中国の大気汚染物質「PM2.5」を「宝石」へ変えたオランダ人アーティストDaan Roosegaarde。


「天国と地獄」

ある中国北京市在住の中国人女性が、英国と中国の空気を比べてこのように表現した。(参照元:Record China

急速な経済発展に伴い、排気ガスや工場の煙が大量に発生する中国。北京市では年始早々、深刻な大気汚染が続き、市当局は1月4日までに、4段階で2番目に深刻な「オレンジ警報」を出したと報じられている。米大使館のウェブサイトによると、北京市の微小粒子状物質「PM2.5」を含む汚染指数は1月3日の夜から4日の朝まで最悪レベルの「危険」を上回る「指標超」の状況が続いた。(参照元:産経フォト

1日に約4000人が死んでいると報告されるほど深刻な大気汚染が続く中国の空気を綺麗にすべく、そして子供たちが笑って外で遊べるような環境を作るべく「巨大な空気洗浄機」を建てた男が存在する。

(Photo by Studio Roosegaarde)

突如北京に現れた「巨大な空気洗浄機」

 「スモッグフリータワー」。そう名付けられた高さ7メートルの「巨大な空気洗浄機」を中国に創り上げたのはオランダのデザイン事務所スタジオ・ロズガードのダン・ロズガード氏。

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 彼は過去に2度、本プロジェクトをオランダで実施しているが、去年9月に初めて中国政府の協力を得て同プロジェクトを北京市で遂行した。設置されたのは、北京市のある公園だ。

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 なぜ中国でこのプロジェクトを始めようと思ったのか。それはロズガード氏が2012年に北京を訪れた時、中国が深刻な大気汚染問題に直面していることに気づいたから。そして、空気の質が汚すぎて、子供たちが外で遊べない現状を知ったからだという。(参照元:inhabitat)

 深刻な大気汚染の中で育った子供たちは肺に一生涯残るダメージを負うといい、そんな子供たちの健康を守るためにも、スモッグフリータワーは空気中のPM2.5とPM10の粒子を75%を吸引することを目指しているのだ。

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汚い空気から、生まれた美しく輝く宝石。

 なんとスモッグフリータワーに吸い込まれた黒いチリのような汚染物質の粒子1000立方メートル分から「宝石」を作り出せるとロズガード氏は言う。そして、その宝石から「スモッグフリーリング」という指輪を作っているのだ。

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 ロズガード氏は、スモッグフリーリングとスモッグフリープロジェクトについてこう述べる。(参照元:studioroosegaarde)


“スモッグフリーリングは、世界中のデザイナー、テクノロジー業界、ファッション業界、環境愛好家の間で人気のギフトだ。それだけでなく婚約指輪や結婚指輪としても使用されている。そして、スモッグフリープロジェクトは、「クリーンな未来」を目指すスタジオ・ロズガードの特性が反映されている。市民は問題の一部ではなく、解決方法の一部なのだ”

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 「経済成長」という“正義”のもと、環境破壊や市民の健康を顧みずに大量発生した「負の遺産」である大気汚染物質を、スモッグフリーリングという「愛の資産」へと昇華させたロズガード氏。

 大気汚染は中国のみならず、インドなど多くの開発途上国で未だに抱えている重大な問題だ。今後、彼のようなテクノロジー、デザイン、ファッションの業界を越境した「クリーンな未来を目指した取り組み」が増えていくことで、未来を担う若い世代が安全に暮らせる環境が担保されていくのではないだろうろうか。

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スタジオ・ロズガードの他のプロジェクトはこちらから。

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photos by Studio Roosegaarde
Text by Jun Hirayama
ーBe inspired!

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