「ゆりかご」から始まる、世界で一番早い「性教育」


(Photo by telmah.hamlet)

(Photo by telmah.hamlet)

小学校高学年になると、保健体育の授業で性教育を扱い始める。
 
デリケートな話題であるため、教師はいつも以上に慎重だ。
 
「男子は校庭に出て遊んでいるように」と、女子だけ教室に残ったという記憶がある人もいるのでは?
 
しかし、こういった従来の性教育の在り方では、本当の意味で子どもたちの「性」を守れないのではないか?という疑問の声が聞こえてくるようになった。
 
果たして性教育はいつから、どのような内容で始められるべきなのだろうか。


 
 
無責任な性情報で溢れるインターネット

日本の小学生の携帯所持率はおよそ40%。
 
5人に2人が自分用の携帯を持っているということだ。
 
さらに高校3年生になると95%以上が携帯を所持している。
 
これはほぼ全員と考えて良いだろう。
 
年齢に関係なく自由に情報発信と受信ができるようになった我が国では、便利さを享受する反面、子どもたちの力では対処できないリスクが降りかかってきた。
 
出会い系サイトで知り合った男性に女子中学生が暴行された事件や、小学生がSNSで知り合った男性から住所をしつこく聞かれたりするなど、子どもを狙った犯罪が後を絶たない。
 
そして、インターネット上には真偽を問わず性に関する情報が溢れているため、子どもが目にする可能性は十分に考えられる。
 
現在、正しい知識を持たないまま「ネットの情報」だけに翻弄され、取り返しのつかない行動に出てしまう児童が増えているようだ。

 
 
学生時代は恋愛禁止!セックスはタブーの国・中国

お隣の国・中国では、日本以上にセックスをタブー視する風潮がある。
 
特に、高校を卒業して受験が終わるまでは異性との恋愛は厳禁!
 
法律で決まっているわけではないが、どの学校にも「暗黙の了解」があり、勉学に励む時間を男女の恋愛に費やすなど言語道断なのである。
 
それに伴い、学校における性教育も世界的な水準を大きく下回っているのが現実だ。
 
そういった性教育の遅れを逆手に取り、中国では悪徳ビジネスが横行している。
 
女性に慣れていない純朴な男子大学生を狙った「何でも屋さん」が登場し、多くの男性たちから金銭を徴収しているようだ。
 
さらに、昨年4月には9歳の男児がアダルト動画の真似をして成人女性を強姦するという信じられない事件が発生し、世界の人々に衝撃を与えた。
 
避妊に対する意識も低いため、中国では1年間に7万件ものHIV感染の新規報告があるようだ。
 
性教育が遅れているとは言え、インターネットによる情報社会化は日ごとに進んでおり、性の情報は誰でも簡単にキャッチすることができる。
 
そういった現状に合わせた「正しい性教育」が為されていないことは、大きな問題ではないだろうか。

 
 
「赤ちゃんにもきちんと教えるべき」世界一早い性教育の国・フランス

(Photo by Daniel Broc)

(Photo by Daniel Broc)

一方フランスでは、中国とは真逆の性教育論が説かれている。
 
性に関する情報は、「赤ちゃんの頃から正しく与えていくべき」というものである。
 
愛情を示す時にできるだけ赤ちゃんの体に触れるようにし、育児においてスキンシップを重要視する。
 
さらに両親が信頼関係で結ばれていることを示すために、子どもの前で積極的にハグやキスをしているようだ。
 
他にも、同性愛者の存在を幼い頃から隠さずに話し、愛には色々な形があるということを伝え、性的マイノリティに対する偏見をなくそうとしている。
 
「正しい愛情の感覚」を身につけてもらおうという考えのもと「世界で一番早い性教育」を家庭の中で行っているのである。
 
さらに、フランスでは未成年の避妊は無料。
 
学生の中絶手術やピルの処方を無料で行うというものである。
 
高校の敷地内にはコンドームの自販機があり、学生たちは自由に購入できるのだ。
 
日本だったら信じられない光景だろう。
 
そういった性教育政策の結果、フランスは未成年の望まない妊娠率がヨーロッパで最も低い国になったのである。

 
 
子どもと性を切り離さないこと

日本では、子どもたちに正しい性教育をしようとする一方で、性を匂わせることを子どもの前で隠そうとする風潮が強い。
 
「こんなものは子どもが見るものではありません!」と、ドラマのラブシーンでチャンネルを変えてしまう親もいるだろう。
 
情報社会化が進む現在、子どもたちは決して性情報と無縁な存在ではない。
 
社会の変容に合わせ、性教育の在り方も変えていかなくてはならないのだ。
 
「子どもと性」は切り離されるべき、という教育観が主流である以上、日本の高校にコンドームの自販機が置かれることはないだろう。
 
かくして子どもたちは目隠しをされたまま、無免許運転のような状態で性の世界へ足を踏み入れていくことになるのだ。

 
 
via. THE WALL STREET JOURNAL, 日刊サイゾー, 日刊サイゾー, wotopi, ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一
 
 

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