46杯目:「本屋にも多様性を!」有色人種やLGBTQなどの“マイノリティが書いた本”を読むべき理由。#WeNeedDiverseBooks|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会


 

8月も終わり、「読書の秋」だから何を読もうかと考えている人もいるかもしれない。では自分がこれから読もうとしている本、あるいは読んだことのある本について考えたとき、著者の人種に注目することはあるだろうか。おそらく、そんなことを考えている日本人は多くはないだろう。

アメリカでは、出版される本の著者、そして出版業界で働く人もともに白人が多く、マイノリティの視点が欠けていることが大きな問題となっている。そこで、有色人種の著者の本の出版を増やし、書店に置かれる本を多様なものにしようとするムーブメント「#WeNeedDiverseBooks(私たちには多様な本が必要)」が行われているのだ。

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「本は子どもたちが世界を見るための窓。彼らのためにその窓を開こう!」

 同ムーブメントは、人種的マイノリティの住民の多い地区の書店や学校を中心として行われており、マイノリティの本を扱うことで売り上げが伸びたという報告もある。また、あらゆるバックグラウンドの子どもが訪れる図書館にも人種的マイノリティの著者が書いた本を並べたコーナーが作られ、彼らを多様性のある本に触れさせる機会を作っているのだという。(参照元:GOOD



 著者の人種やそれにともなう境遇は、著者の視点として本に表れていることが多い。そんななか人々は歴史の本を読むことによって自分のルーツを探るかもしれないが、アフリカ系アメリカ人が歴史の本を読むとき、白人の著者によって書かれた本の中で自身を探ることは難しいのだ。

 したがって、著者の人種に多様性を求めるムーブメントの背景には、さまざまな人種が暮らすアメリカで自らのアイデンティティを守り続けようとしている人々の姿がある。




 人種の歴史や視点、そして子どもたちが自分のルーツを探ったり多様な価値観を身につけるうえで、本の中にも多様性を広げることが必要だといえる。これは人種だけではなくジェンダーやセクシュアリティなどについても同様で、性の多様性を描いた本があることで、子どもたちが自分と相手の違いを受け入れる助けとなるのだ。

 他の人とは異なる自分の境遇にあった人の書いた本を読めば、自分は1人ではないと思えるかもしれないし、自分とまったく異なる環境に生まれた人の本なら、その境遇に対する理解につながる可能性がある。この秋は著者のバックグラウンドを意識して本を選んでもいいかもしれない。

Text by Shiori Kirigaya
ーBe inspired!

 

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