33杯目:インスタグラムが若者の精神面に悪影響を及ぼすことがイギリスの王立公衆衛生協会の研究で判明。#StatusOfMind|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会


 

「フォトジェニック」という言葉を頻繁に聞くようになってどのくらい経っただろうか。

フォトジェニックとは「写真写りがいい」という意味。インスタグラムやツイッター、フェイスブックなどのSNSに自分の私生活の写真を投稿することが当たり前になった今の時代を反映したような言葉だ。

SNS上では、自分の気に入った写真だけを公開して「自分のなりたい自分」を演出することが可能であり、そんな他人の写真の溢れたSNSのタイムラインを見ていてうんざりしたり劣等感を抱いたりする若者も多いという。

Photo by Daria Nepriakhina

Photo by Daria Nepriakhina

 今年発表されたアメリカの調査によると、現在18歳から24歳のミレニアルズ(1980年代以降に生まれ2000年代に社会に出る世代)に「好きなSNSは何か?」と質問をしたところ、25%がおしゃれでこだわった写真の共有が多いインスタグラム(約6億人*1)、24.4%が実際の知り合いとの近況報告をするのに便利なフェイスブック(約18億7100万人*2)、23.3%が一定の時間で動画や写真が消えるように設定されているためどんな瞬間も気軽に動画や写真でシェアできるスナップチャット(約3億人*3)と答えている。(参照元:Sprout Social, Smart Insights

(*1)(*2)(*3)人数はそれぞれ世界のユーザー数

 これらのSNSを日常的に使用することが若者たちのメンタルヘルスにどのような影響を与えているのだろうか?イギリスの王立公衆衛生協会はSNSを利用する91%の14歳から24歳の若者を対象に、#StatusOfMind(直訳:精神の状態)という名の調査を行ない、どのSNSが最もポジティブで、どのSNSが最もネガティブな影響を及ぼすかを発表した。

 調査の背景にあるのは、イギリスで25年前に比べてうつ病や不安神経症の若者が70%も増加し、10人に7人がネットいじめを経験していることに対する懸念だ。(参照元:RSPH



「インスタグラムは“リアルライフ”じゃない。惨めな自分をSNSで見せるわけないでしょ」ークロエ

 調べた結果は、ポジティブなものから順に、ユーチューブ→ツイッター→フェイスブック→スナップチャット→インスタグラム。最もポジティブと判定されたユーチューブと、最もネガティブと判定されたインスタグラムの主な理由を見てみよう。

・ユーチューブ
動画を通して自己表現ができ、アイデンティティの確立につながる。一般に公開されているコンテンツばかりで、見ている人が疎外感を抱くことは少ない。また配信される内容には、メンタルヘルス問題の啓発や理解につながるものも含まれている。長時間の利用は睡眠の質の低下や睡眠不足を招くが、内容がボディイメージ(容姿に対する自己評価)の低下やいじめにつながる割合は低い。

・インスタグラム
写真や動画を通して自己表現ができ、アイデンティティの確立につながる。だが“きれいに作り込まれた写真”が多く、見ている人のボディイメージ(容姿に対する自己評価)をひどく低下させ、落ち込ませたり苛立たせたりすることがある。また、自分だけトレンドから取り残されないようにと投稿をチェックせずにはいられなくなったり、長時間の利用が睡眠の質の低下や睡眠不足を招いたりする。

(参照元:RSPH

 

 この調査では触れられていないが、どのSNSもヘイトスピーチの内容が含まれる場合があり、それがメンタルヘルス問題につながる可能性もある。

※動画が見られない方はこちら

 #StatusOfMindの調査結果や、若者のSNSに対する意見を紹介する上記の動画では、インスタグラムがネガティブに感じられる理由として、若者たちが「フェイクなライフスタイルを演出できること」や「他人の生活がよく見えて劣等感を感じてしまうこと」を挙げている。

 SNSにあるのは悪い面ばかりではない。例えば自分の抱えている悩みを人と共有したり、SNS上でもコミュニケーションをとって友人との関係を良好にすることだってできる。しかし、この研究から分かるようにSNSを見ていて他人を羨ましく感じて落ち込んだり、自信をなくしたりしてしまうようなら、SNSの使い方を見直してみる必要があるかもしれない。

Text by Shiori Kirigaya
ーBe inspired!

 

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