#004 熱血は響かない。冷めてる世代の「さとり・エシカル」、始まる。| INHEELS岡田の「リアル・エシカル」


「さとり世代」などと称される、10〜20代の若者たち。彼らは上の世代とは異なり、「熱い言葉」を好まない世代だと言われています。

ファッションブランドはそんな彼らにアプローチしようとするとき、どんなメッセージを発信するべきなのでしょうか?

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「冷めてる」世代の青い炎

 弊社、エシカルファッションブランドのINHEELSは9月、下北沢に第一号店舗をオープンしました。オンラインショップだけではなく実店舗をかまえたいと思った主な理由が、お客様と会ってお話がしたいから。開店から2ヶ月、INHEELSのファンの方やエシカルファッションに興味のある沢山の方々、特に10-20代の方々と話して気付いたことがあります。

 「夢」や「情熱」、「世界平和」、「ぬくもり」など、熱量や優しさを全面に押し出した言葉と語られる事が多いエシカルファッション。ファッションにエシカル(倫理)を求めるこの分野は、根っこのところでは現状の服作りや消費行動を変えるという情熱や強い意志があるのだからあたりまえなのだけれど、こういった熱い言葉遣いがあまり若い世代には響かなくなってきているような感覚があります。

 「若い世代」とかなり乱暴にくくっているけれど、いわゆる「冷めてる」といわれる1990年に生まれた若者を中心とした「さとり世代」は、言葉選びでも熱に弱いのかもしれません。

 ただ、熱血ではないからといって関心や意志がないわけではもちろんありません。「青く静かに燃える炎は赤い炎よりも温度が高い。それと同じように冷めてるように見える若者も、実は熱く燃えるものを心に持っている事があるんすよ」、と20代前半の友人が教えてくれました。

 だったら彼らに向けた新しいメッセージの発信の仕方やコミュニケーションはどうなるのでしょう?

キーワードは「共感」より「納得」

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(Photo by Unsplash)

 「熱に弱い」世代に届けるため、これからは感情に訴えて「共感」を得るのに加え、しっかりと説明をして「納得」を得るというアプローチが必要なのかもしれません。共感より納得、精神論より理論、夢より現実。熱血系のアプローチではなく、あくまで淡々と説明をする。実はそんなアプローチのエシカルファッションが最近アメリカで人気を博しています。

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(引用: EVERLANE )

 そこで使われるのは、「ラディカルトランスパレンシー」という言葉。極端なまでに情報公開をするという意味で、ファッションの文脈では主にコスト構造を公表していくことを指します。

 ファッションの世界では「憧れ」をつくるために通常コスト構造はほとんど公開されませんが、ラディカルトランスパレンシーを実践するブランドではひとつひとつのアイテムに対して材料代がいくら、工賃、縫製賃がいくら、関税や輸送費がいくら、だからこの定価になりますと説明されます。購入する側は原料・生地・染めや縫製等それぞれの行程がどこで行われていて、いくらかかっているのかを知る事ができます。

 そこにあるのは感動的なストーリーではなく、知識を得た事からくる納得感。「ふーん、こんなかんじなんだ。だったらいいんじゃない?」という感覚。心をつかまれるような感動はないかもしれないけれど、腑におちて、逆にコストがわからないとちょっと不安になるような感覚でしょうか。

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(引用: EVERLANE)

 ラディカルトランスパレンシーを実践するのはアメリカのEVERLANEというブランド。日本でもこういったファクトや数字ベースの情報公開で「腑に落ちる」「納得感」のあるエシカルファッションが出てくれば、感動ストーリーが少し苦手な「冷めてる」世代の静かな炎を燃やせるのかもしれません。

INHEELS(インヒールズ)とは?
 ロンドンと東京に拠点を置くエシカルファッションブランド。

 “who said ETHICAL is not SEXY?” をテーマに、セクシーでありながら媚びることのない、スタイリッシュなデザインを追求しています。服を着た方の毎日が彩り豊かになることを、イメージしながら。それぞれの人生に思いを馳せながら。

 INHEELSが考えるエシカルファッションは、フェアトレード、サステイナブル素材、アップサイクル素材、マルチユースデザイン等を積極的に活用し、ファッションによる環境や社会へのダメージをなるべく抑えること。また、服が作られた過程もその魅力のひとつとして紹介すること。

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INHEELSの初店舗が下北沢にオープン!

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(引用元: INHEELS)

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Text by Yuka Okada
ーBe inspired!

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