#02「 “遊びながらやる感覚” で環境活動にも参加したい」。映像で環境NGOをポップにするクリエーター。 |「世界は気候変動で繋がっている」。若き環境アクティビストのリアルな声。by 350.org


「環境活動=まじめ=つまらない」。そんなイメージを吹き飛ばす環境NGOが日本に存在する。それが「国際環境NGO 350.org Japan (以下、350)」だ。

年齢、職業、性別、人種、とにかく多様なコミュニティである350は、下は6歳の子供、上は70代のおばあちゃんまで、シングルマザー、障がいを持った人、外国人もメンバーにいる。そこで主体的に動いているのは、主にミレニアル世代と呼ばれる(1980年代から2000年代初頭までに生まれた世代)若者たち。上も下もないフラットな組織である350は、気候の公平性と訳される「クライメート・ジャスティス*1」の角度から、お金と気候変動にまつわる問題を楽しく広めていく活動に取り組んでいる。

少しでも多くの人に、楽しみながら環境活動ができることを知ってもらいたい!そこでBe inspired!では、350.org Japan のフィールド・オーガナイザー イアン氏と、活動に関わるさまざまな人との対談を連載でお届けする。

連載2回目の今回は、350が現在行っているキャンペーン「レッツ、ダイベスト!」のために映像を作ってくれた大月 壮(おおつき そう)さんに、等身大のままでいながら環境問題と向き合う、彼なりの環境活動への関わり方について話を聞いた。

Photo by 撮影者

▶︎前回の記事はこちら
▶︎350.org Japan フィールド・オーガナイザー イアン氏のインタビュー記事 
『「日本の銀行が環境破壊に加担する事実」を知らない日本人へ。25歳のアクティビストが提案する解決策とは』

(*1)クライメート・ジャスティス:「気候の公平性」と訳されるこの言葉は、先進国に暮らす私たちが、石油や石炭などの化石燃料を大量消費してきたことで引き起こした温暖化への責任を果たし、すべての人々の暮らしと生態系の尊さを重視した取り組みによって、温暖化を解決しようとすることを表している。

「NOよりYESの活動をしたい」

イアン:大月さんはいつ頃から社会問題に関心を持ったんですか?

大月:9.11だね。だけどもっと身近なものとして考えるようになったのは、3.11の震災と原発事故。あれがあって、多くの人が未来や社会や政治について考えたと思うんだけど、僕も同じように考えたんだよね。

イアン:日本にとって3.11はターニングポイントでしたよね。

大月:そうだね。周囲でも政治的な議論をするのが当たり前になってきて、政治的な市民活動をする知り合いとかも出てくるんだけど、だんだんとみんな極端になっていくというか、敵味方に分けて敵のやることには何でもNO、NO言い出す人が周囲に多くなった感じがあって。

イアン:「感覚的に反対」するようになっていくんですかね。

大月:そう感じた。憶測を大声で主張したり、敵味方でぶつかり合ってNO、NO言ったり、そういうのに疲れてさ(笑)エネルギーがダークなんだよ。もっと健やかにポジティブに応援できる事柄って考えた時に、僕は「太陽光発電いいじゃん」「自然エネルギーいいじゃん」って言いたいと思った。僕、太陽って超イケてる存在だと思ってて(笑)

イアン:「太陽がイケてる」ですか!?(笑)

大月:そう。まず、めちゃめちゃデカイのよ(笑)太陽と地球の大きさの比較図みると「マジかよ!」って叫びたくなるくらいに絶してデカイ!あと、めちゃめちゃ熱い!ボーボー燃えてて近寄れないほど熱いってのも絶しててクール。でもって、そんな想像を絶した存在の超巨大球体がこの星を温めてくれてて、あらゆる生き物の命の源になってて、なんか母っぽい感じもあるのがイケてる。もはや神様っぽい。古代の人が信仰した気持ちわかる(笑)さらにクリーンな発電にも使えるんだから文句なしに最高だよね。

イアン:太陽が全ての命の源だと思うと感動しますよね。そんなイケてる太陽へのラブからパワーシフトのイベント*2に来た流れだったんですね!

大月:そうだね。“原発NOより再エネYES”って言いたいなと思ったんだよね。それでパワーシフトのイベントに誘われて行ってみたら、そこにイアンが登壇してたんだよね。

(*2)パワーシフト:原発や化石燃料から作られたエネルギーから、再生可能エネルギーにシフトすること。

イアン:イベント後にいきなり「再エネってヤバいよね!」って言ってきて。え?!この人やばいって思った(笑)でも実は大月さんが、僕が高校生の時に見て感動してた「アホな走り集」の作家さんで、それからのお付き合いですね。

大月:そうそう、奇跡だね(笑)

イアン:いやほんと。で飲みに行ったら意気投合して、そこからEarth Choice Festaや、Mizuho Actionなどの動画を撮っていただくことになったんですよね。

※動画が見られない方はこちら

「ポケモン風ドット絵の動画」で環境問題をポップに。

大月:Earth Choice Festaを面白くしたいから、何かアイデアないかって相談しに来てくれたんだよね。展示の内容に対してやれることは思いつかなかったんだけど、イベントを撮影して記録ムービーを残そうってなった。実際出来上がった記録ムービーを見た350 のボランティアやスタッフたちから「実際のイベントよりカッコよく見える」とか「感動した!」とかリアクションを貰えて嬉しかった。Mizuho Action*3は、抗議の内容を聞いたらすごくユニークな手法で面白そうだったから、「撮影しにいくわ」って僕から言ったんだよね。350は環境団体だけどクリエイティブな思考があるから僕は好きなんだよ。

イアン:Earth Choice Festaの動画は他の参加団体の方々も喜んでくれました。正直僕もその完成度にすごく驚きました。Mizuho Actionの動画も、内容はみずほの株主総会前で行った「無責任銀行ジャパン大賞」っていうアクションだったんですが、ものすごくかっこよくて、いわゆる「抗議行動」とは全然ちがう「350らしい」イメージが出ていたんですよね。

そして今回「レッツ、ダイベスト!」月間が始まるタイミングで、大月さんが「ドット絵で動画作んない?」って声かけてくれて、今回の動画を作ることになったんですよね。動画についてここで少し解説してください!

大月:最初に何のゲームを模倣しようかと考えて、MOTHERのロゴが思い浮かんだの。MOTHERの“O”って地球をあしらってるんだよ。そこからMOTHERに似たゲームとしてポケモンが連想された。そこでピン!と閃いて、ポケモンってお母さんにお金を貯金することが出来るんだよ。だからポケモン風のゲームでお母さんから貯金について教わるってのは筋も通るし面白いだろうと。あと自分的に気に入ってるのは、ド頭でお札を握りしめた少年少女が「やるぞ!」って感じで登場するシーン。見た目のパンチがあって笑える(笑)でも正直ドット絵にすんなりOK出たのは驚いた。

イアン:基本的なスタンスとして、身近な人と一緒にできることをやりたいなって思ってるんですよね。知らない映像クリエーターさんをゼロから探して、連絡して、お願いして、眉間にシワ寄らせてってところにエネルギーを使うより、信頼できて気の合う身近な人にお願いした方がはるかにいいものができ上がると思うんです。なによりその方が楽しいだろうし。

(*3)Mizuho Action:国際環境 NGO Rain Forest Action Network(RAN)の調査により、気候変動に対するポリシーを持たないことから RANによる銀行の国際比較で「F」の評価を与えられたことを受けて、350がみずほフィナンシャルグループの株主総会前で「無責任銀行ジャパン大将」の表彰式を行ったアクション。

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イアン:大月さん的には、今回のテーマでドット絵を使うことの魅力ってなんですか?

大月:まず自分が得意だし、あと環境団体ってなんだか硬いイメージだから、そこを逆手にとるというか、このジャンルにもっとPOPなアプローチの表現を加えていくのはいいかなって思ったんだよね。目立つじゃん。あとPOPなセンスって視聴者がとっつきやすくなるから、興味を持ってもらう入口の間口を広くする効果があるんじゃないかなーとも。だから今回の作品も、まずは楽しんで見てもらって、そのついでに「銀行ってそうか!」って思ってもらえたら嬉しい。

違う言い方をすると、等身大にするとも言えるかな。僕は遊びながら楽しんで仕事してるから、そういう等身大のバイブスで参加したいなって。硬いジャンルだからってかしこまりたくないし、普段の僕目線で参加する。“遊びながらやる感覚”で環境活動にも参加したい。僕がそういうタイプってのもあるけどイアンもそういう感じするね。

イアン:バレた(笑)でもその等身大って言葉はキーワードですよね。さっき大月さんがYESな活動なら関わりたいとおっしゃってましたが、350の活動のアウトプットが太陽イケてる!のような「YES」の感情に素直であることは常に心がけています。そういう発信がNGOにはもっと必要だと思うし、「環境問題は真面目な問題だから、真面目にやらなければならない」っていう刷り込みがあるからこそ、遊び心を入れるって大事ですよね。

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共感できて、環境や社会にいい映像を作りたい。

イアン:ちなみにそんな大月さんがどうして350の活動に興味を持ったんですか?

大月:前から金融が世界に及ぼす影響ってのを気にしてたから、大きなお金の流れにアプローチしている団体があるんだってことに驚いたし、面白いなと思った。環境問題に対してお金の流れから切り込むんだーって。

イアン:大月さんに「活動がちょっとアートっぽいよね」って言われて驚いたんですよ。というか意味がわかりませんでした(笑)

大月:言葉間違えた感じある(笑)けど、アプローチの意外さだったり、単純なアイデア1発で大きな問題をコロっと転がす感じが、アートみたいなハッとする面白さに近いものを感じた。銀行口座を変えるって具体的だし簡単なアクションだから、誰でも出来るのも良いなって思った。

イアン:最後の質問ですが、今後大月さんはどういう形で環境の分野や350と関わっていきたいと思ってますか?

大月:無理せず楽しく、自分が持続可能な範囲で関わりたい。「環境が好きなら生き方全体を変えろ!」みたいになると辛いな(笑)海や空気が汚いよりは綺麗な方がいいし、公害が多い発電技術よりは公害が少ない技術の方がいいじゃん。そういう素朴な感じ。ライフスタイル全体を変えるんじゃなくて、生活の大半の時間が仕事の時間だから、仕事の内容を変えることで、ちょっと社会的に良くなりたいと思ってる。仕事として関わらないと自分も持続可能じゃなくなっちゃうから、やっぱ仕事としてっていうのが大事。僕は映像制作が大好きだから、環境問題でも社会問題でもなんでもいいから、自分が“YES”って思えることを映像制作の時間にどんどんくっつけちゃいたい。それで生活の時間が埋まったら、めちゃめちゃハッピーだなって思うんだよね。

※動画が見られない方はこちら

もう他人事じゃない。お金の流れを考えて、銀行を選ぼう。

 350では、11月6日から「レッツ、ダイベスト!」キャンペーンが始まる。お金の流れで環境問題を解決に導くことができることや、一人ひとりが口座を変えるという意思表示で銀行にアクションできることをたくさんの人に伝えるために、各地でイベントを開催する。このキャンペーンでは、12月12日までに100人と5団体のダイベストメントを集めるという目標を掲げている。

 さらに350 Japanでは活動をともにするボランティアも募集している。少しでもビビッとくるものがあったなら、ぜひ参加してみてほしい。

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SOU OOTSUKI & IAN SHIMIZU from 350.org

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ボランティアに参加する / 署名する / 銀行を変える / 銀行に声を届ける

大月壮ウェブサイト:http://0m2.jp/

All photos by Jun Hirayama
ーBe inspired!

 

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