ファッションで「男女差別をぶち壊す」北欧の老舗百貨店


女性が「ボーイッシュ」な服装をすると、何だか強くなった気分になって、ビジネスの場でも舐められないで済む。では、その逆はどうだろうか?私たちが持っているファッションへの「イメージ」は、世界の長い歴史の中で作られた「固定観念」なのかもしれない。そんな「ファッションの権力構造」は、今壊されつつある。

ファッションに植え付けられた性別のイメージ

 長い歴史の中で男女それぞれの服へのイメージが定着し、自分の性と異なる印象の服を着ると、本能的に不安や自信を感じることがあるという。しかし、自信が湧くと感じるのはたいていは「男らしい服」を着た女性ばかりで、逆に男性が「女性らしい服」を着ても、本能的に不安を感じたり、好奇の目で見られていると感じてしまうようだ。

 しかしこんな心理現象は、「女性らしい服」「男性らしい服」というように、服装と性別に関して私たちが固定観念を持ってしまっているから起こるのだろう。これは知らず知らず持ってしまっている、差別的なイメージなのではないだろうか。

ある老舗百貨店が始めた「モードの破壊」

 そんなファッションへの固定観念を払しょくしようとスウェーデンの老舗百貨店「オーレンス(Åhléns)」が始めたキャンペーンがある。その名も「服の権力構造を破壊しよう(Bryt klädmaktsordningen)」。

(引用元: AHLENS)

(引用元: AHLENS)

世界的なジェンダーレスブーム

 しかしファッションとジェンダーの関係は、世界的にも変化しつつある。例えば、人気ファストファッションブランドのZARAは、「メンズ」「レディース」の他に新たに「アンジェンダード(ungendered)」というラインを発表し、ユニセックスなスタイルを提案している。

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(引用元: ZARA)

 日本でも今年、中性的な服装や化粧、美容を楽しむ「ジェンダーレス男子」が話題となった。その中でもタレント、読者モデルとして人気のこんどうようぢは、自らジェンダーレスブランド「DING」をプロデュース。原宿を中心に中高生の間で人気を呼んでいる。(参照元:WELQ
男女の枠を超えて様々なスタイリングを提案している今回のキャンペーン。「ピンクのセーター」や「リボンの形に結んだショール」、スカートなどに身を包み、自信に満ちた表情でポージングする男性モデルからは、「性別にとらわれず自分を表現するべきだ」というメッセージが伝わってくる。

 服を「売る」側であり、売るために男女それぞれのターゲットを絞った商品展開をしていかなければならない百貨店がこのようなキャンペーンを打ち出したのは、ジェンダーへの関心が強く、国民の消費への意識も高いスウェーデンならではなのかもしれない。

固定観念をぶっ壊す「ファッション新時代」

 今の時代、もはやジェンダーイメージをファッションと結び付けること自体古いのだろう。「性別にとらわれず自分の好きな服、着たい服を堂々と着る」というのが、ファッションの新時代なのだ。

 日本でも男子はスラックス、女子はスカートが当たり前の学生服が見直されたり、ビジネスや就職活動の現場で、「女性らしさ」をスカートやパンツでどうコントロールするかで悩む女性たちがいなくなる日も近いかもしれない。

 「多様な性」の共存が当たり前の世界になるためには、ファッションのジェンダーレス化は不可欠だ。ひとりの「人間」としてファッションを楽しみながら、これからもその流れを見守っていきたい。

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Text by Minori Okigaki
ーBe inspired!

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