「メイクはマナー」という日本社会の“理不尽な常識”に反抗する日本人女性たち。


 

日本では「女性=メイクをする」という事柄が定着している。でも思い返してみれば子供の頃、メイクに興味を示したら両親からは「不良のすることだ」と言われた。中学高校ではメイクは校則で禁止されていた。

しかし突然、成人を迎えた頃には社会ではメイクはマナーだと言われた。急にメイクをして出かけることの方が「普通」になった。

なぜ女性であるがゆえに、メイクを禁止されたり、強要されるのだろうか。

メイクってしなくちゃいけない?

 日本では15歳から64歳の女性の64%がメイクをする。しかし、うち94.2%の女性はメイクを面倒だと感じているそうだ。 そして、女性はメイクをするという風潮がなければメイクの頻度が減る、もしくはしないと答えた人は61.5%。(引用元:リサーチバンク

 多くの女性はメイクが「好き」だからというよりは、社会通念上「義務」であるからしているのかもしれない。「女性だからしなければいけない」という根拠のない「普通」に圧力を感じる。

 そこで今回Be inspired!ではメイクをしない日本人女性4人にインタビューを行った。

Ai(25歳)

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Photo by justin “yuefoh” carter

ーノーメイクにこだわりを持ったきっかけは?

母の影響が大きかったかなと思います。母がよく、「メイクが好きではない」と言っていて、その記憶がいつも片隅にある。

ーなぜノーメイクなの?

逆にメイクをすると、なんだか皮膚呼吸出来ていないような気がする。ノーメイクの時は、自然な気分でいられるし、なんならメイクの時間を節約出来るし、お得感満載。

ーノーメイクにしてから何か変わったことは?

洗顔の時に肌(とくに目の周り)をゴシゴシしなくてもいいこと。それから、むしろメイクをしていると、周りがちょっと騒いでくれること。

ーノーメイクのデメリットと感じることは?

on/offがなくなること。

ーノーメイクを するにあたって、ファッションとマナー の線引きってするべきだと思う?もしくは、どうしてあると思う?

清潔だったら、なんでもいいと思う。

ー日本の美の常識について思うことある?
 
ノーメイクは好きだけど、頑張っておしゃれして可愛くなりたいと思う人たちはいつでも素敵だと思います。

MADINA(25歳)美容学生

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ーノーメイクにこだわりを持ったきっかけは?
 
母とアリシア・キーズ。

ーなぜノーメイクなの?

完璧なんて求めてない。ありのままの自分が今までで一番力強く、エンパワーで、自由で、心から自分を美しいと感じられるから。

ーノーメイクにしてから何か変わったことは?

ノーメイクにしてからありのままの自分をさらけ出せて、自由の身に解放された。ニキビ、肌荒れが無くなった。

ーノーメイクのデメリットと感じることは?
 
時間と職場。来年からサロンで働くようになると毎日メイクをし始めないといけない。

ーノーメイクを するにあたって、ファッションとマナーの線引きってするべきだと思う?もしくは、どうしてあると思う?

別にしなくてもいいんじゃないかな!

ー日本の美の常識について思うことある?

日本人はメイクをしすぎなのではと思う。
 

Miki Gee Murata(26歳)プロジェクトマネージャー

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ーノーメイクにこだわりを持ったきっかけは?
 
強い違和感を持ったのがきっかけかもしれません。中学を卒業して高校に入った頃、周りの女子たちが一斉に濃いメイクを始めたのですが、なんで周りに合わせるためにお化粧しなくてはいけないのかなと違和感を持ちました。その矢先、「自分らしいと思わないのならしなくていい」と母に言われ、お化粧は自分の選択肢であって「やらなくてはいけないもの」ではなくなった気がします。
 
あと、アメリカに留学していた頃、ファッション中心のブランディングを行う会社でインターンをしていたのですが、女性の社長が一切お化粧をしていなくてかっこよかったことを覚えていて、もしかしたら、無意識のうちに彼女の影響を受けているのかもしれません。

ーなぜノーメイクなの?

メイクは過剰にしなくてもいいと常に考えています。髪型とか服とか身なりに、自分らしいところがあればいいのではないかと思います。

ーノーメイクのデメリットと感じることは?
 
稀にメイクした時の変わりよう。あと、小さい変化(ほくろとかそばかすとか)でも結構違いが目立つ。

ーノーメイクをするにあたって、ファッションとマナーの線引きってするべきだと思う?もしくは、どうしてあると思う?

その人が自分の印象をしっかり理解していて、髪型や身なりを状況に合わせることができるのなら、不必要だと思います。

ー日本の美の常識について思うことある?

化粧とか服装で自分を『隠す』文化があると思う。拡張したり強調したりすることで自分らしさを殺すというか。会社や平日の女性は、だいたい決まったお作法でメイクをして、だいたい決まった色を使って、メイクの本来の「楽しさ」や「自分のこだわり」の表現とは違うメイクをする気がします。でも週末となると、突然派手な人が増えたりするので、メイクを自分を模索するためのツールとしてみているのかなと思う時があります。

モナ(24歳)コミュニケーションコンサル

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ーノーメイクにこだわりを持ったきっかけは?

ノーメイクを心がけ始めたのは、日本に引っ越してきて、やたら人の目を気にする自分に気づいてから。前から服装、髪の毛、メイクに特に気合を入れるタイプでもないのに、新しい環境に慣れない中、やけに周りの人に合わせている自分がいることに違和感を感じ、ノーメイクにすることで素の自分に戻るための第一歩のようなものになった。

もう一つのきっかけは、11月からヨガの資格を取るために毎週日曜日勉強しはじめたこと。ヨガスタジオにいる周りの人たちがみんな自然体で落ち着いていて、その雰囲気に惹かれていたら、気づくと自分もノーメイクになっていた!

また、ヨガの哲学を学ぶ中で、段々と「見た目なんか気にしてても、まずは心とカラダを磨かないと」と、色々考え方が変わってきたこともある。

ーなぜノーメイクなの?

まず第一にノーメイクは楽。マスカラがにじんでいないかとか、口紅を気をつけて食事するのが面倒で落ち着かない。ある意味、面倒くさがりやだからノーメイクになるのも簡単。

ただ仕事に行く日なんて、そこまで見た目を意識しなくてもいいと思ってる。オフィスは少人数で、家と会社が近いから、誰のためのメイクなんだろうっていう思いもある。ズボラすぎるかな?

やはり2017年にもなって、女性はメイクとヒールが必須とか、ルール付けられている職業や場所があることは、男女平等にはまだまだ遠い道のりという問題があるから。メイクをしないから男女平等になれるとはもちろん思っていないし、メイクをすることが悪いとは全く思っていない。私も特別な日や、気が向いた時にメイクをする時ももちろんある。するもしないも、女子が自由に決めるのが本当の意味の男女同権。

私は、他の人や社会の期待に応えるためにメイクをしていた時がきっと数多くあった。でもよく考えると、ノーメイクがマナー違反だなんて、とんでもない発想だと思う。初めは、特に仕事場では「全くノーメイクだとだらしなく見えるかな?」とかも考えたけど、そうやっておどおどしている自分が好きではなかったから、自分の意思で堂々と決めるようにした。

ーノーメイクにしてから何か変わったことは?

メイクをしないことで本当の意味の自信に繋がっている気がする。メイクをすれば気に入らない部分を変えて、好きなところを強調することができるけど、それって自分だけの問題で、思った以上に他人からすればどうでもいいこと。眉毛が薄いとか、まつ毛がパッチリしていないとか、気にしているのは自分だけであることに気づけただけでも、なんか気が楽になった。

あとは、朝の時間が余分にあることと、目とか眉毛とかこすっても大丈夫なのもボーナスです。

ーノーメイクのデメリットと感じることは?
 
メイクをしないことで、気合を入れてないとか、キチンとしていないと思われる可能性があるかな?実際は誰もメイクをしてもしなくても気づかないから、デメリットは感じていない。
 
ー日本の美の常識について思うことある?

日本の美の常識は、自然体から遠ざかっている気がする。日に焼けないだの、全身脱毛だの、人間っぽさを無くすほど綺麗であるような考え方は残念だと思う。

自分らしいスタイルは自分で決めていい

 彼女たちは「ありのまま」の「自分らしさ」をノーメイクで得たという。もし、本当はしたくないけれどしょうがなくしている人がいるのならば、しなくてもいいのだと自信を持って言いたい。インタビューを受けてくれた女性たちはそうやって、自分らしく生きている。もちろん、メイクをすることが自分らしいという人いるだろう。私は、その人がその人らしくいられるスタイルで生きていくことを受け入れる社会になったらとても素敵な世の中になると思う。

 グラミー賞歌手のアリシア・キーズはノーメイクで撮影に挑んで以来、義務としてのメイクからの開放感と自分らしさを感じ、ノーメイクを貫いている。

 2016年8月、ビデオミュージックアワードにノーメイクで登場し、賛否両論を巻き起こした。そして、批判する人々にこんなメッセージを送った。

 「皆さん、私はメイクをしないことを選んだけれど、それがメイクをしている人を批判するということではない」

 そう、人は自分らしくいられる、自分の居心地の良いスタイルでいていいじゃないか。自分のスタイルは自分で決めていいのだ。


Text by Hinako Ono
ーBe inspired!

 

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ai3
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