#005「毎日金正恩の幸せを願ってる」。肉を食べ、浮気をゆるし、嫌いな人を愛する“私の異常と素直の哲学”とは | カミーユ綾香の「マイノリティ爆弾」


 

放生会(ほうじょうや)よりこんにちは。カミーユ綾香です。

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放生会とは、人が生きるために殺生する生物の霊を慰め、感謝する祭事だそうです。私は以前、頭に肉を乗せた写真を投稿しネット上で炎上しました。なんか犬とか肉が可哀想みたいな批判でした。

その事件を反省し、今回、“生物に感謝して殺生を忌むために参った”、というような考えは毛頭なく、ただただ出店の豚串を貪り喰い、胃袋を肉で満たしてやろうという目的でやって来ました。

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 と、いうかですよ、生物への感謝なんて、デイリーベースでやっているのです。ヨガの慈悲の瞑想を行っているので、一日二回は、自分、自分の親しい人々、全ての生物、私が嫌いな人々(!)、私を嫌いな人々(!!)に感謝し、祈っているのです。嫌いな人の幸せを願うのなんて、大変ですよ。慣れないうちは、うちの会社から50万円踏み倒した業者の幸せを祈っていました。最初は怒りが抑えられませんでしたが、続けるうちに彼らを嫌う気持ちが消えていきました。

 慈悲の瞑想、効果絶大です。そして今は幸運にも嫌いな人が身近におりません。仕方がないので、キムジョンウンの為に祈っています。分かりますか。キムジョンウンの幸せを一日二回祈っているのです。これはひょっとすると平壌の誰よりも彼を思っているかもしれません。で、私が嫌いな人への祈りはキムジョンウンでクリアするとして、私自身を嫌いな人の為にも祈らねばなりません。そういうときは、私を攻撃するネットの向こうの不特定多数の為に祈っています。

この世に「浮気」は必要なもの。

 先日のことです。「浮気は必要悪だと思う」という旨の意見をSNSに投稿したところ、なんかよく知らない人から絡まれてしまいました。私のSNSであるし、美しくも面白くもない文章なので削除したのですが、繰り返して絡んでくるのです。その人にとって浮気は悪でしょうけど、私にとっては悪ではないのです。

 私の祖父も父も自営業でしたが、二人とも女の子が大好きでした。頑張って成功したら女の子と遊べる、ということが、彼らのモチベーションになっていました。私自身、育てることが非常に好きな性質なので、友人でも恋人でも、如何にしてその人を応援するかで愛情表現してしまいます。好かれようとか独占したいという気持ちよりも、どうやったら成功の手伝いが出来るかが先に来てしまうので、浮気とかそんな些事は死ぬほどどうでもいいのです。そしてこれは私の嘘偽りない愛情なので、それを知らん奴から糾弾されても、どうしようもありません。

 極論、世の中は、相手の大切にしているものを尊重すれば、うまくゆくと思うのです。その人と私は違う。共感は出来ない。だから共感ではなく、理解しよう。それすら辛いなら、さよならして遠くから祈ろう。ピリオド。これで完結です。

 豚串を頬張りながら、そんなことを考えていました。そしてそれが私の素直な哲学であることを再認識しました。だからこれからも、私は愛と奉仕の気持ちで浮気を肯定し、身体を鍛え、会社を大きくし、自分を批判する人とキムジョンウンの為に祈っていこうと決めたのでありました。

 

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CAMILLE AYAKA (カミーユ綾香)
 
北九州市出身。在日韓国人と元残留孤児の多く住む多国籍な街で育つ。警固インターナショナルの代表としてアジア各国を飛び回りつつ、十数言語による語学スクールとインバウンド支援の多言語ウェブサイト制作会社を運営する一方、難病の重症筋無力症とパンセクシュアルというセクシュアリティの当事者として、様々なマイノリティの生きやすい社会を目指して精力的に活動中。「マイノリティの爆弾」を「マジョリティ社会」に投げつけるために5月から本メディアBe inspired!で連載開始。

All photos and text by Camille Ayaka
ーBe inspired!

 

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