「税金は人々が平等になるために使われない」。“政府を信用しない男”が「ゴミ箱」の中で見つけた“幸せ”


あなたにとって“幸せ”とは何であろうか。仕事で成功すること? お金を得ること? 多くの野望や希望が頭に思い浮かぶと思うが、その考え自体を真っ向から否定してしまった一人の男性がアメリカにいる。彼はどのようにして自身の幸せの定義について導き出したのか。それはホームレスになってみたことがきっかけだ。

自ら「ゴミ箱」になることを、名乗り出た男性

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 何でもアリの国、アメリカ。その中でも一際個性が際立つ都市ニューヨークに、突如として摩訶不思議な男性が現れた。彼は地下鉄に乗ったりスーパーに買い物に行ったりと、一見普通の生活をしているのだが、彼が身にまとっているのは…明らかに“ゴミ”だ。

 この謎めいた行動をしている男の名はロブ・グリーンフィールド。環境活動家の彼は自分が出したゴミを30日間身にまとい溜め続けているという。なぜこんなことをするのか。それは人々に自分が出すゴミについて考えて欲しかったからだそう。(参照元:AFP
 

僕を見た人々はみんな一同に“何をしているの?”と尋ねてくるんだ。これこそが僕の狙いだね。だってこんな僕の姿を見たら誰もが聞かざるを得ないでしょ? こうしてゴミについて考えるきっかけが生まれたらいいと思うよ。後ろ指を指されても気にしないね(引用元:indy100

 アメリカ人が1日に出すゴミは約2kgにも及ぶそうだ。人間はゴミを出してしまったらそのゴミについては考えることはなくなってしまう。しかし多くのゴミがロブを囲っていく様子にショックを受けることで、人々にゴミについて考える機会を与えたかったという。(参照元:YouTube

「捨てられる食べ物」を「必要とする」人たち

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 こんなロブは、他にも様々な興味深い活動を行っている。例えば1週間ホームレスになる経験だ。
 

もちろん僕が実際にホームレスになることはないんだけど、お金やモノがないことでどんなことが見えてくるのかを知りたかったんだ

 そう決めてからの1週間、彼は道を寝床とする他のホームレスたちと同じように公園の水道で水を飲み、海でシャワーを済ませた。

 

この生活をする中で、僕はまず自然の大切さを学んだね。新鮮な空気、それに公園や海の水はとても貴重なものだと思ったんだ。それに他のホームレスたちからの助けも、とても貴重だったよ。ここではみんな“助け合いながら”生活をしているんだ(引用元:RobGreenfield.TV

 またこの経験によって路上に捨てられる多くのゴミや食料廃棄物の存在にも気が付いた。それがきっかけとなり奥さんとともに廃棄食品のみを集め、食べ続ける生活をしてみたこともある。
 

アメリカは年間で1兆8700億円(約1650億ドル)もの食料を捨てているんだ。それにも関わらず、アメリカ人の約5000万人が十分な食料にありつけていない。この事実を我々は知る必要があるんだ(引用元:TED

 ロブがこの行動を開始した背景には、多くの恵まれない人がいるにも関わらず食べ物を捨て続ける政府への反抗も込められている。

「政府は国民を平等にしようとしてくれているのか」

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 ロブの活動はあまりに大胆で奇想天外だ。なぜ彼はこのような思い切った行動に出るのだろうか。その答えは簡単である。「注目を浴びるため」に他ならない。ロブは取材によって得た利益や自身が出版した本の売り上げの全てを『Food is Free』や『1% For The Planet』と言った非営利団体に寄付をしている。それをは彼のホームページでも明らかにしている。
 
 ロブはお金を持つことを望んでいない。その理由は「アメリカ政府を信用していないから」だという。
 

今僕は、自分の持ち物を最小限にし、年収も約57万円(5000ドル)以下と決めているんだ。お金があればあっただけ健康で幸せな生活ができるとは思っていないからね。それに、それ以上の収入を得たら税金を払わなくてはならないでしょ。僕の願いは世界中のすべての人々が健康で自由であることなんだ。でも僕が払った税金は人々が平等になるために使われるとは思わない。だったら自分が得た収入をそっくりそのままそれを必要としている人に与えた方がいいんじゃない?(引用元:RobGreenfield.TV

「たくさんのモノ」が、「邪魔」をする

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 ロブは歯ブラシや歯磨き粉など生活に必要なものも含め、“新しいものを買わない生活”を心がけて欲しいと人々に呼びかける。だが、それは節約のためではない。一部の人のみが幸せになる社会ではなく、世界中の人すべてが幸せになるための第一歩を踏み出すためだ。(参照元:mindbodygreen

 私たちはたくさんのモノに囲まれていると自分が大切なものは何なのか、本当の幸せとは何であるのかを見失ってしまうのかもしれない。私たちは“幸せ”について考えるとき、どうしても自己の利益に焦点を当てがちだ。しかしロブの言うように「社会全体で平等な幸せを求める」ほうが、もっと大きな幸せを感じることができるのかもしれない。


All photos by Rob Greenfield
Text by Asuka Yoshida
ーBe inspired!

 

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