包装の概念を覆す。ベルリンのスーパーから始まる「MY空き瓶ムーブメント」


野菜や果物が綺麗に包装・陳列され、衛生面から見ても完璧な日本のスーパーやコンビニ。だが海外のスーパーと比較してみると、こちらは日本のように綺麗に包装された商品を見かけることはなく、むしろいかに日本が過剰包装しているのかに気づかされることがある。

お菓子ひとつをとっても、小さなチョコレートが金紙に包まれ、その上に箱で包装、そのまた上にプラスチックで包装されているのを見ると、「インフラ整備の整った清潔な国日本で、そこまでしなくても良いのでは…」といった疑問が頭に浮かぶ。いきすぎた包装は以前から問題視され、マイバッグ運動でエコバッグが流行ったが、一過性のトレンドとして終わってしまった。

環境への取り組みが進んでいる欧米と日本を比較してみると、「日本の過剰包装の酷い現状」が浮き彫りになってきた。

世界で起こる「パッケージをしない」ムーブメント。

 「袋いらないです」

 ガムやタバコ、缶コーヒー。コンビニやスーパーで手持ちでOKな時に使うこの台詞。そんなレジ袋の拒否する言葉さえ欧米では消えようとしている。フランスでは、2016年7月に使い捨てのプラスチック製のレジ袋の使用を禁止。今後は生鮮食品包装用の袋にも適用されるという。また2020年1月1日に、世界初となるプラスチック製容器の使い捨てを禁止する法律も施行予定だ。

 また、アメリカ・カリフォルニア州では、2014年に全米初となるレジ袋禁止法が成立。以後、レジ袋製造業者や消費者から強い反発が出たため、2016年に住民投票にかけられることに。だが、結果として「レジ袋を禁止すべき」票が僅差で上回った。そんなフランスやアメリカが、ビニールのレジ袋を使用禁止する中で、ドイツではより究極的にパッケージ廃止に挑戦するスーパーが存在する。今回、そのスーパーにBe inspired!は訪れた。

(Photo by 撮影者)

どの家庭にもある「MY空き瓶」を持参して、ゼロ・ウェイストを目指す。

 ドイツの若者にヒップで人気のスポットとして知られるベルリン・クロイツベルグ。グラフィティーだらけのこのエリアは、パンク、ヒッピー、LGBTQといったさまざまなカルチャーやライフスタイルが根付いている。それれだけでなく、オーガニック製品を取り扱ったビオショップや、ベジタリアンやヴィーガンのカフェやレストランも多数ある。

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(Photo by Frank M. Rafik)

 その地域にゼロ・ウェイスト(ゴミを出さない)のスーパーマーケットがある。その名も”包装しない”という意味を持つ「Original Unverpackt」。このスーパーではその名の通り商品にパッケージ包装がされておらず、すべて瓶やアルミの容器に入っており、「持参した瓶に必要な分だけ自分で詰める」といったスタイルを徹底している。最低限の分だけしか買わないので、たくさん買いすぎて腐らせてしまったなんてことも起こらない。これぞゼロ・ウェイストの極みだ。

 「Original Unverpackt」の最寄り駅は「Görlitzer Bahnhof」。筆者はルームメイト2人と電車に30分揺られて行ってみることにした。もちろん自宅にある空のジャムやオリーブの瓶、お菓子の缶を持参して。

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 店内はそんなに広くなく、一見普通のスーパーとなんら変わりない。しかし奥に進むと、オーガニック野菜やパスタ、ナッツ、ドライフルーツ、コーヒー豆、チョコレートなどの包装されていない裸の商品たちがイキイキと陳列されている。クロイツベルグの土地柄、オーガニック製品は大人気で、多く取り扱われているのが印象的だ。また、固形の商品だけでなくオリーブオイルやビネガー、ソープのような液体も量り売りされていることにも驚いた。

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 もし空き瓶が家になくても大丈夫。大小さまざまなサイズの瓶の販売もあるので、持参して来なかった人も買い物を楽しめるのだ。

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 平日の昼間に訪れたのだが、店内は人の出入りが多い。週末は学校や仕事帰りに立ち寄る人々で賑わっているという。

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 Original Unverpacktに行ってみて気づいたこと。それはベルリナー(ベルリンに住む人たち)は、環境への意識が東京の人よりも高い。そして、一切パッケージがスーパーになくても、街の人々に受け入れられていて、むしろ好まれていることだった。

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包装に気を取られ、忘れてしまった”もったいないの心”

 実は日本にもOriginal Unverpacktのような「包装が一切ないスーパー」は存在する。それは2003年に「ゼロ・ウェイスト宣言」をした徳島県上勝町の「上勝百貨店」だ。しかし、今回注目したいのはOriginal Unverpacktが国の首都の若者に人気のエリアに店舗を構えていること。

 もし渋谷に「包装が一切ないスーパー」ができたらドイツのように受け入れられ、大盛況するだろうか。最初は新しいもの好きの人が列を作り足を運ぶだろうが、エコバッグと同じく、ライフスタイルには根付かずに、一過性のトレンドとして終わってしまうことが危惧されるだろう。

 ただでさえコンビニでガムや缶コーヒーひとつに対してもレジ袋をもらう人が多い日本。果たしてパッケージに関して制限する法律が施行されるなど、「過剰包装」という社会問題が改善される日が近い未来、日本にやってくるのだろうか。

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Photos by Ruka Yamano
Text by Ruka Yamano
ーBe inspired!

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