「ダサいセーターでチャリティを」。クリスマスの過ごし方で問われる先進国の品格。


日本でいう「クリスマス」は、目一杯オシャレをして恋人や家族、友人たちとロマンチックな1日を過ごす日ではないだろうか。

一方、イギリスではロマンチックの「ロ」の字もかすらないほど、ダサい格好でクリスマスを迎えているという。その深い理由とは?

(Photo by Ramsey Mohsen)

ふざけてないです。チャリティですもの。

 イギリスで、クリスマスの日にあえて「ダサいセーター」を着て、職場や学校に行き、クリスマスを祝う理由。それは、貧しい子どもたちのために寄付を募ることができるから。

 そんな誰もが参加できるキャンペーンを実現したのは、イギリスのNGO「セーブ・ザ・チルドレン」。彼らは4年前から『Christmas Jumper Day』という「ダサいセーター」を着るだけで、貧しい子どもたちを救うことができるキャンペーンを仕掛けた。


(Photo by Raj Panjwani)

(Photo by Raj Panjwani)

 このキャンペーンの始まりのキッカケは、2001年の大ヒット映画『ブリジット・ジョーンズの日記』で主演俳優のコリン・ファースが赤鼻トナカイ柄のダサいセーターを着て人々をドン引きさせたシーン。ふざけているようにみえるが、参加者たちは「ただただ楽しむ」のではなく、きちんとその活動の意義を理解している。そのため、家族で「Christmas Jumper Day」に参加する人も多く、クリスマスの日にはあえて家族全員でダサいセーターを着て、チャリティの意識を高めている家庭も多い。

 もちろん、家庭でもただ単に楽しいイベントとして子供たちを参加させてはいない。親が子にきちんとそのチャリティの意味を理解させ、その理解をもってセーターを着させているのだ。これは一過性のものではなく、次世代にまで続けさせようとしているチャリティ。2012年から始まったこの活動は、すでに100万人以上の人々が参加し、150万ポンド(約2億900万円)もの募金が集まっているという。

クリスマスの3週間前から聞こえる「切り上げて下さい」

 所変わってドイツでも4年前から、とあるチャリティ・キャンペーンが始められている。ドイツ国民にとってクリスマスはとても大事な日だ。クリスマスの3週間前から各家庭で準備が始まり、クッキーを焼き、ツリーの飾りつけをする。

 そんなタイミングに合わせて始められたのが、「Deutschland rundet auf」というキャンペーンで、スーパーのレジで払う金額を10セント(約12円)まで切り上げて支払うことができ、その追加金額を経済的に恵まれない子供たちに寄付できるというのだ。例えば、支払い金額が12ユーロ90セントなら、13ユーロに切り上げて、10セントは寄付されるというシンプルなシステムだ。

 ほとんどのスーパーでこのキャンペーンは実施されており、クリスマスの時期に入ると、レジ付近では「金額を切り上げて下さい」という暖かい声があちこちでドイツでは聞こえてくる。

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(Photo by Alicia Zinn)

クリスマスの「食品廃棄」、2.5万トン

 イギリスやドイツのように、誰かに寄付をするという形でクリスマスを祝おうとする意識も必要だが、一方でギフトラッピングやパーティーの飾りつけなど、過剰な演出が引き起こす事態も理解しなくてはならないだろう。イギリスのニュースサイト「ITN News」は、クリスマスのために使われた装飾品や包装紙が巨大なゴミを生み出している事実を伝えている。クリスマスの期間だけで300万トンのゴミが集められ、食べ残しのゴミは約2.5万トン、クリスマスカードは約2万トン、そして包装紙のゴミは1万トンにも及ぶそうだ。(参照元:ODN

 もちろんこの傾向は日本も同様。ハロウィンに然り、クリスマスに然り、年末にかけてゴミが増えるため、年始は特別体制でゴミ収集をしているのだ。ちなみに、新宿区では通常の1.5倍までゴミの量が増え、さらにゴミの分別が甘くなっていることが問題になっている。(参照元:トコトンハテナ

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(Photo by Annie Spratt)

クリスマスの新しい過ごし方

 「クリスマス」は華やかで幸せなイメージがある。しかし「特別な日」というのを言い訳に、ゴミや食品廃棄を多く排出し、電気代を浪費してしまっている部分はないだろうか。恵まれている国だからこそ、自分だけの幸せを考えるのではなく、他の誰かのためになにかギフトするのはどうだろうか。

 例えば、英エディンバラで始まり、今では日本でも毎年開催されている、サンタクロースの衣装を着て走り、参加費の一部で病気と闘う子ども達へクリスマスプレゼントを贈るチャリティイベント「サンタ・ラン」(2016年開催終了)に参加するのもアリだ。

 自分と、大切な人と、誰かのため。そんなトライアングルを描き、幸せを願う日として今年のクリスマスは過ごしてみるのもいいかもしれない。

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(Photo by Tom Rickhuss)

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Text by Asuka Yoshida
ーBe inspired!

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