


 

ーBe inspired!

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