アンジェリーナ・ジョリーなどの著名人が「過去のセクハラ被害」をSNSで告白したことでわかった社会の闇


誰かに何かを打ち明けた時、「私も」と言ってもらえ、共感しあえる人の存在を見つけたことで自分だけじゃないんだと心を強く保てた経験は誰もがあるだろう。そんな経験を共有することが社会にどれほど大きなインパクトを与えるのか知れる出来事が起きた。今、ハリウッド業界から世界へ広がっているハッシュタグムーブメント、#Metoo(私も)だ。

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有名女優たちが次々と被害を告白

 2017年10月、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏の約30年間にわたる女優たちへのセクハラが明らかになった。その数はなんと45人以上。ワインスタイン氏はアカデミー作品賞を度受賞し、数々の作品をアカデミー賞にノミネートさせてきた。もし彼の名前を知らなかったとしても、多くの人は『キル・ビル』や『英国王のスピーチ』など彼の作品を知っているはずだ。そんな彼のセクハラ行為が暴露されるきっかけとなったのは、アシュレイ・ジュッドやローズ・マッゴーワンなど複数の女優による訴えだ。そして彼女たちに続き、グィネス・パルトロウやアンジェリーナ・ジョリーなど数々の有名人も次々に被害を告白し始めた。この出来事に対し、女優アリッサ・ミラノはツイッターの投稿で、「もしあなたがセクハラや性的暴行をされたことがあるならこのツイートに#Metooと返信してほしい」と呼びかけた。


「友達の提案:もしセクハラや性的暴行にあったことのある全ての女性がMe tooと投稿すれば、社会がどれだけ大きな問題を抱えているのか人々は気づくかもしれない」

 このツイッターでの投稿をきっかけに男女問わず多くの人がセクハラなど性的被害について声をあげることの重要性を訴え始めた。セクハラや性的暴行の被害にあったことを訴えるのは、どれだけ勇気のいることかを投稿されたツイートから理解できるだろう。そしてツイートの急速な広がりは被害を主張することが難しい社会に対して、怒りや不信感を抱えてきた人々の賛同を示していると言える。


「このストーリーを共有することは本当に怖い。だから意地悪にならないでね。これが私の#Metooのストーリー」


「私は逃げることができた。でも全員が逃げれるわけじゃない」

*Rapists:レイプ犯、Reported: 警察に届けられた人、Faced Trial:裁判をした人、Jailed:刑務所に入った人、Falsely Accused:冤罪で罪に問われた人

 この図は、実際のレイプ事件に対して報告された件数や裁判が行われた件数などを示している。これを見れば、いかに多くの人が届出を出さず沈黙し続けているかがわかるだろう。

「僕たちはどう変わるつもりか」ちゃんと返事をするよ

 #Metooが女性を中心に広がりつつある中、これに答える形で男性たちも性被害について考るように促す#HowIWillChange(僕たちどう変わるつもりか)も広がっている。これはオーストラリア出身のライターでジャーナリストのベンジャミン・ロウ氏から広がった。


「男性のみなさん、私たちの番です。昨日の絶え間ない、性的虐待や暴行、セクハラ被害にあった女性の#Metooストーリー のあと、今日は私たちが#HowIWillChange(僕たちはどう変わるつもりか)を広げましょう」

 多くの女性たちが被害を公に訴え始めたが、これは当然女性だけの問題ではない。世界中に広がるこの深刻な問題に対して、男性たちはどう変わっていくべきなのか考える必要があるだろう。

性被害を堂々と主張できる社会へ

 ワインスタイン氏の数々のセクハラ行為がこんなにも長い間、公にならずにいた理由として、多くの被害者が大物プロデューサーである彼に歯向かえば自分の仕事がなくなると不安を抱き、仕事への影響を考えて言い出せなかったからである。そのため、世間に知られるまでこんなにも時間がかかってしまった。

 声を上げられず、辛い気持ちを押し殺してきた人々が多くいる。#Metooの数の多さが見過ごされてきた出来事の多さを目に見える形で物語っている。今回の騒動をきっかけにハリウッドだけでなく、世界中の人々の間で沈黙が破られ、性被害を訴えやすい社会になればいい。

Text by Shizuka Kimura
ーBe inspired!

 

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