#003「童貞のメンタル。それって、最高なのです」。私が生理の時、童貞を“人類の宝”だと思い、礼賛する理由。 | カミーユ綾香の「マイノリティ爆弾」


 

サラボナよりこんにちは。カミーユ綾香です。

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 サラボナは大きな教会のある、美しい街です。ルドマン氏という投資家の住む町として知られています。今、欲しい指輪がありまして、それが三越にも阪急にも売っておらず、ここサラボナにしか置いてないのです。それを手に入れるために、仕事を放り出して遥々やって来たのであります。サラボナは、地理的には、ルラフェン南の洞窟を抜けた辺りにあります。ルラフェン南の洞窟は、洞窟というよりはシンプルな抜け道で、モンスターもいますが、わりと楽に通り抜けできます。行ってみたいなと思われた方は、量販店でドラクエを購入してください。最新作のドラクエ11と間違って購入されないように。サラボナ登場は、ドラクエ5です。

 ドラクエは、国の宝です。日本人として世界に誇るべきものを思うとき、国の三宝として三島由紀夫、カレーライス、ドラクエを挙げます。私の魂の数パーセントは三島作品で成り立っているし、日本独特のカレーライスは生きる喜びを与えてくれます。ドラクエはそれらと同じくらい尊いものです。そんな国宝ドラクエですが、ドラクエとは切っても切れないもう一つの人類の宝があります。それが、童貞です。

Photo by Ben Beltran

 童貞は、三島、カレー、ドラクエの次に尊いものです。まこと有り難い存在です。この世に童貞が居なかったら、私は社会から脱落しています。確実に廃人です。童貞無しには、今の私はあり得ません。ここでいう童貞は、実際にそうかそうでないかは置いといて、童貞のメンタリティを保持している人々を指します。童貞のメンタル。それって、最高なのです。例えば、私が今、聖闘士星矢の物まねを全力でやりたい気分だとします。聖闘士星矢をマジョリティ女子の前でやると、冷気の籠もった蔑みの目で見られます。成長しきった紳士の前でやると、可哀想な子だという憐みの眼差しで見られます。ですが、童貞はどうでしょう。童貞の前で聖闘士星矢をやっても、蔑みどころか、温かい賛同の眼差しで受け入れてくれるのです。彼らの前でのみ、私は何の躊躇いもなく、俺のコスモとシャウト出来るのです。

 ドラクエと童貞を、特に強く礼賛するときがあります。それが、生理のときです。私の肉体は女性ですので、子宮があり、生理もあり、月に数日はホルモンの奴隷となります。ホルモンの奴隷期間は、痛く重く苦しいもので、勇者の心は挫かれます。その苦難を耐えて、数日後に解放されたとき、世界がクリアに拓けていきます。このタイミングでドラクエのテーマ曲を聴くと、私の中の少年が爆発し、精神は自由な獣のように走り回り、童貞達とのドラクエ世界に帰っていくことが出来るのです。

 何を宝とし、誰を礼賛するか。それは各々の自由であり、不可侵領域です。私の世界ではドラクエと童貞が崇められます。誰が何と言おうと、そうです。私の世界には、ワインや高級車やスウィーツやガールズトークは必要ありません。ですが童貞とドラクエだけは、いついつまでもキラキラとしていて欲しいと願うのでありました。

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CAMILLE AYAKA (カミーユ綾香)

北九州市出身。在日韓国人と元残留孤児の多く住む多国籍な街で育つ。警固インターナショナルの代表としてアジア各国を飛び回りつつ、十数言語による語学スクールとインバウンド支援の多言語ウェブサイト制作会社を運営する一方、難病の重症筋無力症とパンセクシュアルというセクシュアリティの当事者として、様々なマイノリティの生きやすい社会を目指して精力的に活動中。「マイノリティの爆弾」を「マジョリティ社会」に投げつけるために5月から本メディアBe inspired!で連載開始。

All Photo by Dadacurtiss
Hair styling and Make-up by RIO
Text by Camille Ayaka
ーBe inspired!

 

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