#016 利便性や立地よりも「コミュニティ」や「スピリット」を中心とする“商店街の新しいカタチ”を提案する男|ALL YOURS木村のLIFE-SPECの作り方


池尻大橋の“新店舗”からこんにちは!ALL YOURSというお店でDEEPER’S WEARというブランドを取り扱っている、木村 昌史(きむら まさし)がお送りします。

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おかげさまで前回の連載記事に登場した新店舗もオープンし、オープン初日からたくさんの方々に全国各地からお越しいただいてます。本当にありがとうございます…!

先月からチャレンジしているクラウドファンディングの試着希望の方がたくさん来店してくれて、自分が思っている以上に盛り上がっている池尻大橋です。6月30日まで募集中です!

今月は「商店街の新しいカタチ」についての話をしようと思います。

コミュニティとは「圧力鍋」みたいなものだ

 先日、友人のジモコロ*1編集長 柿次郎くんがクラウドファンディングをはじめました。彼が長野ではじめた「やってこシンカイ」というお店のプロジェクトです。

(*1)ジモコロとは、地元にまつわる様々な話題を取り上げ、明るく楽しく伝えることで読者の地元愛を掘り起こすウェブマガジン

 このお店は、物販の場であり、コミュニティスペースであり、イベントスペースであり…様々な用途で使える場所。しかもそれを、月額会員のサブスクリプションで運営していくスタイルでチャレンジしようとしていて、注目しています。めっちゃおもしろい!

 そんな「やってこシンカイ」に、ひょんなことからクラウドファンディング「CAMPFIRE」の家入さんと一緒に遊びに行ってきました。

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奥:柿次郎くん 真ん中:木村 手前:家入さん

 車で行って、道中はくだらないおしゃべりがメインでしたが、そんなときにコミュニティの話をしたんです。その時の話がこんな話。


 会話してて、最近感じてることを言語化できました。(家入さんありがとうございます!)

 僕が目指すブランドの方向性は「圧力鍋」みたいなもの。「鍋」がブランドで、その中に入っている「具材」がコミュニティ。外の環境と比較して圧倒的に熱量が高まる状態を作るのが、ブランドの役割。その中の熱量が上がって、外に漏れだして、他の人たちに伝わっていって段々と広がっていく。そして、その鍋の中で熱狂を生むコミュニティを作っていくのが、これからのブランドの使命なんじゃないかと考えています。

 僕らが求めているのは、コミュニティの「質」。僕らのやり方、考え方に共感してくださるファンの方を少しずつ作っていくための最良の手法として、非合理的で時間のかかりそうなことを執念を持ってやっています。

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 それは、キャンペーンをしてバズらせたり、インフルエンサーを使ってプロモーションしていく手法とはちょっと違います。バズやインフルエンサーは「量」を追い求めるブランディングだと思っていて。インフルエンサーを使ったプロモーションはかつてのTVCMや雑誌広告で有名タレントを器用することとほとんど変わらない。TVCM、雑誌からSNSへチャネルが移行しただけに思えてしまう。

 また、キャンペーンを行って集中してバズらせることも、接点をたくさん作ってだんだん知ってもらうような僕らのやり方では違和感がある。一回で終わってしまっては意味がないのだ。

 実際にブランドやコミュニティの中で熱量が高まるのは時間がかかるから、我慢できずにフタ開けちゃうと熱が逃げてしまう。我慢ができずに無理矢理拡散させてしまうとブランドを消費することになるし、長期的に見るとブランド毀損することになる。バズやインフルエンサーの力を使うことを否定はしないけど、僕は、それはブランドの寿命を短くするだけだと思っているし、ブランドのメッセージが刺さる“いいコミュニティ”とは、「質」であって「量」ではないと思っています。

 まさにバズやインフルエンサーを使うことは量を追い求めること。圧力鍋みたいに熱量を上げていってファンを作っていくことは質を求めること。僕らが目指している方向性とは真逆の手法なんです。

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 幸い、僕らのお客さんはもの凄く素晴らしいお客さんたちばかりで、僕らがこのオールユアーズを運営していく上で最大の応援をしていただけているし、僕らの話を聞いてくださって、(もちろん、時にはお叱りも受けるけど!)他の方達へ本当にリアルな口コミで伝えてくださっている。そんな風に最良のコミュニティを築きながらブランドを運営できているのは本当にありがたいことだと思っています!

立地が悪くても、人が集まる「コミュニティ中心の商店街」とは

 冒頭でコミュニティの話をしたのは、これから話をする僕の構想、新しい商店街「商店街2.0」はオンラインとリアルをつなぐ、コミュニティを中心とした商店街だからです。

 柿次郎くんのブログで「お店2.0」や「商店街2.0」みたいな話は先にされちゃってるので、そちらも参照して欲しいのですが…そもそも「商店街」は相互集客の仕組みだと思っています。

 今までの商店街は、ローカルでお店が集まって、買い物の利便性をあげていました。それが、現在はショッピングモールみたいな商業施設に取って代わってしまった。

 そして、オンライン上にはamazonや楽天、yahoo!ショッピングみたいなオンライン上のオンラインモールがしのぎを削っている。アパレルだとZOZOTOWNとかがそうですよね。

 今存在しているどのモールでも、原理は昔と一緒。物理的にでも、クラウド上でも小売店の集積です。それを前提に僕が考える「商店街2.0」はこんな感じ。

「商店街2.0」とは

ローカルをヒトとヒトでつなぎ合わせて、スピリットと関係人口で小さな経済圏(コミュニティ)を作る試みです。それは以下の3つの軸で成り立っています。

①立地ではなくスピリットでつながる
②ヒトの流動性を活かす / 促進する
③グレイトフルデッド的観光ツアー

「商店街2.0」の3つの軸とは

①立地ではなくスピリットでつながる。

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 昔ながらの商店街も、オンライン上のショッピングモールも本質は同じ。「立地」を活かして集客するのが基本的な機能。商店街なら、駅前の立ち寄りやすい場所にあったり。オンラインモールだったら、認知度の高いキュレーションメディアやウェブメディアに取り上げられたりすることが「立地の良さ」だと思う。

 「商店街2.0」は立地に依存しない。同じようなスタンスや思想で共感しあってつながったお店が加入して、住んでいる近くにある加盟店で会員になってもらえば、別の地域にある加盟店でもサービスが受けられたりする仕組みです。それを全国にマッピングしていってネットワークにしていきたい。

 もしかして商店街っていうよりも、昔の「相互リンク」に近いかもしれません。それをリアル店舗にも適用して、「あそこにいくならこの店に行ったらいいよ!」と、店舗間でお客さんに宣伝して集客や送客の仕組みにしていきたいと思っています。商店街2.0はスピリットでつながった相互集客の仕組み。または「ネオ観光MAP」なのかもしれません。

②ヒトの流動性を活かす / 促進する

 過去と比較して、移動コストが圧倒的に下がりました。LCCや高速バスなんかを駆使すれば、格安で移動ができます。以前に比べて、旅行する機会が増えた人も多いのではないでしょうか?ヒトの流動性を活かすのが、「商店街2.0」のもう一つのテーマでもあります。

 この「商店街2.0」の仕組みを使ってもらえれば、その地にある間違いないお店を紹介できるはず。そして、そのローカル店主に美味しいお店や、行くべき場所なんかを尋ねれば、観光雑誌よりもリアルで親和性の高い間違いない情報を教えてくれるはず!何しろ、それぞれのローカルで、同じような趣味嗜好を持った人たちの集団なのだから。

 これは、僕も京都で実感しています。京都って一般的には古都で歴史的な建造物が有名だけど、実は大学も多くて、若いモラトリアムが許容されている地域でもある。「サブカル」や「ユースカルチャー」がめちゃくちゃ多い。実は芳醇なサブカルチャーの巣窟だったのだ。それってローカルの人と交流しなかったら知らなかったし、それ以来、そのカルチャーに惹きつけられて、やたら京都に出向いてしまう自分がいる。

 そういう経験って何事にも変えがたいし、移動コストが下がっている今こそ、ローカルの口コミを頼りに旅をする格好のチャンスです。

 人が動くキッカケを作る。お店は「不動産」。動けないからこそ、カルチャーが作れるってメリットはある。お店が動けないなら、動きたいヒトを作っていく。そのお店の魅力を同じ価値観でつながった人たちに届ける仕組みが「商店街2.0」なのです。

③グレイトフルデッド的観光ツアー

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 さらに「商店街2.0」では、イベント開催時に「お客さんをイベント会場(加盟店)まで連れていく!」ということを目標にします。実際にバスとかに乗せて連れていく!となると「観光業」みたいな免許が必要なので一緒に動くのは難しいんだけれど、現地集合なら問題なし。

 来てもらってやってほしいことは、思いっきりその地を楽しんでもらうこと!イベントのお手伝いしたい!って人には手伝ってもらえばいいし、その場を拠点に観光しに行ってもらってもいい。会場で手に入る情報は、確実でホットな内容だからね。そして、夜は集まって飲みましょう!

 その可能性を感じたのは、3月の頭に行った愛媛県の今治で開催したイベントでのこと。

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 ツイッターで「今治のイベントに来ませんか?」と募ったところ、福岡、大阪、東京から続々と参加表明が…!結局、違う土地から10名以上が各々のスケジュールに合わせて今治という地を楽しんでくれました。しかも、東京から訪れたフリーランスや事業をやっている人から、ローカル向けに編集やブランディングのワークショップも自主的に行ってくれて、東京で磨いてきたものをローカルに落としていくこともできました。

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 僕らが動くことで、旅行の、ローカルの魅力を感じるキッカケになって。それが出会いになり、またその地に旅行にいく、ローカル界隈で言われる「関係人口」を作っていく一助になればそれ以上に嬉しいことはないし、少しでもローカルにお金が落ちるようなことができれば最高だなと思うわけです。

 このアイディアは、60年代からアメリカで活躍した最高のライブバンドであるグレイトフルデッドからアイディアをいただきました。この本に詳しく書いてあるので、興味のある方は一読してみては?

東京にもローカルがあるよ

 「商店街2.0」は分断されたローカルをヒトとヒトでつなぎ合わせて、スピリットと関係人口で小さな経済圏を作る試みなのです。

 僕らが池尻大橋を拠点にして2年半くらい。ここで感じるのは「東京も地方じゃね?」ということ。このあたりを歩くと、知ってる人に絶対に会う。僕らの新店舗がある通り沿いにも2軒ほどお友達のお店があったり。仲の良いコーヒーショップやバー。みんなかけがえのない友達だ。

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 ひとつの行政区域で言うと、いわゆる「地方vs東京」みたいな論点で語られがちだけど、もっと小さい単位の東京はとてもローカルだ。そう、東京も小さく見てみれば、ローカルの集合体。

 「イメージとしての東京」は知っているかもしれないけれど、池尻大橋のことは知らないでしょう?東京タワーも、スカイツリーも無い東京の小さな街。それが池尻大橋。

 「池尻大橋いくと結構楽しめるな」「池尻大橋、意外と近いし行ってみたいところがいくつかあるから行ってみよう」みたいに、場の魅力を伝え、盛り上げていくことを考えています。

ALL YOURS新店舗情報

住所:〒154-0001 東京都世田谷区池尻2-15-8
電話番号:03-6413-8455
営業時間:(平日)15:00〜21:00 (土日祝)12:00〜20:00
定休日:月曜日

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ALL YOURS CO.,LTDライフ・スペック伝道師

Masashi Kimura(木村 昌史)

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24ヶ月連続クラウドファンディングに挑戦中です!

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ALL YOURS

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DEEPE’S WEAR

Website

服を選ぶとき、何を基準に選んでいますか。
天候や環境を考えて服を選ぼうとすると、着られる服が制限されてしまう。
そんな経験ありませんか。
そこで、私たちDEEPER’S WEARは考えました。
服本来のあるべき姿とは、時代・ライフスタイル・天候・年齢・地理など、
人ぞれぞれの環境や日常に順応することではないだろうかと。
あなたの持っている服は、どれくらいあなたに順応していますか。
服にしばられず、服を着ることを自由にする。
人を服から“解放”し、服を人へ“開放”する。
このDEEPER‘S WEARの理念を可能にするのが、
日常生活(LIFE)で服に求められる機能(SPEC)を追求した日常着(WEAR)、
「LIFE-SPEC WEAR」なのです。
DEEPER’S WEARはALL YOURSが取り扱うブランドです。

▶︎これまでのALL YOURS木村のLIFE-SPECの作り方

#015 “ポップアップストアの限界点”を感じた男が、販売を目的にしない「フラットなリアル店舗」を作る理由

#014 ファッション業界が作るトレンドって必要?「洋服に必要なもの」について考えるイベントを開催します

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Photo by ALL YOURS
Text by Masashi Kimura
ーBe inspired!

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