まちに”平和”をもたらす正義の”下ネタ”


(Photo by REFINERY29)

(Photo by REFINERY29)

突然ですが、クイズをひとつ。
 
“現在、アメリカ・テキサス州内にある大学構内において、所持品として禁止されているモノは、次のどちらでしょうか?”
 

1,拳銃
 
2,大人のオモチャ

 
※答えは、文末へ


 
 
大量のディルド、無料で配布します

(Photo by<a href=

CITYLAB)

2016年8月24日、テキサス州オースティンにあるテキサス大学で新学期を祝うイベントが開かれていた。
 
部活動や各種サークル団体がブースを連ね、新入生の勧誘を行ったりするよくある風景。
 
アメリカならではの、典型的なお祭りムードに、これからの新生活に心踊らせていた学生たちも多かったはず。
 
会場の片隅で、異様な光景を目の当たりにするまでは―。
 
一際目立つ人だかりが周囲の目を引くが、有名人が突撃訪問して来たという雰囲気でもなければ、事件の野次馬といった感じでもなさそう。
 
よく見ると、なにやら“不思議な物体”を振りかざしては、楽しそうに笑っている学生をみかける。
 
カバンから例のブツをぶら下げて、堂々と構内を歩いている人もいる。
 
その正体は、なんと「ディルド」と呼ばれる陰茎の形につくったゴム製の大人のオモチャではないか!

「Campus (DILDO) Carry」と書かれたブースの前で、大量のディルドを無料で学生たちに手渡していたのは、ジェシカ・ジンと彼女の仲間たち。
 
大学構内で大人のオモチャを配布するとは、さすが自由の国アメリカといったところか。
 
だが、卑猥な活動をしているサークルの勧誘活動なんかではない。
 
去る8月1日に、テキサス州政府によって執行された、ライセンスを取得した21歳以上の者であれば、大学構内でも銃の所持を許可した法制度、「Campus Carry」への抗議活動の一環だ。
 
奇しくも“8月1日”は、オースティン校にとって、忘れられない痛ましい事件が起きた日でもある。
 
1966年のこの日、大学構内にあるタワーの上からチャールズ・ウィットマンという男性による銃乱射事件が発生し、49人が犠牲となり、17人の尊い命が奪われた。

(Photo by wikipedia)

(Photo by wikipedia)


アメリカ国内における、大学構内での銃乱射事件は、日本でも馴染みのニュースとなった。
 
事件が起きるたび、規制を緩和するのか、取り締まりを強化するのかといった議論が巻き起こるが、これといった有効な解決策が見出されることなく、悲惨な事件があとを絶たない。
 
50年前と同じ過ちを繰り返すのか、それとも、健全な銃社会との付き合いかたへとシフトしていくのか。
 
アメリカ社会の縮図ともいえる光景が、オースティン校での入学式の一幕に投影されていた。
 
 
活動を支えるひとつの信念とは

多くの人が、銃の蔓延る世の中なんて望んでいないはず。
 
それにもかかわらず、“銃の所持が大学構内の秩序を守る”という賛成派が掲げる信条のもと、テキサス州では、キャンパス内における拳銃保持の規制が緩和された。
 
これにより、辞職を決めた教師もいるというから、事態の深刻さがうかがえる。
 
その一方で、人間にとって自然であるはずの「性」に関するものが、これまでもかというほどに厳しい規制のもとにある。
 
同州にある大学の多くは、州政府が掲げた“条例”なるものに賛同しており、大学のガイドブックにも、性的な言動は軽犯罪に値する旨の記載が綴られている。
 
「人の命を脅かす銃の所持が許されているのに、なぜディルドはいけないの」
 
率直な疑問を抱いたジェシカは、ディルドを手に立ち上がった。

(Photo by Lamerie)

(Photo by Lamerie)


ただでさえ、銃の所持に賛否両論があるアメリカ社会。
 
そこにきて、これまた物議を醸し出すようなネタを公の場へと持ち出したジェシカたち。
 
活動を立ち上げて以降、彼女たちのもとには嫌がらせメールや脅迫まがいの手紙が、何千通と届いたそうだ。
 
「なかには、配っているディルドで、私たちがレイプされることを願っている人もいます。襲われることで、拳銃を持っていればよかったと後悔すればいいと考えているわけです」
 
それでも、ディルドを配り続けることを厭わないジェシカたち。
 
ひとつの信念が、彼女たちの活動を支える。
 
「不条理の問題には、不条理だと感じる問題で対処すればいい」

 
 
世の不条理を正す”下ネタ”

(Photo by Trey Ratcliff)

(Photo by Trey Ratcliff)

これから先もアメリカ国内では、銃社会との付き合いかたを模索するべく、建設的な議論が続いていくことだろう。
 
「下ネタを持ち出すなんて、茶番だ」とツッコミを入れたくなる人もいるかもしれない。
 
だが、ジェシカたちの取り組みは、世の中の課題を解決していくときの、重要な手がかりを提示してくれているのではないだろうか。
 
拳銃とは全く関係のない大人のオモチャを持ち出すことによって、多くの人の注意を喚起し、銃規制に関わる当事者以外の人たちを巻き込んだ「Campus (Dildo) Carry」。
 
このやり方が、正しいかどうかはさておき、潔くそそり立つ一本のディルドを見ていると、不条理な問題の解決には、別の角度からのアプローチもときには必要であることを認識せずにはいられない。
 
もし、目の前に正したいと思う課題があるとしたら、あなたはどのような解決策を思いつきますか?
 
 
 
冒頭の答え:2

 
 

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