男性もメイクを楽しむ時代。スウェーデン発の「性別の固定観念」にとらわれない幼稚園とは。


「メイクは女性がするものであり、男性がするべきものではない」
近年、国内外のSNSやメディア、広告などでもメイクを楽しむ男性の存在に注目が集まってきている中で、そんな考え方はもう古いのかもしれない。性別の境界線を取り除いて自分を表現し、一人ひとりの個性を大事にする風潮が高まっている。

メイクする男性が急増中

 なぜ男性はメイクをしてはいけないのか?そんな問いに答えられる人はいるだろうか。男性のメイクに対して批判的な人もいるだろうが、それはメイクを女性のものだと決めつけているだけではないのか。自分を表現するためにメイクをする男性がいたっていい。男性もメイクをすることで自分の変化を楽しんだっていいはずだ。そして美しさの追求は誰にだって共通してあるものだ。好奇心から始める人もいるかもしれない。メイクする男性たちは、メイクを女性だけの行為とは考えず、自分たちもしていいものだと考え、自分の個性にうまく取り入れている。

 アメリカのコスメブランド「カバーガール」は昨年、初めて男性キャンペーンモデルを起用した。ニューヨークを拠点に活躍する17歳のメイクアップアーティストJames Cherles(ジェームス・チャールズ)が起用された理由は、珍しいからではない。美しさに対する信念を持ちながら様々な方法でな自分を表現することを恐れず、美しさとは何かを考えさせる強いインパクトを与えているからだ。


 メイクをするという行為に性別は関係ない。メイクをすることで自分に自信を持てたり、楽しいと思えるなら誰であろうとしていいのだ。

決めるのは自分。スウェーデンのジェンダーニュートラルな教育。

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 教育現場においても、個性を尊重する取り組みが行われている。スウェーデンに、子どもに「ジェンダーステレオタイプ」を押し付けないということを徹底しているジェンダーニュートラルな教育方針を持った幼稚園が存在する。「ジェンダーステレオタイプ」とは、男性と女性それぞれに対する固定観念のことであり、「男性とはこうあるべき」とか「女性はこうあるべき」というように何らかの行為や特性がどちら一方の性別にしか当てはまらないという思い込みの考え方である。

 その幼稚園では、男の子、女の子を主語にしジェンダーの枠に子どもを当てはめないない話し方を心がけているのだ。子どもたちは自分の感情を幅広く探るように促され、「男の子は泣いてはいけない」「女の子はおしとやかにしているべき」などということはない。幼稚園の先生たちは、男の子らしい、女の子らしいというような性格や行動をするよう促したりせず、子ども一人ひとりが自由な感情表現をすることを積極的に受け入れている。また、子どもたちは、自分の興味関心のあるもので遊ぶことができるため、人形が好きな男の子もいれば、ロボットが好きな女の子もいる。

 さらに、このジェンダーニュートラルな幼稚園に通う子どもたちは他の幼稚園に通う子どもと比べて、見知らぬ異性の子どもと遊ぶことが多く、文化的に押し付けられたジェンダーステレオタイプに影響を受けにくい。そんなジェンダーニュートラルな教育を受けた子どもたちは、文化的な基準に沿そった選択をすることが少ないため、自分で自分の選択肢を狭めることがない。同級生や友達を「男」「女」というくくりで分けず、全員に対して平等な見方ができる子が育つのだ。

性別の固定概念から解放。

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 私たちは、いつのまにかジェンダーステレオタイプに自分を当てはめるよう行動しているのかもしれない。男だから、女だからという理由でこれはしてはいけないとか、逆にやらなければいけないなどという思い込みは捨てよう。自己表現にジェンダーは関係ないのだから。

 「ジェンダー」という境界線をなくし、男も女も互いに認め合い、世界を見つめてみれば、今まで見えていなかった世界が広がり、男性のメイクのように多様な表現は増えるのだ。自分の感情に従って、楽しいと思えることや好奇心をそそられることを思う存分にやってみてはどうだろうか?自分という人間をもっと知ろう。自分の「好き」を貫くことで、きっとそれが個性となるのだ。

Text by Shizuka Kimura
ーBe inspired!

 

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