もう女性の話を邪魔させない。社会に蔓延する“モラハラ”に一石を投じる「男を黙らせるアプリ」とは。


なんとなくの雰囲気でお茶汲みをするのはいつも女性社員。
仕事に対する意見を述べたら、めんどくさいお局扱い。
何かにつけて「女なんだから〜」と指摘する男性の上司。

あなたの職場ではこんなことが当たり前になってはいないだろうか?日本の社会の中で常習化され、もはや被害者、加害者ともに無自覚になってしまっているこれらは、れっきとした男女差別であり、いわゆる「モラハラ」だ。

「モラハラ(モラルハラスメント)」とは、社会生活や日常生活における言動に対して、言葉や態度、身振りで相手を傷つけること。(参照:Weblio)執拗に繰り返される暴言、あるいは無視など特定の誰かを明らかに攻撃する「いじめ」とも言える行為から、呼吸をするのと同じくらい「無意識」に放たれる些細な一言まで私たちの生活のいたるところに溢れ、いつもどこかで誰かが被害者となっている。

そんな社会に蔓延する女性への「黙認されたモラハラ」に対抗すべく、先日スマホアプリが開発された。最新技術を駆使した、「モラハラ男を黙らせるアプリ」とは?

男を黙らせる「ひみつ道具」誕生。

 動画をご覧いただきたい。

※動画が見られない方はこちら

 「Man(男性)」と「Interruption(妨害)」を合わせてできた言葉「Manterruption(マンテラプション)」。女性が発言している途中で男性が不必要に割り込み妨害する行為を指し、数年前から欧米で問題視され始めた「モラハラ」の1つである。このManterruptionを撲滅するため、ブラジルの広告会社BETCSãoPauloが3月8日のInternational Woman’s Dayに発表したアプリが「Woman Interrupted」だ。

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 夫婦間での会話や職場での会議など、私たちの生活における様々な男女の会話の場で男性が女性の話を妨害した数、つまり「Mantteruption」が起きた回数、をカウントしてくれるのがこのアプリ「Woman Interrupted」。

 使い方はとても簡単で、自分の性別と声を登録し、異性との会話中に起動させるだけでアプリがスマートフォンのマイクを通し男女の声を自動でデータ解析する。解析されたデータはグラフ化され、直近の会話だけでなく、その日1日、1週間、1ヶ月、1年の間で起こった「Manterruption」の回数を知ることができるのだ。アプリ起動中の会話は自動で音声データに変換されるため、会話の内容が記録されることはなく、個人情報などの流失や盗用の心配はない。

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 ブラジルの広告企業トップ10にランクインする企業の中で唯一女性が代表のBETCSãoPaulo。この企業で働くWoman Interruptedの開発者ガル・バラダス氏は、昨年のアメリカ大統領選、1度目の討論会でトランプ氏がクリントン氏の発言を妨害した51回という数字に注目し、このアプリの開発に至ったという。一見、小さな問題のように思われがちなこのManterruptionだが、この行為は女性たちから自分の意見を述べる機会を奪い、学業やキャリアの大きな妨げとなっており、その事実を多くの人に気付かせることがこのアプリの目的であると彼女は話している。(参照:Woman Interrupted

男女差別×モラハラ

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 一般的にモラハラの加害者は自尊心が強く「自分よりも優秀な人間を認めたくない」という人が多いと言われている。さらに、必ずしも全員ではないが男性は仕事に対する評価欲が女性より強い傾向にあるという点も合わさり、女性の社会進出が進む現在、「周りに優秀だと認められる女性」が、男性のエゴの矛先となってしまうのだ。

 米HuffingtonPostでは、アメリカのある会社で同じクライアントとのメールを女性社員の名前でやり取りをした際と、男性社員の名前でやり取りをした際とではクライアントの対応が大きく異なり、同じ技量の社員でも「女性」というだけでハンデがあるという旨のニュースが取り上げられ、ビジネスの世界に根付く男女差別の実態が浮き彫りとなった。(参照:Huffington Post US

 職場のみならず社会の様々な場面で男女平等が唱えられている現在だが、法律や規則などでは超えられない壁が未だに存在しているのだ。

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Photo by iprice

 今回取り上げたのは女性が直面しているモラハラについてだが、男性も女性からのモラハラ被害にあっている場合があることを忘れてはいけない。私たちに必要なのは「もしかしたら自分もモラハラの被害者もしくは加害者なのかもしれない」という当事者意識を持つこと。一人の無意識の行動や言葉が職場や学校、家庭、さらには通勤電車の中でも誰かを傷つけている可能性があるのだ。

 アプリ「Woman Interrupted」はその「無意識」を社会全体で解決していくべき問題として可視化するのに大きな貢献をしただろう。自分自身の行動を今一度客観視し、規則や経済面だけでない本当の意味での「男女平等な社会とは何か」をじっくりと考えてみてほしい。

All photos by Woman Interrupted unless otherwise stated.
Text by Chisato Tanabe
ーBe inspired!

 

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