11人目:市販のアイスクリームやチョコレートに含まれる「地球と人類を壊す油」から私たちを守る方法。|Bi が選ぶ今週のGOODTUBER(グッチューバー)


世界最大の動画プラットフォームYOUTUBEでは、YOUTUBERたちが社会の様々な情報を世界中の人と共有したり、自作の映画や音楽をアップしたりと、私たちの生活に今まで感じたことのない刺激を与えてくれる。そんなYOUTUBERたちのなかには、「社会を良くするためにはどうしたらいいか?」を考えて動画を発信する人たちがいて、Be inspired!では彼らをGOOD YOUTUBER、略してGOODTUBER(グッチューバー)と呼んでいる。本連載を通して、友達、家族や友人とともに新しい価値観と出会い、世界が広がれば嬉しい。

 蒸し暑い毎日が続き、アイスクリームが美味しい季節。あなたは食べているアイスクリームのパッケージの裏に記載されている原材料を確認したことがあるだろうか?そこには「植物油脂」や「植物性油脂」の表示が見つけられるはずだ。アイスクリーム以外にも、チョコレート、カップヌードルやスナック菓子のパッケージにも同様の表示がされていているが、一体どの植物の油なのか私たちにはわからない。

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Photo by Ramy Alaa

 実はこの成分の正体はアブラヤシから抽出される「パーム油」と呼ばれるもの。インドネシアやマレーシアを中心に生産されるこの油は、幅広い用途で使用が可能なだけでなく安価で、また生産が安定しているため、世界で最も多く消費され、需要が拡大している。

 日本では植物油の消費量のうち、4分の1はパーム油で、パーム油・パーム核油を合わせて年間約70万トン消費されていている。8割はインスタント麺やスナック菓子をはじめとした食用向け、残りの2割は石鹸、洗剤や化粧品に使われている。

 しかし、この「パーム油」は多くの危険性をはらんでいて、私たちは知らぬ間に自分の健康を害し、そして環境破壊や社会問題に加担しているというのだ。今回紹介するグッチューバー、Stevie(スティビィ)はパーム油の生産によって起きている環境問題を知り、環境や社会、自身の健康を考えパーム油が含まれた食品や製品を見極めてから、モノを選ぶようになった。

生活に隠れている、実は環境・社会・人体に悪影響な油

※動画が見られない方はこちら

 そんな彼女は、パーム油の生産によって多くの動物・植物の命が奪われて、環境が汚染されている事実を知り、心が引き裂かれるような思いをしている。この油の生産地でもあるインドネシアやマレーシアには、多種多様な動物が住む熱帯雨林や森林があった。しかし農園を作るために伐採され、オランウータンやゾウなどの絶滅危惧種を含む野生生物の生息地を奪っているのだ。1990年~2010年の20年間で約360万ヘクタール(九州程の面積)の森林がアブラヤシ農園に転換され、ピグミーゾウの生息数は1500頭以下になり、オランウータンは生息地の80%が失われてしまった。(参照元:パーム油調達ガイド

 それだけでなく、温室効果ガスの排出、プランテーションで用いる農薬や化学肥料の多用による水質・土壌汚染、製紙・搾油工場からの排水による河川の生態系へも影響があるようだ。(参照元:プランテーション・ウォッチ

 パーム油は環境問題以外にも数えきれないほど社会問題を引き起こしている。劣悪な環境で労働者が低賃金で働かされていたり、また地域住民と企業との間で土地をめぐり、紛争が起きていたりするという。そして、ほとんどの食品に含まれるこのパーム油は、私たちの健康にも害がある。当初トランス脂肪酸の代用として注目されていたこの油だが、 飽和脂肪酸の摂取量を増加させてしまう可能性があり、 米国農務省(USDA)は「食品事業者にとってパーム油はトランス脂肪酸の健康的な代替油脂にはならない」と公表した。(参照元:農林水産省

私たちにもできる、地球を守る小さな取り組み

 スティビィは「パーム油を理解せずに、この油が含まれているものを食べたり使ったりすることで、知らない間に地球を傷つけている。そんな私たちにも地球を守るために身近にできることはある」と話す。そんな彼女が提案する“環境を破壊しているパーム油を摂取しない生活を送るための2つの方法”をここでは紹介したい。

①「パーム油が原材料欄にどのような名称で記載されるか」調べる。

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 パーム油は原材料欄での名称の記載がはっきりと義務づけられていない。パーム油は「植物油脂」、「植物性油脂」、「食用植物油脂」に含まれて記載されることが多い。そこで彼女は買い物をするときは原材料を必ずチェックして、大量生産されたパーム油でなく、他の種類の油が使用されているもの、もしくは社会を考えて生産されたパーム油を選ぶようにしている。

②パーム油を選ぶときには「環境や社会を考慮した“持続可能なパーム油”が使われているか」を確認する

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 パーム油の問題に伴い、2004年に「持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil)」が設立され、「RSPO」と呼ばれている。この団体は、8つの原則と43の基準を定め、透明性のある生産法をしているか、環境を考慮してパーム油の生産を行っているか、などパーム油の審査を行っている。そしてこの審査を通過した油は、RSPOの認証油のマークが付けられている。(参照元:WWF)。RSPO以外にも多くの団体が持続可能なパーム油に取り組んでいるため、彼女はこれらの団体から情報を集め、認められたパーム油かどうかを確認してから購入することを勧めている。

未来の地球と社会、そして自分自身を救う存在になる。

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 私たちは生活のなかで気づかないうちに環境破壊や社会問題に加担し、自分自身の健康を害している。パーム油の存在は、驚くほど身近な存在だからこそ、一人ひとりがパーム油を自身で調べ理解し、選択していく必要がある。買い物をするときに、原材料を確認して「これなら大丈夫」と安心して買い物をしてみたら、地球、社会、そして自分やほかの動物が守られていくのではないだろうか。

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Stevie

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YOUTUBE:https://www.youtube.com/channel/UCxH7crsywgfgaOGUl2FXfVQ
Website:http://tradingwasteforabundance.com/
Instagram:@stevieyaaaay

All photos by Stevie
Text by Chisano Nezu
ーBe inspired!

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stevie3
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